「OVA HELLSING II」

小便はすませたか？
神様にお祈りは？
部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK？
　ウォルター・C・ドルネーズ


いよいよ「OVA HELLSING」DVD第2巻がお目見えだ！
DVD第1巻では、2度の延期を経て30分→50分の尺になったものの、原作の雰囲気を壊すことなく、そして放送コードもなんのその（笑）でファンの期待に応えた。
その次巻。

期待するな、という方が無理！

今回も延期があったが、その分クオリティや雰囲気は1巻よりも更にグレードを増している。尺こそ40分強と多少短くなってるが、その分内容は濃い。

原作で言うと、コミック第2巻の途中――ヴァレンタイン兄弟の襲撃編。

ヤン・ヴァレンタインの下品な口振りもまた原作にほぼ準拠。というか、原作以上か（笑）。出るわ出るわ下ネタトーク。ヤンの声を演じている高木 渉の演技がまたキレていて、「ヤン・ヴァレンタイン」に味付けをしている。
「HELLSING」の真骨頂というべきセリフが、ベテラン声優の白熱した演技で命を吹き込まれるほど面白いものはない。
ヤンのセリフにしろ、ウォルターのセリフにしろ。

そして、なにより中田譲治演じるアーカードが鳥肌ものだ。
ルーク・ヴァレンタインとの戦闘において、拘束術式を解放するシーンは必見。中田譲治とアーカードがまるでシンクロしていると思うほど、その迫力は筆舌に尽くしがたい。
声優がキャラクタに命を吹き込む、という意味がわかるというもの。
ただの俳優にはできない芸当だ。

そして、アンデルセン神父こそ出ないが、その分「死神ウォルター」のアクションがさえ渡っている。そしてルーク・ヴァレンタインの見せ場を、という意見から作品の中では原作以上に見せ場がある。
そう、今回はアクション・シーンに気合が入りまくっているのだ。

　ウォルター & セラス VS ヤン & グール部隊
　アーカード VS ルーク

まさに「出血」大サービス。
TVではできないほどに、大サービス。
とにかくクールに、ど派手に戦闘してます。
ええ、そりゃもう。

物語の最初の方ではコミカルな部分も忘れていなく、本当に作り手が原作が好きってのがわかるというもの。オーディオコメンタリーを聞くと、地獄のリテイクとかあったようだけれども（笑）
ただ、公式サイトにも、

一般の方には少々ハードルの高い品性下劣な飲み屋のようなコメンタリーとなっております。
http://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/anime/hellsing/

と、あるようにオーディオコメンタリーは、かなり・・・最初の方は酷い（笑）
ただ、ところどころでは、作品制作時のエピソードや裏話なども聞けて興味深い部分もある。

とにもかくにも、第2巻もまた、ファンにも満足できる仕上がりになっている。
もっとも、少佐の「あの」演説はまだまだのようだが・・・。
第1巻よりもちょっとだけ出番が増えていたけどネ。


　・HELLSING II [初回限定版]
　・HELLSING II [通常版]