野球
「かつてこれほどの緊張感で野球をしたことがなかった」
賛否両論の中、今回遂に史上初のプロ選手選抜によるドリームチームが結成された。シドニーのリベンジを果たす為、野球人気復権の為に。
今回、プロのみのチームを作った事で確かに金メダルを狙えるようにはなった。しかし同時にプロ野球選手によってアマチュア選手の夢を奪われたのだ。今までオリンピックでの野球はアマチュア選手の目標であり、夢だった。オリンピックに出る為にプロ入りを拒んだ選手さえいるほどだ。今回の日本代表には主将の宮本を筆頭にアマチュア出身の選手が大勢いる。だからこそ金メダルを取らなければアマチュア選手に申し訳ないという強い想いが選手達に重くのしかかる。イタリアで行われたセリアA選抜との練習試合で見せた5番、中村紀洋の5年振りとなる送りバントがそれを物語っていた。金メダルは彼らにとって目標でも夢でもなく義務なのだ。
悲壮なまでの覚悟で挑む24人の選手達。全てのプレッシャーを振り払い、大暴れする彼らの姿は僕らの心に深く刻まれるだろう。