〜超絶的アクション・エンタテインメント、遂に完結!!〜
■ストーリー
結婚式をかつての仲間に襲撃され、愛する夫、お腹の子供を殺されたヒロイン、ザ・ブライド。奇跡的に目覚めたブライドは、復讐の鬼と化し、次々と仲間たちを仕留めていった。ターゲットは全部で5人。残る3人、ビルの弟バド、エル・ドライバー、そしてかつての恋人ビルへの復讐を遂行していく…。
■「Kill Is Love」
2003年、黄×黒のトラック・スーツで日本中に衝撃を与えた「キル・ビル」は映画という枠を超えて、様々なメディアに影響を与え、新しいカルチャーを生み出した。待望の完結編となるVol.2は、サブタイトルが示す通り、「愛」がテーマ。愛にもいろいろかたちはあれど、この作品が示す最終的な愛のかたちとは…251分の一大巨編、ブライドの壮絶な復讐劇が、いよいよクライマックスを迎える!
■いやぁ…濃い!
復讐の鬼と化したユマ・サーマン演じるブライドが、残る敵陣、バド、エル・ドライバー、そしてビルの3人に忍び寄る。バドの生き埋め地獄、エル・ドライバーの毒蛇&カンフー攻撃、ビルの剣術…そうは簡単にヤラレナイ刺客たち。そして、そう簡単には死なない&死ねないブライド。見ごたえは十分すぎるほど。ある意味、1作目よりもタランティーノ的。「レザボア・ドッグス」あたりを彷彿させる。オススメは、エル・ドライバーとの超対決(撮影にはなんと3週間を費やしたらしい)女と女の闘い…これぞキャット・ファイト!これぞ「恨み節」の真骨頂!パイ・メイなるカンフーの達人にも要注目。ブライドは、かつて彼を師事し、中国拳法の厳しい修行を経験している。ビルやエル・ドライバーのカンフーの師匠でもあるパイ・メイはおそらく相当の老人だが、その強さは超人的。秘密はあの長いヒゲにあると睨んでいるのは、私だけか(私だけだ)。
■「映画」への愛をこめて
日本・香港映画へのオマージュ色が強かった1作目から一転、舞台はテキサス・メキシコへ。マカロニウエスタンやカンフーアクションなどタランティーノの映画オタク丸出しなところは合いも変わらず。
1作目では、ストーリーはあらすじ的にしか触れておらず、2作目となる本作で、すべての謎が解ける。前作とのあまりにもギャップのある演出に、1作目が好きなファンには驚きの展開と言えるだろう。タランティーノ監督の独自の世界観は、インディペンデントの枠を超えて、世界中の映画ファンに衝撃を与えてきた。決して万人受けする類のものでなかったとしても、あんなことも、こんなことも出来るんだ、と映画の可能性を存分に見せつけてくれる。金髪の女殺し屋が、梶芽衣子の曲をバックに刀を振り回すなんて、誰が考えられようか。正直、この映画は笑える。ラブストーリーとは程遠い。もっともっと深いところをグサリと突いてくる、極上の愛の映画だ。
(Text By ohishi)
※公開当時の告知ポスター