本国アイルランド/イギリスで早くもチャート1位獲得！
世界規格の新人バンド、ザ・スクリプト来日公演速報！

　今年4月にシングル「ウィ・クライ」でUKデビューを果したばかり、だというのに、8月中旬に発表したセルフ・タイトルの1stアルバムで複数のチャートNO.1に輝くなど、早くも大きな人気と注目を集めている話題の新鋭、ザ・スクリプトが、去る8月26日、本邦デビューに先駆けて、一夜限りのスペシャル・ショウケース・ライヴを行った。会場となったのは、赤坂サカス内に今年復活したばかりのライヴハウス、赤坂BLITZ。事情が事情なだけに、この日のオーディエンスにはかなりの数の関係者も含まれていたが、1,000人強を収容する1階フロア部分はしっかり9割方埋まっている。ショウケースとしてはなかなかの盛況ぶりだ。

　さて、肝心のバンドのパフォーマンスについてだが、結論から先に言うと、ザ・スクリプトは、まちがいなく“ロック・バンド”であった。言い換えれば、彼らは“イケメンであることを第一条件に集められたアイドル・グループ”なんかではなく、“あくまでも音楽を最優先するバンド”であり、それを実感させる、地に足の着いたパフォーマンスを見せてくれたということ。実のところ、プライベートな事情により、マーク・シーハン（ギター/ヴォーカル）が来日を見送らざるを得なくなってしまったため、記念すべき今回のお披露目公演は、ダニエル・オドナヒュー（キーボード/ヴォーカル）とグレン・パワー（ドラムス/ヴォーカル）のメンバー2人に、サポートのギタリストとベーシストを加えたイレギュラーな4人編成で敢行されていたのだが、彼らはたしかに出来る限りのアピールをしていたように思う。そしてそれは、とてもすがすがしく、ポジティヴにこちらに伝わってきた。

　ザ・スクリプトの最大の持ち味は、やはり何といっても“楽曲そのものの良さ”に尽きる。が、彼らはライヴの場での見せ方、聞かせ方というのもちゃんと心得ている。ショウを引っ張るのはもちろん、ステージ中央に置かれたキーボードを演奏しながら伸びやかな美声を響かせる長身のイケメン・フロントマン、ダニエルだ。シンガー系のポップスや歌モノのロック、コンテンポラリーなヒップホップ、R&Bやゴスペルをはじめとするソウル・ミュージックなど多様なジャンルの影響を感じさせる彼のヴォーカルは、アルバムに封じ込められた最良のテイクにもまったく引けを取らない。ラップ系のリズミックな歌い回しやファルセットを用いたアクセントの付け方、他のメンバーを交えての三声コーラス・ハーモニーも実に巧みで、ザ・スクリプトの特徴である繊細なメロディの魅力と楽曲のエモーショナルなフィーリングを、現場の熱っぽさを加えながらしっかりと味わわせてくれる。

　本国アイルランドやイギリスで先行リリースされた「ウィ・クライ」や「うごかぬ想い～ザ・マン・フー・キャント・ビー・ムーヴド」といった、切なさあふれるメロディが涙腺と琴線を柔らかく刺激する曲を聞いているうちに、“彼らは主にピアノを使って曲作りをしているのではないか？”とも思えたが、聞くところによれば、ダニエルはスティーヴィー・ワンダーの熱烈なファンだったという。ザ・スクリプトの楽曲をソフトに覆っている上品な感触や耳触りの良さは、もしかしたらそのあたりから来ているのかもしれない。歌詞にも目を向けてみると、その思いはますます強くなる。ザ・スクリプトの歌詞には、恋人同士の日常に起こる些細なトラブルや、人間誰しもが持ち合わせているはずの優しさ・傷つきやすさを切り取ったものがたくさんあるが、突き詰めれば“人類愛”から発信されているであろうこうしたメッセージも、スティーヴィー・ワンダーをはじめとする優れたソングライターたちからの影響の表れといえるような気がする。

　そういえば、曲の合間のMCもなんだか彼らの人柄の良さを表しているようだった。「みんな一緒に歌って！」「みんなのおかげでチャート1位を獲れたんだ」といった、ファンへの愛情と感謝の気持ちがたっぷりこもったダニエルの優しい言葉たちは、辛い経験も苦労も乗り越えて掴み取ったこのチャンスに懸けるバンドの、少しも飾らない素直な心情だったように思う。そんな彼らの純粋さや一生懸命さは、今回のライヴを通して十分すぎるほど伝わってきた。まもなく現実のものとなるであろうザ・スクリプトの日本での成功を、心から祈っている。

all pix : Yoshika Horita

PREMIUM LIVE IN JAPAN
Tuesday 26th August 2008 @ Akasaka Blitz

1.ビフォア・ザ・ワースト
2.トーク・ユー・ダウン
3.ブレイク・イーヴン
4.ウィ・クライ
5.うごかぬ想い～ザ・マン・フー・キャント・ビー・ムーヴド
6.ジ・エンド・ホエア・アイ・ビギン
7.フォール・フォー・エニシング
8.ラスティ・ヘイロウ
9.ヒーローズ（デヴィッド・ボウイのカヴァー）
10.ウィ・クライ

ザ・スクリプト [2ヶ月限定スペシャル・プライス盤]

ザ・スクリプト

2075円(税込)

アルバム CD

2008/10/22 発売

全てのミュージック・ラヴァーズへ――真の「良い音楽」はすべてを越える。ジャンル、世代、国境を超え、あらゆる音楽的要素を全く新しいかたちで融合させる世界規格の新人バンド: ザ・スクリプト、遂にデビュー! エンハンスト・トラック収録。日本本格デビューに先駆け、先行来日/プレミアム・ライブ開催!

スクリプト [輸入盤]

スクリプト

1885円(税込)

2008/08/12 発売

ロック、ソウル、R&B、HIP HOP・・・、あらゆる音楽的要素を全く新しいかたちで融合させる世界規格の新人バンド"THE SCRIPT"! ジャンルを越えて世界中から注目を集め続ける彼等が満を持してアルバム・リリース! UKでは、本デビュー・アルバムに先行して7月下旬にリリースされるセカンド・シングル「The Man Who Can't Be Moved」がRADIO 1&2の"SINGLE OF THE WEEK"に選出され、早くも爆発的オンエアを記録中! 2008年、現代的な輝きを放ち、あらゆるものを越えて聴く者すべての心を揺るがすTHE SCRIPT のサウンドが世界中で響く!!