1970年代後半、イギリスのメジャーなロック・シーンは、パンク・ロックとその後に訪れたニュー・ウェイヴの隆盛に大いに沸き返っていた。しかし一方、アンダーグラウンド・シーンでは、それまで主流だったハード・ロックを“古いもの(オールド・ウェイヴ)”として脇へ追いやろうとする風潮に不満を募らせていた若者たちによって、新たなロックのムーヴメントが形成されつつあった。“自分たちの聴きたい音楽がないから自分たちでプレイする”というシンプルな理由から、それぞれ楽器を手に取り、ガレージで演奏を始めた意気に燃える若者たち。やがてその動きは、支流を集めて大河となすかのごとき大きなうねりとなり、ついにはアンダーグラウンド・シーンを突き破ってロックのメインストリームへ飛び出していくこととなる。
NWOBHM=New Wave Of British Heavy Metalの勃興である。
ロンドンを拠点としていた
アイアン・メイデン、
サクソン、
エンジェルウィッチ、シェフィールドの
デフ・レパード、ニューカッスルの
タイガース・オブ・パンタン、
レイヴン、
ヴェノム、エディンバラの
ホロコーストなど、国内各地で同時多発的に“新しいヘヴィ・メタルの波”を起こした有象無象のバンドたち。カネもコネも無いが、やる気とアイディアだけは抑えきれないほど抱えていた野心的な若者たちによって牽引されたこの未曾有のムーヴメントが、LAメタルやスラッシュ・メタルといった後のムーヴメントにも影響を与え、現在も続くヘヴィ・メタル・シーンの礎となったことは、ファンならばよくご存知のところだろう。あれから、今年でちょうど30年・・・・・・
当代ヘヴィ・メタル・シーンを力強く牽引している人気と実力を兼ね備えたトップ・バンドたち――
トリヴィアム、
ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、
アヴェンジド・セヴンフォールド、
アーク・エネミー、
ドラゴンフォースをはじめとする世界中のバンドたちに連綿と受け継がれているNWOBHM以来のメタル魂。それはつまり、トレンドに中指を突き立て、自らの手で激しく時代をゆり動かす若者たちの熱い心意気に他ならない。
そんな時代に生み出された愛すべき作品たちを少しばかりご紹介。30年前のイギリスで奮闘した若き野心家たちの勲章の数々、ぜひご堪能あれ。
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