「ZAZEN BOYS」
‐ザゼン ボーイズ‐ オフィシャルHP http://www.mukaishutoku.com/ |
独特の詞の世界、攻撃的な中に控え目なギターを織り交ぜたツイン・ギター、荒々しくもあり繊細でもあり、インディーズ時代から異様な雰囲気を漂わせて居たナンバーガール。少々屈折している様な感覚はロックを愛して止まない一部の若者に激しく支持されたが、歌謡曲が主流の日本では、彼等の音楽は世間一般に広まる様な馴染みやすいメロディーとは言えなかった。しかし、それこそが逆にインパクトの欠ける日本の音楽シーンの中でナンバーガールらしさを引き立たせてくれた。 オルタナティヴ・ロック・ファンやグランジ等を好んで聴くロック・キッズの間にナンバーガールと言う名はあっと言う間に広まった。日本の音楽を愛するファン以上に、日本人離れした彼等のセンスは、洋楽ロックを愛する人々の間にも彼等の名を広めた。ロックは心、枠内からはみださずに綺麗に歌ってどうする?もっとロックを心で感じろ!…と言われている様な攻撃的なソリッド感と、紅一点のギタリスト田渕ひさ子の、その見た目とは裏腹な骨太で粗暴なギター音は、バンドの主軸でもある向井秀徳(Vo&G)と絶妙なコンビネーションを魅せ付けて居た。 しかし、ナンバーガール・ロックにもアルバム「NUM-HEAVYMETALIC」を最後に終止符を打ち、田渕ひさ子は、多くのアーティストからも支持を得ているロック・バンドbloodthirsty butchersへ加入し、新たなバンドでも田渕節を炸裂させた。そして、ナンバーガールの顔でもあった奇才児、向井秀徳はソロで活動を始めた。色々な方向性を見出すべく、アコースティック・ギターとエレキ・ギターを使い分け、多くのイベントにも参加し、一体いづこへ進んで行くのだろう?…と思わせる謎めいた匂いも漂わせて居たが、遂に彼が本格的に動き出した。その名もZAZEN BOYS。「鋭いギターリフとノるベース、遠くで聞こえる馬鹿太鼓が鳴ります。Lyricsは森羅万象のいろいろであります。」この一言で、またもやあっさりと理解出来そうもない世界を繰り広げて居る事は予想出来そうだが、メンバーの名前を見て頂ければ、鋭い牙を剥き出しにしながらなじって行くロックに心を奪われてしまいそうな予感が過る事だろう。ボーカル・ギターを担当するのは向井秀徳。ドラムには元ナンバーガールの仲間としても活動を共にして来たアヒト・イナザワ。ベースにはART-SCHOOLの日向秀和。ギターにはルミナスオレンジのサポートとしても活躍している吉兼聡。 とにかくロックな面子が揃いに揃ったZAZEN BOYS。きっと斬新な音を世に響かせてくれる事だろう。 (Text By Isoyama)
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IT'S ONLY ROCK'N ROLL (BUT WE LIKE IT)
オムニバス
発売日 2003/03/12 |
アルバム
CD
廃盤(購入不可)
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2934円(税込)
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