遂に出たぞ! 石田ショーキチ、4度目のデビューにして遂に待望のソロ・デビューアルバム! タイトルはその名も「love your life」。 美しい夕焼けのアルバムジャケットが作品の内容を象徴するが如く、石田ショーキチならではのツボを押さえた美しくも切ないメロディーと、職人技の絶妙なアレンジが施された納得のクオリティを誇るまさに名盤だ。 今回は歌詞においても己のルーツを深く掘り下げ、石田ショーキチ自身のパーソナリティが色濃く出ている作品となっている点も実に興味深い。 ビートルズとの出会いについて描かれたという、アルバムの1曲目に相応しい勢いを感じさせるナンバー「30 years before」を初めとして、至福のメロディーラインと心の奥に幸福感が広がる文句なしの名曲、アルバムのタイトル曲「Love your life」。そしてまたトッド・ラングレンのカバー曲である「I saw the light」が収録されている点にも注目だ。 「love your life」は愛に溢れたアルバムだ。大の大人がてらいなく愛を語るということがこんなにも心が動かされるとは思わなかった。こんなアルバムが聴ける時代が来るんだから意外と大人になるのも悪くないのかも。 全ては石田ショーキチが語る「Love your life」の歌詞の一節に要約されている気がする。 ★SHOKICHI
ISHIDA OFFICIAL WEB SITE★ http://scudelia.net/ ◆プロフィール◆ 石田ショーキチ(イシダショーキチ/SHOKICHI ISHIDA)
1968年生まれ 1993年、SPIRAL LIFE(スパイラル・ライフ)のメンバーとしてデビュー。 プロデューサーとしての活動も多岐に渡り、メジャーレーベル所属のアーティストからインディ・バンドまでを手掛け、「石田印(いしだじるし)」を付けるようなやり方ではなく、そのバンド(楽曲)の魅力を最大限引き出す手法は高い評価を得ている。 |
>> 石田ショーキチ
商品一覧
|
石田:そうなりますね、4度目のメジャーデビューですね。
――でもソロでは初めてなんですよね?まず最初にデビューアルバムを完成させた今のお気持ちを教えて頂けますか?
石田:そうですね。あまり感想はないです(笑)。
――(笑)、何か感慨深いものとかはないんですか?(笑)
石田:確かに・・・なくはないですけど、どの名義でもやっぱりアルバム1枚作るって大変なので、あぁ、終わったなっていう。(笑)
――もっと初々しい感想とか・・・(笑)、さすがに4度目ですからね。
石田:うん、そうですね。でも今回は出来上がった後、マスタリングが終わってCDのコピーをもらって来るんですけど、カミさんに「聴いてよ」って初めて真っ先に渡した作品ですね。
そんなことしたのは今までなかったんで。
――それは自分の中で何か明確な理由みたいなものはあったんですか?
石田:やっぱり家族を意識して作ったことは初めてだと思うので。
――あっ、それで愛に溢れた歌詞とかなんですね。
石田:うん、そうですね。
――石田さんは最近ではメガネビジョンやミッドランド、新しいところではhare-brained unityなどの若手バンドのプロデュースが多かったですよね。あと、村松ショータローとニューインディアンデスロックのギタリストとしても活動していて、ここで自分のソロ・アルバムを作ろうと思ったきっかけっていうのはどういうところからだったんですか?
石田:最初はそんなに自分のソロ・アルバムに対して興味がなかったです(笑)。
――えぇっ!?
石田:(笑)、全然、前向きじゃなかったんですけど。
――聴き手としては待ってたんですけど(笑)。
石田:ねー(笑)、そう言って頂ける声がやっぱり多くて、うちのスタッフにも歌った方が良いと言ってもらえて。
僕はこれまで自分が音楽を作って来た理由みたいなものっていうのが、ある時期を境に無くなってるんですよね。
それは子供の頃に僕は父親と折り合いが悪くて、家の中に居場所が無かったんですよ。
ずーっと孤独感を抱えて生きて来ていて、その反動というか、結局歌を作って歌うっていう作業はこっちを見てくれとか、自分のことをわかってくれ、俺の声を聴いてくれっていう気持ちがあって、歌を歌うわけですよ。
世にいる歌うたいが歌ってる動機なんて、割とそういう自分のことを見てくれっていう原始的な理由なんですよ。
自分も孤独っていうものを動機にそういう気持ちがあったから歌ってはいたんですけど、それでも尚且つ自分は歌うたいというよりもプロデューサー志向の方にいたんですけどね。
それでも何とかスクーデリアでも、ギリギリ歌を作って歌うとかやってたんですけど(笑)。
99年にカミさんと結婚して2000年に子供が生まれたんですよね。
そこで何かそれまでの孤独感とか満たされない感じとかが全部チャラになっちゃったんですよね。
――家族が出来たからということですね。
石田:そうです。自分の実家にもずーっと自分の居場所がない感じがあったけど、自分のところに家族が出来て、子供なんてほっときゃどんどんしがみついてくるんで(笑)、それが2人もいると、もう座ってるとどんどんしがみついて来て、なんかもう子供が生る木みたいになっちゃうんですよね(笑)。
――(笑)。
石田:そのぐらい自分を求められると、昔あった孤独感とかなんて全部チャラになっちゃって、歌を歌わなきゃっていう動機とかが正直空っぽになっちゃったんですよね。
――じゃあ、そこで線が引かれちゃった感じなんですね。
石田:そうなんですよ。たぶんスクーデリアの「5er!」ぐらいから作風がガラッと変わってるんですけど、まぁ、それは人に言わせりゃつまらなくなってるとも言うと思うし、自分でも随分あっさりしたものになって来てるなとは思ってたんですけど、別に自分で歌いたいことや言いたいことなんてそうそうなかったんですよね。
――確かにキャリアが長くなればそれだけ楽曲も増えて行くわけだし、歌いたいことも減っては来ますよね。
石田:おまけにその動機になるものがなくなってしまったんで。
――今回はそこの気持ち的な切り分けというか、どういうところから作ろうかなという気持ちになられたんですか?
石田:それが難しかったんです(笑)。
――(笑)。
石田:その理由がなかなか見つからなくて(笑)、やっぱりね、みんなが歌った方が良い、聴きたい聴きたいって言ってくれる声があったんで、去年からボチボチ曲を作り始めて、「ブラックバード」っていう、車に乗ってる人間にしかわかんないような(笑)、そんなつまらない(笑)、首都高ぶっ飛ばして云々っていう、そのくだらないことですけど、まぁ、そういうことを書いてみたり。
「30 years before」っていう曲は30年前にビートルズと出会ってから、自分が音楽に救われて、そして子供に出会ってほんとに救われたってことを書いてみた曲なんですけど、その辺が自分のリハビリだったんですよね。
去年1年、それらの2、3曲を書いて。
――確かに今回の作品の歌詞を見ていて、石田さんご本人のパーソナリティにとても近いことを書いてるのかなっていう気はしたんです。そこもまた今回は特色なのかなっていう感じがするんですよね。
石田:そうですね。そしてそうこうしてる内に去年キングレコードさんから出さないかっていうお話を頂いて、じゃあ、作りましょうかっていう、やっと重い腰を上げて作るっていうことにしたんですけど、曲は作ろうと思えばいくらでもメロディーって作れてしまうんですけど、そこに乗っける言葉っていうのが、自分の口から出る歌なので言ってみて自分がリアリティを感じられる言葉じゃないとほんとにダメで、今の自分の心境と言いますかね、それが今までなかなか当てはまらなくて苦労してたんです。
その中で「Love your life」っていう曲がやっと書けたんですよ。
この曲を書いた時には結局自分が愛されたいとか、自分の中の渇望するものを外に求めて行くことでしか歌が書けないのか?俺は?っていう自問自答をしていて、自分は今愛情に満たされていると、だったらそれを人にも気づかせてあげれば良いんじゃないか、そういう歌だったら書けるんじゃないかって思った時に“君を愛している”なんていう歌はいくらでもあるけど、“君は愛されている”っていう歌はなかなかないんじゃないかと思ったんですよね。
その時に俺が今、歌をこの世の中で書く役割はそこなんだろうと思ったんですよ。
それで「Love your life」っていう曲で、何だかんだ言ってこんな時代ですから、閉塞感に満ち溢れていて楽しいことよりキツイことの方が多くて、みんなほんと歯を食いしばりながら頑張ってる時代だと思うんだけど、そうは言っても生きてられてんじゃん!?そんな人生だけど自分で今生きてることを褒めてあげた方が良いじゃんっていうことを伝えるのが僕の今の仕事かなと思って。
そういう発想となった時にこういう曲が出来て行って、何と言うか歌が10曲あれば、10曲通りのストーリーがあって、そのストーリー1個1個はそれが即ちその人生であったりする訳じゃないですか、それを並べてまぁ、主にやっぱり自分の過去のことが多いですけど、全部認めてあげて、それを受け入れて自分の人生として、まぁ笑って生きて行こうよっていう、そういう気持ちになって最後アルバムがまとまって行った感じですね。
――「Love your life」の楽曲を聴いた時にシャツのことが出てくるじゃないですか、あそこのフレーズで泣きそうになったんですよ(笑)。こういう曲って今まであんまり世の中にないんですよね。今って確かに10代や20代の子達が同世代の子達に向かって歌ってる歌は届きやすいけれども、実際に大人の世代の人が歌っているはやっぱりまだ少なくて、そこから下の世代に向けて希望を歌ってもらった方がリアルに届くんじゃないかなと思うんですよ。だから大人になった石田さんが結構人生っていろいろあるけど良いものだよって歌ってくれるのってこれから先の希望に繋がるかなって思うんですよね。なので私はこのアルバムはほんとに良いアルバムだなと思いますね。
石田:ありがとうございます。
――聴いていて久々にこんな気持ちになったなっていう気はしましたね。特に表題曲である「Love your life」はキーになるなんじゃないかなと思いますね。今回はライブとかもやっていたし他バンドの活動もやっていて、スケジュールがタイトな感じが伺えたんですけど、レコーディングは順調に進んだんですか?
石田:貧乏暇無しと申しまして(笑)。
――(笑)。
石田:ほんとにうちのマネージャーはね(笑)、テトリスかお前は!?いうぐらい上手くハメて行きますねー。
ちょっとでも隙間があれば、何かこちゃこちゃハメてね。
しかもまたこれがね、上手いことに儲かんない仕事ばっかり取って来るんですよー(笑)。
――そうなんですか(笑)。
石田:ちょっとの仕事ででっかく儲けられたらこんな良いことないんですけど、ほんとに儲かんない仕事いっぱいいっぱい入れてくれて(笑)、カツカツですよ。
時間も無ければ金も無い(笑)、アハハハ。
――Macのカレンダーを緑(仕事)に染めてるって前に書いてましたよね(笑)。
石田:ホントそうですね、あれも一つの才能ですね(笑)。
――そこはマネージャーさんとしての実力の真価が問われてるところなんですよ(笑)。
石田:でもレコーディングの大体を自宅で進行させたので、そういう意味では最初のペースを作るのは結構難しかったですけど、どうしても家族と一緒にいる家なんでね。
――あぁーほんとにご家族もいらっしゃる家で・・・。
石田:そうです。家族のいる中でやっているんで、そこで自分一人仕事部屋に籠もってっていうのがなかなか最初は大変でしたけど、だんだんその中で自分のペースが出来て来ると、まぁ、そんなに・・・。
――辛くなく・・・。
石田:うん、寝たい時に寝れるっていうのがやっぱり良かったですね(笑)。
――(笑)、お家だとそうですよね、仮眠が取れますもんね。今回のクレジットを見ると、ドラムとベースは他のミュージシャンの方が参加してるようですが、ほとんどの曲をお一人で録ってる感じですよね?
石田:そうですね。大体コンピューターでトラックを作ってるのが多いんで、そういう意味では全部自分ですね。
――それはある意味、大変じゃないですか?
石田:うーん、まぁ、そうですね。大変って言ってしまえば大変なんでしょうけど、でもサウンド・プロデューサーなんて、そういう商売ですからね。
――なるほど、それはそんな苦労ではなかったんですね。
石田:うん、10代の頃からコンピューターで音を打ち込んで音楽を作って来た人間なので、そこは別にね。
――じゃあ、順調に進んで良い感じに・・・。
石田:まぁ、順調という訳ではなかったね。さっき言ったように出て来たメロディーに対してヒットする言葉を探す、そしてその言葉を言う動機を探すっていうか、そこにやっぱり一番苦労しましたね。
――曲を作ることはあんまり苦労はしないんですか?
石田:曲自体はメロディーだけ作ろうと思ったらいくらでも出来るので。
――じゃあ、いつも言葉の方がどちらかと言うと・・・。
石田:苦労しますね、はい。
――それでは今回のアルバムのサウンドの中で特にこだわって作った部分はありますか?
石田:どの曲がっていうんじゃないんですけど、歌詞的に言いたかったこともそうなんですけど、主に僕は歌詞も若い人に向けたつもりもあんまりないんですよ。
やっぱり自分と同じぐらいの世代じゃないですか、今、この国で一生懸命頑張って闘ってる世代って。
そういう人に向けて例えば「Love your life」の歌い出しとかも、サラリーマンがちょっとビールを飲んで帰って来たところが寝ちゃって、終点で起こされちゃって(笑)、「いやーもうー!終電ない、帰れねぇよー!」って言って困ってるシーンから書いたんですけどネ(笑)。
――(笑)。
石田:そういうところでお互い頑張って行こうよっていうつもりで書いたところから始まってるんで、じゃあ、サウンド的にそういう人達に向けてどういう音にした良いかって考えて行くと、別に今の最新のサウンドをやったところで僕らの世代には伝わらないじゃないですか。
僕なんかお陰様で若いアーティストと年間結構な数のレコードを作らせて頂いてるので、若いミュージシャンと接触する機会が多いじゃないですか、やっぱり彼らの考えてる感性とか、思ってるその新しい音に対する気持ちとか、僕らが真似たところで敵わないんですよ。
どうしてもロックだとかエレクトロニカとかやってると、最新のサウンドでなきゃっていうふうに思いがちで、僕らぐらいの年の人間でもたくさんCD買って、一生懸命新しいものを取り入れようとしたり、流行の動向を探ろうとするんですけど、僕にとってそれは意味ないですね。
――そうなんですか?
石田:ムリムリムリ(笑)、そんな20歳も若い人達と同じような気持ちで作れるわけないです。
今、時代を最先端で引っ張る人はその感性と世代感があって、今、作ってる文化があるわけだから、僕はもう来年40歳ですから、そのオッサンが真似したってムリですよ。
僕らは僕らの世代感で培ったもので発信して行くのが、僕らの役目なんだって僕は思うので、そこで変に今の時代に並ぼうとしないで、80年代からコンピューターで音楽を作って来た技法だったり、80年代でディスコで踊っていた時のあの感じだったりとか、90年代に僕らがデビューした時のあの当時のサウンド感だったりとか。
もっと言ったら初めて洋楽を聴いた70年代の頃のこととか、そういうの全部含めた上で、70年代、80年代、90年代、あと2000年代もちょっと入りますけど、多岐に渡った音楽ジャンルの網羅っていうんじゃないですけど、自分っていう音楽を雑食して来た人間がポロッと出す“時代感のない音”っていうか、良く言えば普遍性に満ちたというか、悪く言えば古いんだか新しいんだかわかんないような(笑)、そういう音にしたいなっていう、それで僕らの同じぐらいの世代の人にはピンと来るような音をたくさん仕込んであるので、そういうところでいろんな世代に受け入れられる音になったらなって思って作りました。
――MOTOR WORKSの時もそうでしたけど、懐かしい曲をまた外に出すことによって、同世代もそうですけど、若い世代も聴いてみてまた勉強する子とかもいるじゃないですか、かつての自分がそうだったように。そこでまた下の世代に向かっても広がりが出て来るんだろうなって気はするんですよね。好きなアーティストがこれが良いって言ったらその作品を全部聴いたりしたじゃないですか、そういう引っ張って行ってくれる人が必要だよなって思うんですよね。なのでこのアルバムは広い世代に聴いてもらいたいと思うんですよ。
石田:ありがとうございます。
――では今回のアルバムで一番込めたかった想いはというのを教えて頂けますか?
石田:先程言ってた話と重複しますけど、まぁ、“love your life”ですよね。
君の人生もそんな悪くない、捨てたもんじゃない。
――深いですね、ちょっとジーンってしちゃいましたね。収録されている楽曲についても何曲かお伺いしようと思うんですけど、1曲目の「30 years before」はシングルとしてリリースされていましたよね。今回のアルバムの収録にあたりサウンドとかも変えたりしたのですか?
石田:イントロとアウトロを変えたりミックスもやり直してますから、音的には大分変わってると思います。
――この曲もすごく個人的なロックン・ロールについてのお話を歌ってますよね。ポッドキャスティングの「熱帯宇宙紀行」でビートルズのお話をされていて、あれがすごく面白くて意外とビートルズってすごいと思っていたら、一概には言えないんだなみたいたな。
石田:そうなんです。自動的にすごいと刷り込まれてるけど、確かに才能はすごいですけど、ダメなとこもいっぱいあって、ダメなとこまでひっくるめて伝説にしてるとこがビートルズマニアの悪いとこで。
――あれはちょっとすごく興味深かったですね。そしてこの「30 years before」がそのことを元に作られてたじゃないですか、なので石田さんから見たロックン・ロールに対しての気持ちを歌ってるのかななんて思ったんですよね。そして今回は1曲カバーが入ってますよね?このトッド・ラングレンの「I saw the light」をカバーしたのはどういうところからなのですか?
石田:トッドは若い頃からアーティストとサウンドプロデューサーと、それからレコーディング・エンジニアっていう三足のわらじを履いていた、ものすごく類稀なアーティストで僕は明確に彼を目標にして来たんですよ。
今現在、僕もやっぱりアーティストであり、プロデューサーであり、最近はレコーディング・エンジニアもやるようになりというところと、そしてようやく自分名義のソロ・アルバムも初めて出すことになったので、ここで1回、自分が目標として来た人の名曲をカバーしておこうということです。
――トッド超えみたいな感じですか?
石田:超えちゃいないでしょうー(笑)。
――将来的には超えて頂く感じで(笑)、自分の中では特別な曲ではあったんですか?
石田:曲というよりは人ですね。
――なるほど、そういうところなんですね。それから特に聞いてみたかったのは「スカイウォーカーチルドレン」なんですけれども、これも印象的な曲だったんですけど、これはたぶん石田さんが小さい頃から10代の頃のことを歌っているのかな?と思うんですけれども、これもまた今だから歌える歌なのかなと思いましたね。
石田:そうですね。自分に音楽があるっていうことを知るまでは本当にもう挫折、負けてばっかりだったので、それこそ家に帰っても居場所がないし、とにかく強くなりたくてずっとスポーツやってて、やってるんだけどいつも今ひとつ強くなれないみたいな、そういう中でずっと歯を食いしばりながら頑張って来たんですよね。
――じゃあ、今の方が幸せなんですね。
石田:そうですね。
――良かったですね、大人になってから不幸な方がイヤじゃないですか。
石田:まぁーでも今も苦しいですよ(笑)、今も今なりに(笑)。
――そうですか?(笑)でも悪いことばかりじゃないよって大人が言ってくれないと救いがない気がするんですよね。なのでこのアルバムの中でいろんなことがあるけど人生は悪くないよっていうのがすごく心に残ったので、このアルバムの曲はたくさんライブでやってほしいですね。ではサウンド的な部分でこのアルバムの聴きどころを語って頂けますか?
石田:そうですね、割とこういうウェットな音を出すレコードって今のご時世ではあんまりないんじゃないですか?
最近は結構、乾いててバキーンと来る音楽が多いじゃないですか、特に歌が割とウェットに仕上げてあるので、ちょっと珍しいんじゃないかと思うんですけどね。
そういった意味でも僕らくらいの世代の人は懐かしい音なんじゃないかと思うんですけど。
――メロディーが刺さるんですよね、ここからこのメロディーとかこのコードに行くと気持ち良いんだけどなっていうところをガンッっとそのコードに行ってくれるんですよね。ではアルバムの話とはちょっと変わって石田さんにとっての宝物というのを一つ教えて頂きたいんですけれど。
石田:宝物ですか、たくさんありすぎてどれと言ったら良いか・・・、でもたった一つと言われたら、やっぱり家族ですかね。
――なるほど、すごい良いですね。物質じゃないところがまた良いですね。
石田:そうですね、物質限定だったら何だろうな、車もそうだけど、自転車もそうだけど(笑)。
――え、自転車は宝物なんですか?自転車でよくケガをされてると聞きますが、結構災いをもたらしているような気がするんですけど(笑)。
石田:アハハハ、自分でも最近そうかなって思い始めてるとこなんで言わないで下さい(笑)。
まぁ、やっぱり“家族”ですかね。
――家族が宝物って言えるって素敵ですよね。それでは今、1枚お薦めのアルバムを紹介して頂けますか?
石田:じゃあ、トッド・ラングレンの「Something/Anything?」(笑)。
――これを聴け!という感じですかね(笑)。では11月からライブツアーが始まるんですよね?こちらの「LIVE YOUR LIFE TOUR 2007」が決定しているんですけれども、新人の方っぽくツアーの意気込み(笑)を聴かせて頂けると。
石田:ハハハハ、こんなアルバムを作っておいて言うのも何なんですけれど、割と僕、年の割にイケイケなギターを弾く人間だと思ってますんで(笑)、なかなかロックン・ロールなライブショーをお見せすると思いますので、ぜひ来て下さい。
――それでは最後にリスナーのみなさんに向けてのメッセージをお願いします。
石田:世の中、捨てたもんじゃないよ(笑)、なのでそんな気持ちでこのアルバムを聴いて頂けたらなと思います。きっと頑張れると思うよ!(笑)
――ありがとうございました。
石田:ありがとうございました。
(Text by Takahashi)