デビュー10周年を目前に控えたスガ シカオから待望のニューアルバムが届いた。タイトルは「PARADE」。ジャケットの写真がその作品を象徴するかの如く光射すようなアルバムだ。
いつでもクオリティの高い作品を我々に届けてくれる彼だが、今回もまた今まで以上に聴き応え充分の作品となっている。2005 ABC 高校野球統一テーマ「奇跡」や『xxxHOLiC』オープニングテーマ「19才」、そして映画『デスノート』挿入歌「真夏の夜のユメ」など話題となった楽曲達が収録されているのはもちろんのことだが、やはり特筆すべき点は今回のアルバムでは明るい印象のアッパーな作品やロック色の強いサウンドの楽曲など、彼の新たな一面が感じられるということだろう。 8曲目の「Hop Step Dive」は今までの彼の作品の中では見られなかった、ストレートなメッセージ性の強いロック。大人であるスガ シカオが発するからこそ、その言葉は上滑りすることなく聴き手の心に刺さる作品に仕上がっている。 サウンド的にはロック寄りの楽曲が目立つ今作ではあるが、「38分15秒」や「Rush」などさすがファンク番長とも言うべき必殺のファンクナンバーも健在だ。スガ シカオならではの歌詞の世界も是非とも堪能してほしい。 そして同時発売のシングルとしてもリリースされる「午後のパレード」では、屋敷豪太のドラムとジャミロクワイのチームによるストリングスが思わず踊り出したくなるような、王道のディスコソングを披露している点にも注目だ。 いつも作品のことを質問すると、クールな風情でサラリと言ってのける姿が何とも心ニクイ彼だが。キャリアも実績も充分過ぎる程に重ねているにも関わらず、それでもなお自分自身の作風の既成概念を打ち破ろうとする姿勢は、この上ない程のプロフェッショナルを感じさせる。 守りに入らない男性ってやっぱりカッコイイ。 ニューアルバム「PARADE」で我々に新しい表情を見せてくれたスガ シカオ。
>> スガ シカオ 商品一覧
◆スガシカオ ライブ インフォメーション◆
=> スケジュール ◆スガ シカオ プロフィール◆ birth:7月28日 東京生まれ
blood type:O型 1997年2月26日、シングル「ヒットチャートをかけぬけろ」でメジャー・デビュー。同年9月3日に発売されたファースト・アルバム「CLOVER」が高い評価を得、デビュー作にしてアルバムチャートでトップ10入りを果たすとともに、その圧倒的な声の存在感とサウンドで新人ながら一躍注目を浴びる。 1998年6月、セカンド・アルバム「Family」を発表。 1999年2月、デビュー2年目にして武道館ライヴを成功させる。9月にはサード・アルバム「Sweet」を発表。デビューから3作品連続でアルバムチャートトップ10入りを果たす。 2000年10月、通算4枚目となるアルバム「4Flusher」を発表。 2001年10月、通算5枚目のアルバム「Sugarless」がアルバムチャートで堂々の1位を獲得!男性シンガー ソングライターとして確固たる地位を築く。 2002年春、自身が作詞を担当した「夜空ノムコウ」が中学生の歌唱曲となり教科書に掲載される。 2003年、オリジナル・アルバム「SMILE」と初のライヴ・ベストアルバム「THE BEST HITS OF LIVE RECORDINGS−THANK YOU−」の2枚のアルバムを発表し、精力的に音楽活動を行う。 2004年2月、デビュー7周年を記念した全国ツアー[Shikao & The Family Sugar TOUR‘04 -SINGLE COLLECTION-]を実施。11月には2004年の集大成とも言うべきアルバム「TIME」をリリース。同作も見事アルバムチャートでトップ10入りを果たし、発表した全てのアルバム作品がトップ10入りという記録を現在も更新中。 2005年8月、ABC高校野球統一テーマ│テレビ朝日・ABC系列『熱闘甲子園』エンディングテーマソング│ 原作:CLAMP『劇場版××× HOLiC真夏ノ夜ノ夢』主題歌というトリプルタイアップ・シングル「奇跡/夏陰/ サナギ」をリリース。 2006年、NHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』(毎週[木]22:00〜)の番組主題歌「Progress」(作詞・作曲:スガ
シカオ)のために結成されたスペシャルバンド(コクア)にボーカルとして参加。そして、2月26日にデビュー丸9周年を迎え、いよいよ10周年目へと突入。4月には2006年第一弾シングルとなる「19才」(TBS系TVアニメ『×××HOLiC』オープニングテーマ)をリリース。 |
スガ:あんまり実感はないですけど、でも10年は自分の功績ではなくファンとスタッフの支えがあっての10年というふうに思ってるので、これからイベントとかいろいろと催し物があるんですけど、それは支えてくれてる人達に感謝のつもりで10周年を迎えたいなと思ってます。
――10年って振り返ると長かったですか?それとも短かったですか?
スガ:今までの人生の中で一番短い10年じゃないですかね。
――え?そうですか?(笑)
スガ:えー!もう10年なの?みたいな。
――あっと言う間な感じ。
スガ:はい、そういう感じですね。
――では今のスガさんからデビューした頃の自分に向かってメッセージを送るとしたらどんなメッセージを送りますか?
スガ:そうですねー、もっとメチャクチャやって良かったかなと思うんですよね(笑)。
でも忙しくて何にも出来なかったからなー。
――それはデビューしてからですか?
スガ:デビューした頃と3年目ぐらいまではもう忙しくて忙しくて、何にも出来なかったのでもっと遊べば良かったなーとかいろいろ思うんだけど、現実的に遊んでる時間なんか1分もなかったからなー。
たぶんデビューの頃に戻ったとしてもまた同じ道を歩む気がする(笑)。
――なるほど、そうなんですね(笑)。以前からスガさんにお聞きしてみたいことが一つ。デビュー曲「ヒットチャートをかけぬけろ」を初めて聴いた時、“ぼくのいやしき魂”というフレーズがとても印象的だったのですが、アーティストの方が自分の作品を“いやしき魂”と言う言葉で表している人は今までいなかったと思うんです。
「自分の作品は尊いもの」と思っているというイメージがあったので。
現在と過去とで作品に対して何か思いが変わったようなことがありますか?
スガ:うーん、でも心持ちというか心境は当時とあんまり変わっていないというか、もう音楽を始めた時から変わってなくて、何て言うのかな綺麗ゴトを言わないっていうのが一貫して僕のやり方なんですね。
ミュージシャンを目指してるようなヤツで崇高な魂を持ってやってるヤツなんて・・・、イヤ、いるんでしょうけどね。
俺はもうホント汚れ放題汚れて音楽やってますみたいなところがやっぱりあったんで・・・、標準的だと思うけどね(笑)。
それで自分に自分で“ぼくのいやしき魂よ”って歌ってるけど、それは結構外に向いてて、他の綺麗な歌を歌っている人達に向けて、お前らよくそんな汚ねぇ魂を持っててそんな綺麗な歌を歌えんなバカヤロウっていうのはあったんですよ。
俺は汚ねぇから汚ねぇって言うぜみたいなね。
だけどお前ら汚ねぇとさえ言えねぇじゃねぇかっていうアンチテーゼみたいなのがすごいあって、言えるもんなら言ってみろみたいな、そういう曲だったんですよ。
それは今でも変わらないですけどね。
――「ヒットチャートをかけぬけろ」では曲の最後の方で“いつの日か消えてしまってもいい”ってうそぶいた感じで歌っているんですが、そう歌ってくれたことで私は目から鱗が落ちたんですよ。それまでアーティストの人っていうのは、自分の作品が未来永劫残ることを希望しているんだと思っていたんですね。
でも心に届けば消えても良いっていう人って初めてだったので、「良いんだ、残るってことが大切じゃないんだ」って思ったんです。
スガ:そうですね。曲そのものとか歌詞そのものが残るってことには、そんなにあんまり意味はなくて、ただその時に心が救われたりとか励まされたりとかして、その人が一歩、前に出ることが大切なことであって、その手助けが出来れば作品自体は別にいつか消えちゃうものだからっていつも思っていたかな。
――そこがすごく潔いですよね。その後、作詞した作品が教科書とか載ったりするわけじゃないですか、あの曲を書いていた人がこんなふうになって行くっていう流れを見ていて、すごく感慨深かったんです。今回お話を伺えて良かったです。
それではアルバムのお話をお伺いしようと思うんですけども、今回のアルバム「PARADE」はとても明るいイメージの楽曲が多い作品になりましたが、ご自分ではどのようなアルバムになったと思いますか?
スガ:明るくて風通しが良いアルバムだなって思いますね。
――今までにないですよね。
スガ:うん。
――シャツも花柄ですもんね。
スガ:そ、そうですね、まぁ、それは(笑)。
――関係ないですね(笑)。
スガ:今までにないタイプだとやっぱり思いますし、前作からの反動でやっぱりちょっと明るいのが作りたかったとは思ってたんだんけど、ただバカ明るいだけじゃなくて、人のためになる明るさかなっていうのは、ちょっと思ってるなぁ。
――それはありますね、聴いていて。例えば私は「Hop Step Dive」がとても好きで、これって今までに絶対ないタイプの歌詞ですよね。
スガ:そうですね。
――曲調もロック寄りな感じですよね。これは作る時にはどのように作ろうと思ったんですか?
スガ:最初はもっと大人しい曲だったんですよ。僕がヘッドアレンジをした時は、どっちかと言うと「前人未到のハイジャンプ」とか、「ひとりごと」とか、あぁいうちょっと柔らかい感じで、このメロディだったんですね。
でもだんだん歌詞が出来て行くうちに、そうやって柔らかく歌ってるんじゃ、やっぱ届かないなって思って来て、もっと何かゴリゴリしたもので無理矢理耳に入れるみたいなね(笑)。
そういうサウンドにしたいなって思い始めて東京事変の亀田さんにアレンジをお願いしてゴリゴリの音にしてもらったんです。
――スガさんのことだからきっと最初こうでもどっかで反転するのかなぁーと思って聴いていたら、最後までストレートに駆け抜けていて。
スガ:はい、最後までストレートに。
――この曲を聴いて思ったのが10代の子があぁいうことを言うのと、大人のスガさんが言うのと重みが違うんですよね。
スガ:うん、そうですね。ここまで辿り着くまでの覚悟が違うから、その人を応援したりとかっていうことの覚悟ってやっぱり僕はもう全然他の人と違うと思ってるから、重みとか説得力は絶対あるとは思いますよね。
――聴いていてすごい元気な感じになるんですよ。あの曲は10代の子に聴いてほしいと思いますね。あとは「38分15秒」、これは歌詞に触れるべきか悩んだんですけれど(笑)、でもすごいファンクがカッコ良くて、“38分15秒”のフレーズがずっと耳に付くんですよね(笑)。
スガ:そればっかり耳に付きますよね。(笑)
――やっぱりファンクナンバーとしてはとても素晴らしいので、このこともお伺いしたいのですが、最初からあの歌詞とあの曲調というのは考えていたんですか?
スガ:曲をね、もはや曲じゃないだけどさ(笑)、もっとHIP HOPみたいなものだと思うんだけど、テーマがあってリリックの部分があって、またテーマがあってって出て来るんだけど、要するに一回も同じメロディが出て来ないわけですよ、所謂サビもないし。それぞれ似てるようで全然違うメロディが次から次へと出て来て、そのままもう終わっちゃうみたいな。そういう歌詞って書くのがすごく難しくて、やっぱりサビでオチが付かなきゃいけないんですよね。オチが付くから次の話に行けるんであって、このオチがないと、なかなか歌詞って書けないんですよ。
で、作ったは良いんだけど、やっぱり歌詞は無理だなぁとか思って、しばらく置いておいたんですよ。
でも何かすごく歌詞書いてる調子が良くて、これは今だったら行けるかもなぁみたいな感じで、とりあえずトライをしてみたら、一晩でこういう歌詞が出来たので、やるなぁー!スガ
シカオみたいな(笑)。
――(笑)、あれは中学生が聴いたら鼻血出しますよね。
スガ:何のことだかわかんないと思いますけどね、たぶん(笑)。
――そうですかねぇ、何とも言えない感じがすると思うんですけど(笑)。
スガ:(笑)何とも言えないことはわかると思いますけど、どう何とも言えないかがわかんないと思うんだよな(笑)。
――でもその歌詞は別としても曲のリズムが素晴らしいので、ライブでみんなが盛り上がるのが楽しみですね。
スガ:はい。
――それから「7月7日」がとても印象に残っているんですが、歌の歌い方が今までと全然違うし、何か聴いた印象が迷子の子供のような感じがしたんですよね。
スガ:迷ってたんですかね、なんか。
――いや、わかんないんですけども(笑)、なぜ「7月7日」というタイトルなのかなぁとも思ったんですよ。
スガ:それは織姫と彦星的なというか七夕的な歌詞っぽいなぁと思ったのでタイトルは「7月7日」にしたんですです。でも作ったのは6月16日なんですけどね(笑)。
――あの曲は彦星な気持ちなんですか?
スガ:そんなふうにも聴こえるなぁと思って、何かシリアスなタイトルを付けるよりも、ちょっとそういうタイトルの方が良いのかなぁなんて思ってそうしたんです。
――何とも言えず引っ掛かるんですよね。
スガ:6月16日に作り始めて3時間か4時間位で作ったんですけど、夜中になって明日スタッフに聴かせようと思って、デモテープを作るために歌ったんです。後からちゃんと歌おうと思ったんだけど、もうそのデモテープの歌が超えられなくて、じゃあ、一番最初に作った時に歌ったテイクをそのまま入れようということになって。その方が人に伝わるんじゃないかって。
だからあんまり安定してないんですよね、歌もギターも、夜中だからあんまり大きい声も出せないし(笑)、何かこうすごく狭い世界で歌ってる感じはあるんだと思う。
――聴いていると何とも言えず悲しくなって来るんですよね。でも今までにないスガさんの一面だなっていう気がしますね。
スガ:そうですね。これは無いかも。
――いっぱいアルバムを聴いていてもまだ新しい一面があるんだろうなと思いましたね。
スガ:今回はラブソングをストレートにちゃんと書こうみたいなところはすごい意識したんですよ。「真夏の夜のユメ」もそうだし、「斜陽」、「7月7日」も。
――今までのラブソングより感情が剥き出しな感じですよね。
スガ:そうですね。ストレートに書こうとすごい思ってたんで。
――「7月7日」はライブでもやる予定なんですか?
スガ:J-WAVEのライブでやりましたよ、これと全く同じアレンジで、チェロがいたのでチェロと2人で。
――そうなんですね。
スガ:会場にいた人も含めて始めて聴いたし、うちのスタッフも生で聴いたの初めてだと思います。
――それはレアな選曲でしたね。
スガ:前の日に練習して演奏したみたいな。
――それは見たかったですねー、残念です。お話は変わりますが、シングルとしても同時リリースされた「午後のパレード」なんですが、艶々したストリングスと華やかなリズムがすごい印象的だったんですよ。シングルに相応しい華やかな曲じゃないですか。でも歌詞は意外とシニカルなとこがありますよね。
スガ:ちょっとシニカルな感じはありますね。
――そうですよね、この曲はサウンドとかで心掛けたりしたところはあるんですか?
スガ:屋敷豪太さんと一緒にやったので、彼のサウンドが欲しかったというか、彼にしか出せない音っていうか世界みたいなのがあるので、ディスコを一緒にやりたかったんですよね。例えば誰でも良いんですけど、ディスコを今やろうって言うと何かこう変にこまっしゃくれて、テクノが入ってみたり、これはちょっと今っぽくないなみたいなね。
そういういろんな要素が入ったディスコになりがちなんですよ。
そんなんじゃなくて、バカだねーみたいな(笑)、よくこんなのやるねーみたいなディスコにしたかったから、そういうオーダーをしたら屋敷豪太さんなりに考えていろいろやってくれて、ストリングスとかは、もうジャミロクワイのところに頼もうみたいな。
――(笑)、すごいですね。
スガ:それでジャミロクワイのチームは友達だからって言って電話してくれて、向こうで演奏したやつをiChatで結んでレコーディングをして、サーバーに上げてもらってこっちでダウンロードするみたいな感じで、ロンドンに行かずしてロンドンレコーディングみたいなことをやったんですよ。
だからすごいキレの良いストリングスが入って、よく「ジャミロクワイっぽいですね」って言われるんだけど、だからジャミロクワイのチームなんだってば、本物なんだってばみたいな(笑)。
――だからなんですかねすごいストリングスが・・・。
スガ:立ってるんですよ。ストリングスが立つように僕らも演奏したんで、ストリングスと歌とリズムでわかりやすくやろうみたいな。
――ベタなディスコって80年代を通り越して来た人間には、何だかわかんないけどドキドキするんですよね。
スガ:そうそうそう(笑)。それもそうだし、こんなベタなディスコって誰もやらないので、だから返って面白いなーと思って。
――でもベタと言っても野暮ったくは全然ないしカッコイイですよね。
スガ:それはやっぱリズムがキレてるからカッコイイんだと思いますね。
――何かPVもちょっと微妙に踊ってるような踊ってないようなスガさんですよね。
スガ:僕、踊ってないです基本的には。
――あれは、そうなんですか?
スガ:うん、なんだけど何か偶然ステップが合っちゃったりしてるだけで。
――そうなんですか(笑)、この曲もいろんなところで流れる機会も多いでしょうから楽しみですよね。
スガ:はい。
――あとは「Progress」、これはkokuaでもやっていたじゃないですか。私は最初の詞の“シメシメと思っていた”っていうところがウンウンそうだよねって、思ったんですよね。
スガ:クスクス・・・、はい。
――何かシメシメって感じじゃないですか、ヤッター!じゃなくて。
スガ:そうなんですよね。僕はもうあの一文を書いた時に「貰った!これだ!」みたいなね(笑)。「してやったり!」(笑)。
――でもあの“シメシメ”は心に引っ掛かるんですよね。
スガ:あれは“シメシメ”以外、何ものでもない感じでしょ?(笑)
――(笑)そうなんですよ。で、すごいカッコイイって言うか、あぁ、うん、わかるわかるってすごい思って、これもやっぱり大人じゃないと経験しないことだなと思うんですよね。学生時代ってある程度中学ぐらいまでは足並み揃ってるじゃないですか、学校は地域だし。
スガ:うんうん。
――大人になって同窓会とか行くとあの人があぁなって、この人があぁなって・・・っていう、勉強出来てモテてたのに大変なことになってるねとかあるじゃないですか(笑)。
スガ:ハハハハ。
――大人だから書けるんだよなぁっていうのは思ったんですけど、アルバムに収録されているバージョンはアレンジがかなり変わってるんですよね。
スガ:「PARADE」に入ってるのは、今年作った作品なので、もうほんとにおまけ的な扱いで聴いて頂ければ良いので、additional trackという形で入れた感じですね。
――でも優劣付け難かったですよ。
スガ:僕もあっちの大元の方でずっとやって来ちゃったんで、そこからもう離れられなくて。
――確かに一流ミュージシャンばっかりで、ゴージャスですよね。あれもすごい良いシングルだったし、今回のも好きなんですよ。乾いていて剥き出しな感じが良いなと思いました。
スガ:ありがとうございます。
――今回、アルバムの制作の中でご自分で印象深いエピソードとかありますか?
スガ:今回は曲を作ってる中で曲順が明確に決まりながら出来たんですよ。それは今までにない感じで、今まではある程度出来てから何曲目にしようかとか、ゴチャゴチャやってたんだけど、今回はこの曲は「午後のパレード」の前だとか、何かすごい作ってる先から曲順が明確になって行くんです。
特に後半5曲、6曲ぐらいはすごい自分で明確で、作った段階からもう決まってた。だから出来上がった時に、何か不思議な感じでしたね。
――そういうことっていつもはあんまりない感じなんですか?
スガ:あんまりないですねー。
――普通アルバムって聴いててダレちゃったりすることもあるじゃないですか、でも今回どの曲も新鮮だし飽きないんですよ。最後まですごい楽しみに聴けてしまうっていうとこがありますね。作詞とかの面では何か今回はありましたか?
スガ:自分にいろんな足枷をしてハードルを上げて、というか平凡なところに落ちないように、切れ味が鋭くなるようにって、すごい自分に課して書いてましたね。
明日締め切りだから書きましょうって言うと、それなりのレベルでそれなりの歌詞をほんとに一晩で書けちゃうんですよ。
でもそれだとそこに何の意味があるんだろうって思っちゃうし、全然、充実感がないですよね。
だからよっしゃ!これは書けたぞ!みたいな充実感をなるべく持たせるために、わざと難しくしたり、この言葉は使わないで書こうとか、そういうのを自分に課しながら書きました。
――昔から作詞ってあんまり苦労しないんですか?アマチュアの時からとか。
スガ:アマチュアの時は苦労してましたけど、プロになってからはあんまり止まったことはないですね。
――そうなんですか、いつもその話を聞くたびにすごい羨ましいですよね(笑)。
スガ:何かもうバンバン書ける感じですね。
――神が降りて来てるんですね、きっと(笑)。
スガ:うーん、まぁ、わかんないですけど(笑)、でももしそうなんだとしたら、もっとハードルを上げてどこまですごい歌詞が書けるんだろうっていうのにトライしたいなぁと思うんですよ。
たぶん今まで日本の音楽シーンをずっと見て来ても、こんなに歌詞が得意ですって言ってる人をあんまり見たことないと思う。曲が得意ですって言う人はすごいいっぱいいるけど。
――えぇ。
スガ:だからKAT-TUNとかも積極的にやったし。
――スガさんのすごいなと思うところはKAT-TUNだったり、SMAPだったり、この間の嵐の「アオゾラペダル」とかって全然違うタイプじゃないですか、でもご自身の作品のカラーもあって、それに合わせて違う世界なのにやっぱりスガさんであるというところはすごいと思うんですよね。
「アオゾラペダル」もすごい爽やかで「ハチクロ」の最終回とシンクロしていて、すごい良いなと思って。スガさんの色もあって、彼らの歌にも合っているっていうところは、スガさんならではなんじゃないかなって思うんですよね。
絶対、オレオレではないんですよ、オレの歌詞を歌えー!っていうんじゃないんですけど(笑)。
スガ:ハハハハ。でも別に合わせようとかほんと意識してないですよ「アオゾラペダル」とか。
――そうなんですか。
スガ:うん、だって嵐に合って「ハチクロ」にも合って、で、俺っぽくてなんてこと考えたらもう書けなくなっちゃうから、何か曲が呼ぶように書いただけで、そんなにいろいろ頭使って書いてはいないです。
――あの「ハチクロ」の作者の羽海野チカ先生の日記にも書かれていましたが、最終回をまだみんなが読む前にあのシーンを「アオゾラペダル」の中で書いてのはすごいビックリしたんですよね。
スガ:もうね、羽海野さんと考えてることがたぶん一緒なんですよね。
――(笑)
スガ:僕が「ハチクロ」を読んでて羽海野さんと考えてることが一緒で、同じ方向を見てるなっていうのはわかってたので「アオゾラペダル」の話を貰った時にあんまり考えずに思いっきり自分のやりたいことをバーンって投げれば、絶対同じ所にボールが飛んで行く自信はあったんですよ。
――すごいですね。そうやって聴くとまた違って楽しいですね。今回のアルバムでは映画の「Death Note」の挿入歌も入ってるじゃないですか。私は「Death Note」の曲はもっと攻撃的な曲になるんだろうと思ってたんですよ。
スガ:そうなんですよ。僕もすごいそう思ってて、そういう曲を頭の中で用意してたんですよ。すっかりその気になって打ち合わせに行ったらラブシーンで流れるんでバラードでお願いしますって言われて(笑)。
えぇぇー?みたいな、どうしてもそのラブバラードみたいなものと「Death Note」の世界観が一致出来なくて、そこの接点を見つけるのがものすごく大変だったですね。
――最初はそういうシーンの曲だと知らないで聴くじゃないですか、だからあれ!?とは思ったんですけど、でも後々公開されてからの話を聞くと、あぁ、そういうことかとは思いましたけどね。
では今回のアルバムで苦労したところってありますか?
スガ:苦労したところは、そうだなぁ・・・・そんなにないかなぁ。
――いつもあんまり苦労しないで作られるんですか?
スガ:イヤ、いつも大変ですよ。締切ギリギリまで曲が出来ないし。
――あ、そうなんですか(笑)。
スガ:今回は曲もストックがあったし、まぁ時間的な余裕があまりなかったというところくらいかな。
――じゃあ、時間的にタイトだったというところがキツかったんですね。
スガ:そうですね。今回いろんな人に参加してもらってるので、僕だけのスケジュールではどうにもならないことが多くて、屋敷豪太さんだったり亀田誠治さんだったり。あと、いろんなミュージシャンを集めたいってことになるので、その人達のスケジュールと僕のスケジュールとがもう全然合わなくて、それでギリギリまでレコーディングが押しちゃったんですよね。
――じゃあ、大変だったんですね・・・。
スガ:一応、スケジュール的なところはすごいタイトでしたね。
――でもとても良いアルバムが出来上がったのでその甲斐もあったというところですね。では今回のアルバムの中で一番、込めたかった想いはどんな想いですか?
スガ:最後を「午後のパレード」にしたんですけど、「午後のパレード」って意味があやふやだと思うんですよ。そのハッキリと言ってないことが、前の10曲だと思うんですよね。
前の10曲を全部背負って最後「午後のパレード」が始まるんだと思うんですよ。
だからそういうふうに聴いて頂くと「午後のパレード」がまた全然違って聴こえるので、それで聴いた時にたぶん「午後のパレード」からいろんなものがバーッと湧き上がって来るんだと思うんですよ。
そんなふうに聴いてもらえれば嬉しいかなと。
――じゃあ、帰ったらそんなふうにもう一回聴いてみますね。
スガ:はい。
――では10月からライブツアー「Suga Shikao 10th Anniversary Shikao & The Family Sugar TOUR '06”PARADE ON"」がスタートするんですよね。これはどんなライブになりそうですか?
スガ:これはもう「PARADE」中心になると思うんですけど、「PARADE」はすごいリズムが速い曲ばかりなので、ずっとダンサブルなアッパーな感じのライブになると思いますね。
――じゃあ、ファンの方は踊りながらという感じですね。では最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。
スガ:世代を問わず聴いてもらえるアルバムだと思いますし、こういう人に聴いてほしいっていうそういう想いが強い曲が集まってるので、必ず自分にフィットする曲が1曲ぐらいあると思うんですね。それを探しながら聴いて頂ければ嬉しいかなと思います。
後はライブに来て下さい。
――ありがとうございました。
スガ:はい、ありがとうございました。
(Text By Takahashi)
公演日 |
会場名 |
OPEN/START |
一般発売日 |
INFORMATION |
10.19(木) | 栃木県総合文化センター | 18:30/19:00 | 9 月2 日(土) | FLIP SIDE 宇都宮 |
10.23(月) | 宮城県民会館 | 18:30/19:00 | 9 月16 日(土) | ノースロードミュージック |
10.25(水) | 石川厚生年金会館 | 18:30/19:00 | 9 月10 日(日) | FOB金沢 |
10.26(木) | 新潟県民会館 | 18:30/19:00 | 9 月10 日(日) | FOB新潟 |
10.28(土) | 広島郵便貯金ホール | 17:30/18:00 | 9 月9 日(土) | 夢番地 |
11.2(木) | 佐賀市文化会館 | 18:30/19:00 | 9 月30 日(土) | キョードー西日本 |
11.3(祝・金) | 福岡市民会館 | 17:30/18:00 | 9 月30 日(土) | キョードー西日本 |
11.6(月) | 京都会館第一ホール | 18:30/19:00 | 9 月24 日(日) | グリーンズ |
11.8(水) | サンポートホール高松 | 18:30/19:00 | 9 月16 日(土) | デューク高松 |
11.14(火) | 大宮ソニックシティ | 18:15/19:00 | 9 月2 日(土) | FLIP SIDE |
11.16(木) | グランキューブ大阪 | 18:15/19:00 | 9 月24 日(日) | グリーンズ |
11.17(金) | 愛知芸術劇場大ホール | 18:15/19:00 | 9 月30 日(土) | ジェイルハウス |
11.20(月) | 神奈川県民ホール | 18:15/19:00 | 9 月2 日(土) | FLIP SIDE |
11.24(金) | まつもと市民芸術館 | 18:30/19:00 | 9 月2 日(土) | FOB長野 |
11.26(日) | 東京国際フォーラム ホールA | 17:00/18:00 | 9 月2 日(土) | FLIP SIDE |
11.27(月) | 神戸国際会館こくさいホール | 18:30/19:00 | 9 月24 日(日) | グリーンズ |
11.29(水) | 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール | 18:30/19:00 | 9 月24 日(日) | グリーンズ |
12.5(火) | 札幌市民会館 | 18:30/19:00 | 9 月30 日(土) | WESS |
公演日 |
会場名 |
OPEN/START |
一般発売日 |
INFORMATION |
10.22(日) | 青森Quarter | 17:00/17:30 | 9/6〜9/15 (はがき申し込み) |
ノースロードミュージック秋田 |
10.31(火) | 鹿児島CAPARVOホール | 18:30/19:00 | 10月15日(日) | キョードー西日本 |
11.9(木) | 高知BAY5 SQUARE | 18:30/19:00 | 10月1日(日) | デューク高知 |
12.3(日) | 帯広MEGA STONE | 17:00/18:00 | 10月14日(土) | WESS |
12.11(月) | 恵比寿LIQUIDROOM | 18:00/19:00 | 10月29日(日) | LIQUIDROOM |