P!NKが2000年に発表したデビュー・アルバム「キャント・テイク・ミー・ホーム」を聴いたときの衝撃は、今も体に残っている。ベイビー・フェイスが、白人アーティストに楽曲提供をすること自体は、さほど驚く話でもないのだが、彼女の声とベイビー・フェイスの楽曲の融合が、新鮮かつ斬新だった。もっと客観的な言い方をすると、ミュージック・シーンの脅威となるのでは、とさえ思ったほどだった。結果的に、この融合は大成功し、「P!NK」というアーティスト名は、一躍世界中に知れ渡ることとなった。 デビュー・アルバム「キャント・テイク・ミー・ホーム」の大成功の興奮収まらぬうちに、彼女が仕掛けてきたのは、映画「ムーラン・ルージュ」主題歌の「レディ・マーマレード」への参加だった。私は、この曲のPVを初めて観たとき、〔やられたっ!〕という思いでいっぱいだった。P!NKといい、クリスティーナ・アギレラといい、彼女たちは、この曲1曲でショウビズ界に自分の居場所を見つけてしまったのだ。曲のプロデュースをしたミッシー・エリオットの敏腕ぶりに脱帽だ。 2002年に発表したセカンド・アルバム「Miss Understood」では、R&B色よりもロック色を前面に押し出し、ファースト・シングル「Get The Party Started」の大ヒットを受けて、全世界トータル売上1200万枚のモンスターヒットとなった。私自身、このセカンドは耳にタコが出来るほど聴き倒した。2003年末に発表したサード・アルバム「Try This」は、少々ロック一辺倒になりすぎて、スマッシュ・ヒットに終わったものの、結果的にグラミー賞〔Best Female Rock Vocal Performance〕受賞となり、名実ともに世界的スーパースターの仲間入りを果たした。 サード・アルバム発表後、しばしの間、公の場に姿を見せなていなかったが、その理由は2年半ぶりに完成したニュー・アルバム「アイム・ノット・デッド」の出来栄えが物語っている。P!NK本人がエクゼクティブ・プロデューサーを務め、他にもマックス・マーティン(ブリトニー・スピアーズ、バックストリート・ボーイズ)、ビリー・マン(リッキー・マーティン)、ブッチ・ウォーカー(アヴリル・ラヴィーン)といった豪華プロデューサーを起用。何と言っても、P!NK自らが「最高傑作」と自信を持って言っているのだ。この言葉を信じずに、何を信じればいいのだ! それにしても、P!NKらしさ全快の先行シングル「Stupid Girls」のビデオクリップが、なんとも下品(笑)この曲には、「ウワベばかりでなく、内面もきちんと磨かなければダメよ!」という若き女性たちに贈るメッセージが込められているそうだ。そんなメッセージを、パリス・ヒルトン、ジェシカ・シンプソンなどのセレブを参考にしてパロディ的に作られているのだが、P!NKならではのユーモアと皮肉がたっぷり詰まった、とびっきり弾けたビデオクリップになっている。 今作には、先行シングル「Stupid Girls」以外にも、最高にグラマラスでポップなロック・チューン「U+Ur Hand」や、大統領に宛てたオープン・レター「Dear Mr. President」、ベトナム兵でもあった父とのコラボレーションを弾き語りでじっくり聴かせるトラックなどなど、ヴァラエティに富んだ楽曲が盛りだくさん。アーバン、ロック、フォーク、そしてポップスと様々だが、どれも彼女の声が冴えわたる”100%P!NK”な楽曲がズラリと勢ぞろい。2006年1月には、長年付き合っていた男性と結婚したそうで、公私にわたって絶好調であることは間違いなし。2006年のミュージック・シーンをP!NK色に染めてくれることだろう。 |
着うたサイト「公式RサウンドNEOWING」にて、先行シングル「StupidGirls」の着うたを先行配信中! 今すぐアクセス! (NTTドコモ、AUサイトのみ) |
|
|
|
|
=> その他のP!NK関連商品はこちら | |||||
|
|
(text by ohishi)