聴いた瞬間に鳥肌が立った。 魂を揺さぶる音楽との出逢いは運命的であり、そしていつも突然だ。 彼らの名前は“No Regret Life”という。 No Regret Lifeの2ndアルバム「Allegro」が3月にリリースされた。年間ライブ数100本を越えるライブ・バンドである彼らが、果てしなく続くロードを経て生まれたアルバムである今作は、前作の1stアルバム「Sign」から大きな成長を遂げた作品となっている。 ラウドだけどメロディアスなギターに重厚なベースとパワフルなドラム、まるで3Pとは思えない程のぶ厚いサウンドと凄味すら感じさせる演奏は、轟音3Pのロック・バンドという一言では片付けられないノーリグならではのもの。 まさにロックを歌うために生まれて来たような鋼の声を持つ男、小田和奏の歌声は時にゾクゾクするように挑発的だし、時に心を鷲づかみされるような切ない表情を見せる。 たぶん彼らには小手先のギミックなんて必要ない。ライブ会場があって、そこにノーリグの3人が奏でるロックン・ロールがあれば良い。それだけで充分なのだ。 そう、出逢ってしまったんだから仕方ない。 百聞は一見にしかず。
◆プロフィール◆ 小田和奏:
Vocal & Guitar 1980年1月17日広島県出身 橋口竜太: Drum & Chorus 1981年12月31日鹿児島県出身 松村元太: Bass & Chorus 1979年7月9日神奈川県出身 2001年 |
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小田:はい、ギター、ボーカル、小田和奏27歳、以上です。
――(笑)
松村:神奈川県出身、27歳、ベース担当、松村元太です。よろしくお願いします。
橋口:ドラムの橋口竜太です。よろしくお願いします。
――ではお互い自分以外のメンバーの印象を一言で表して頂けますか?
松村:おぉー!(笑)
橋口:すごいー。(笑)
――喧嘩しないで下さいね(笑)。
小田:気まずくなったら、すいません。
(一同笑)
小田:松村さんはとてつもなく率先してバンドのことを細かいことまでブーブー言いながらやってくれるますね。すごく感謝してます。
橋口さんは・・・・・そうですね。
橋口:なかったら良いよ。ウハハハハ。
小田:割とマイペースなノンビリ屋なイメージですね・・・・。感謝してます!
(一同笑)
小田:気まずいなぁ、これ(笑)。
――目を見ないで(笑)。
小田:遠くを見つめて(笑)。
橋口:なんかテレくさいっすよね、こういうのね(笑)。
松村:じゃあ、俺、橋口さんは優しくて思いやりのある・・・。
小田:それ言えば良かったよ(笑)。
――(笑)。
松村:和奏は頭が良い。
小田:頭が良い(笑)。
松村:状況判断が出来る人間だと思いますね。
――良い感じですね。
松村:はい。
小田:ありがとうございます。
橋口:感謝してますは良いの?
松村:感謝してません!(笑)
(一同笑)
小田:してないんだ(笑)、あー、わかりました、そういう感じで。
松村:ウソです(笑)。
小田:いや、良いです、問題ないです、解散しましょう(笑)。
松村:ウハハハハ。
(一同笑)
松村:じゃあ、明日解散しましょう(笑)。
小田:すいません、リリースしません(笑)。
――それはダメですね(笑)。
小田:ダメですね、はい、すみません(笑)。
――橋口さんはいかがですか?
橋口:そうですね。元太さんは頑張り屋さんなイメージがありますね。
和奏さんはすごいポジティブな人だなーって印象が強いですね、攻めてる人(笑)。
――いかがですか?
小田:はい(笑)、何か半年前に別の何かでお互いの印象っていうのを今、パッと思い出して、俺の分が“鉄人”とか書かれてて。
(一同笑)
小田:何?衣笠祥雄?みたいな感じで。
(一同笑)
松村:まぁね、広島だけにね。
小田:そうそう。
――鉄人って、何となく声が鋼質な感じがするんですよね。
小田:鋼的な感じですか。
――そうです、そうです。
小田:諸刃の刃的な感じですかね(笑)。
――いやいや、そんなことないですけど(笑)。
松村:鉄人(笑)。
――金属質な感じが。
小田:(笑)。
松村:メタルだ。
小田:超合金で出来た、はい(笑)。
――(笑)、ではシングル「Day by day」の話を少しお伺いしようかなと思うんですけれど、こちらは今回、振り返ってみてシングルとしてどのような作品になりましたか?
小田:時期的にはアルバム手前っていうのと、今年の頭っていうのと、2月っていうものとか、いろんなものを含めて、何かが始まって行く感じというのがポイントですね。
書いてたのは去年の秋とかなんですけど、何かしらでもして前に進みたいなっていう漠然としたイメージ、それを曲に落としたと言うか、行き詰まりも感じつつも、でも何かを達成したいとか、完成させたいとか、その頃は何かそういう気持ちで3人でグルグル、ロールしてたんですよね。
――個人的に今回のシングルは初めて聴いた時、鳥肌が立ったんですよね。
小田:おー!マジですか、嬉しいっすねー。
――今回このシングルの中で新たにチャレンジした点とかはありますか?
小田:そうですね、「Day by day」とかは割と作ってった感じは俺らのど真ん中系な感じの作り方をしてったんですけど、ただもう3人が3人とも持ち武器が増えたなって感じはしましたね。
そこが逆に曲を立体的にさせてくれてるっていうのがあったなぁっていうのと、逆にカップリングの「レール」とか「am」とかは全てにおいて自由でしたね(笑)。
――ではアルバムのお話をお伺いしようと思うんですけれども、待望の2ndアルバムですよね。
去年1stアルバムの「Sign」が出て、今回の自分の中で成長したなぁと実感するところとかはありましたか?
小田:そうですね、タフになれたかなぁとは思ってますね。
――それはどのようなところでなんですか?
小田:楽曲で言っても、どんなものでもやれるなぁっていうところ、無理矢理いろんなことをやろうとしても、ちゃんとNo Regret Lifeっていう場所に着地出来るなぁっていうところは、この3人でバンドをやって来た上で掴み取れたものかなっていうのと、後はどんな過密なスケジュールでも動じなくなりましたね(笑)。
――ハァ〜・・・(笑)。
小田:ため息ついちゃダメですよ(笑)。
――いやいや(笑)、さっきライブのスケジュールを見てて、いつお家に帰るんだろうねーって言ってたんですよ。
小田:いや、帰んないっすよ。
(一同笑)
小田:そういうんで言うと昨日10日振りに帰って来ましたね。
――あぁー、それってお家とかが寂れてたりすることってあるんですか?
小田:気づいたらCDの山が崩れてたりとか(笑)、無残な部屋ですよね。
――なんか悲しくなって来ました(笑)。
小田:いや、もうなんか通り越してますけどね(笑)、そのタフになったっていうのが、それでもやりたいものは音楽なんだっていうところなんですよね。
俺らはライブが多いって言われるんですけど、でもライブやってなんぼじゃんとも思うし、バンドがライブやらなかったら何やるの?とも思うし、でもちゃんとCDは出して行きたいし、今回アルバム作ろうぜっていう初めて意識してやって行ったとこってデカイんですよ。
実際それが出来た時にやっぱ嬉しかったし。
前のアルバムは曲を1曲ずつ録って行って出来たっていうアルバムだったんだけど、今回はアルバムを作ろうっていう意識の元にいろんなプロジェクトを始めて行った感じだったんで、何をどうなっても絶対仕上げる!みたいな。
松村:うん、その想いは3人ともすごい強かった。
小田:絶対ここでアルバムを出す!
松村:スケジュールの中でここは絶対録るとか、ここで絶対良い曲を作るとか、俺達は叩くだしベースを弾くだし、そういう想いはすごい強かったですね。
――それは鍛えられて行ったというところもあるんでしょうかね。
小田:うん、まぁ、そうですね。回りに鍛えられて行ったものと、自分達が今しかないっていうね。
橋口:ストイックなものもありつつ、でも常にワクワクしてたからやれたのかな、楽しんでやれましたね。
スケジュール的にはキツかった部分もあったかもしれないけど、でもこれ出来たらもっと先が長く見えんじゃね?っていうのが常にあったので全然、1個1個ツライと思ってやってたというよりも楽しんでやれたからね。
松村:そうだよね。
橋口:あっと言う間でしたよね。
松村:その限られた時間の中でハイクオリティなものを作るっていう、その緊張感が逆に楽しかったっていうか、それを楽しめてるっていうか。
ヤバくね?これみたいな(笑)。
橋口:そうそう、一つ一つ上手い具合にハマって行ったんですよ。だから一旦やってみて、あー違ったって言って、また一からやり直すんじゃなく上手い具合に1個1個、それぞれ考えて来たことがハマって行ったから、もう楽しくて仕方ない。
――それって出来がってみて振り返って何年か経った時に例えばヘヴィーな状況が来ても俺達ここでこんな風にやれたじゃないかっていう、自信にこれからきっと繋がりますよね。
小田:うんうん。
松村:そうですね、「Sign」から「Allegro」にかけてブレがない感じっていうのを、今回ちゃんと証明出来たと思うんで、そこさえ見失わなければこの先ずっとやってても変わんないんだろうなというのを感じますね。
――では今回のアルバムは全体的に見てどのようなアルバムに仕上がったなと思いますか?
小田:ちゃんと始まりと終わりがあるアルバムかな。
「ファンファーレ」という曲と「アンダンテ」という曲がある間のストーリーっていうか、プロローグとエピローグがしっかりあるアルバム。
だからほんとに作品って思えるアルバムですね。
橋口:単純に曲を並べてっていうのではなくて、物語がある感じはしますね。
松村:ドラマティックなんですよね。
――それはありますよね。1曲1曲違うシチュエーションででもドラマティックというか、その中にストーリーがあってドラマがあって感情があってっていう個々に際立っているなっていうのは感じさせられましたね。今回のアルバムを「Allegro」としたのはどうしてなんですか?
小田:これがですね、ここ1年の俺達っていうか、すごくアレグロなテンポで一年間過ぎて行ったっていう。
それもあったっていうか、パッと夏位だな。
小田:「Allegro」で良いんじゃないー?みたいな(笑)。
(一同笑)
松村:俺は全然、どうだろう?っていう思いはなかったですね。
俺、単純に“A”で始まるのが良いなって。
小田:へぇーそうなんすか?
松村:うん、思ってたもん。
小田:じゃあ、「Automatic」とか?
(一同笑)
小田:「Auto Pilot」とか。
松村:「Aggressive」!!(笑)、ちょっとダサイね。
橋口:メチャクチャ、ダサイよ(笑)。
小田:その「Allegro」で裏テーマは自分がこの一年で思ったいろんな音楽観というか、バンドって何かとか、そういうものが言葉としても出て来たりとかしてたし、そういう意味で“Fast”って意味での速さではなく、駆け抜けるような速さでっていうテンポ、音楽用語っていうのはすごく良いなと思って。
で、「Allegro」っていうアルバムでいろんなストーリーが入って行って、最後に「アンダンテ」っていう曲で終わるっていうのは、自分で言うのは変なんですけど、美しいなと思ってます。
――そうやって聞くと納得出来る気がします。ライブとかも拝見させて頂いて全速力で走ってる人のような気がしたので、このタイトルはピッタリな気がしますね。ではそれぞれみなさんアルバムを制作するに当たってサウンドや楽曲の面で心掛けた点とかはありますか?
松村:ベースってギターがコード鳴らして、ドラムがリズムを叩いたところで、そのリズムとコードを表現するだけだと思うんですよ。
それをただありきたりなものをやるんじゃなくて、自分なりの発想もありつつ、歌を生かすっていうか、歌が入って来るようなものにしたいっていうのをすごい考えながらやりましたね。
――なるほど、そうですよね。やっぱりベースって間にいるというか、仲介をする方ですよね。
松村:こいつも今回のレコーディングで更にすごい良いドラムを叩くようになったし、だからそれに負けない、ある意味、共有してるんだけど負けないベースを弾きたい!みたいな思いはすごい強かったですね。
橋口:細かいところにもいろいろ気を使ったりとか、アイデアはいっぱい入ってるんで、そういうとこでも楽しめるアルバムだと思います。
松村:そうだね。
小田:そうですね、何て言うんですかね。ギターは楽しいなぁという、フフフ。
松村:何気に聴いてて、俺、一番テンション上がるのが、やっぱギターの大振りなんだよね。
小田:今回、プロデューサーとずっと話してたのは歌えるフレーズを入れてこうねっていうのを目指してて、割とそのギターのアレンジは特に俺とプロデューサーとかが、こういうのどう?っていうのを試しつつっていう作業もあったんですけど、それがすごく勉強にもなったし、後半はもう勝手にやれよみたいなことを言われ(笑)、じゃあ、勝手にやりますみたいな(笑)のもあって、すごく面白かったですね。
今回、バンド3人の、ギター、ベース、ドラムの歌以外のことは何もないんですね。だからここで後ろでオケが鳴ってたら良いなとかいうものも全部ギターで表現しようと思って、そういうアイデアがいろんなところから出て来るなぁと思って面白かったですね。
そこがやっぱバンドマンが聴いても楽しめるんじゃないかなっていう、単純にそういう曲だなっていうのと、後、歌はもうあの・・・気持ちエェーっす!
(一同笑)
小田:歌っとっても気持ちエェし、聴いててもやっぱこう自分がね、グッと来るものでないと、そんなメロディーラインなんて歌えないんですよ、というか気持ち入んないですよ自分が歌ってて。
自分がこうグッと来るところはやっぱりグッと!グッと聴かせたい!と思いながら歌うわけだし、それがより顕著に出たなぁっていう。
――歌が入るとその説得力がものすごく増すタイプの方ですよね。
松村:僕ら制作の過程の中では逆なんですよ。
――そうなんですか。
松村:メロだけあって、歌入れの時に歌が入って来て、で、初めてそこで聴くわけですよ。
おぉー!ってなるんですよね。
やっぱ同じ感覚になるんですよね。
橋口:鼻歌で入ってるじゃないですか、宇宙語っぽい感じで入って来ることもあるし。
小田:良いよ、言わなくて良いよぉー(笑)。
(一同笑)
松村:言おうよ!言おうよ!
橋口:その段階でイメージしたものとかもあったりして、それでアレンジとか進めて行くわけなんだけど最終的に歌詞入ってっていう時、もうブレはあんまりなかったんですよね。
松村:俺らは逆に言葉の力がすごいなって思ったんですよね。
小田:出来上がった後に。
松村:そう、出来上がって聴いて。
――それは興味深いですよね。私達は出来上がったものを聴く側じゃないですか。
松村:着地点はたぶん一緒だと思うんですけどね。
小田:詞はあんまり最後まで見せらんないっていうのがあるんですけど(笑)、だから俺が歌入れやってる時は緊張しますよね。
松村:でもその緊張感を楽しめてる感じが、立ち会って見ててテンション上がるんですよね。
――出来上がるまでナイショってしたいタイプなんですか?
小田:半分位かな、詞が出来てたってやつは。
松村:でも逆にそのメロディーに呼ばれる部分っていうのは、特にドラムなんかすごいあったと思う。
橋口:単純にリズムは円滑に曲を良い流れを生み出すっていうところは、毎回コンセプトではあるんですけど、なんかポイントポイントでドラムで歌ってる部分とか、メロディアスなドラムを叩けたらすごい良いだろうなと思って、そういうところにポイントを置いてアレンジはしましたね。
だから逆に歌詞がハッキリしてて、そっちの方にばっかり引っ張られないで、自由にやれたところはありましたね。
松村:そうか。
橋口:うん、メロだけ見えてた方が縛られずにやれた感じは。
その後、歌詞が入ってピタッって来る部分があったんで、あぁ、面白いなと思って。
松村:音が強いから、それにガーッと引っ張られちゃって押さえちゃうみたいな部分が出て来る可能性もあるから。
橋口:そうそう、だからイメージを限定せずにいろんなアプローチが出来たりとか。
――これはこういう詞だからって、最初にやっちゃうとまた・・・。
松村:それは結果論というかそういう感じなんですけど。
――では御三人方それぞれにこれは俺的にお薦め!っていうのを含めて一曲ずつお薦めを紹介して頂けますか?
橋口:えー!全部です。
(一同笑)
松村:一曲って言われてるのに最初から全部(笑)。
橋口:えー、全部好きだからなぁ。
松村:俺は「世界が眠っている間に」。
僕が個人的に好きなんですけど、ベースラインすごい頑張って考えて作ったんですよ。
小田:アハハハ。
橋口:もう、あーでもない、こーでもない言いながら(笑)。
松村:この曲だけ、すごい時間掛けた。
ほんともう悩んで、もうレコーディングの当日とかに、あっ、これだー!良かった良かったみたいな。
――じゃあ、後でまた家に帰ったら聴き返さないと。
小田:アハハハ。
松村:裏メロみたいになってる部分とかもあったりとかして、和奏もそれをわかってて、あんまりギターを弾いてないんです。
小田:ベーシック、ラフなのを一本だけ録って、それでプリプロとして、それでベースとドラムを録って行くんですけど。
橋口:なんか新しかったよね。俺も隙間をムチャクチャ空けて、ザーッザーッてポイント、アクセントだけで刻んで行ってるんだけど、その合間をベースが縫って行ってる感じ。
小田:俺、なんもしなくて良いじゃんーっていう感じが(笑)。
(一同笑)
松村:このリズムテイク録った後、和奏が来て聴いて、すげー良いとか言って感動してくれてて、良かった!みたいな(笑)。
ベースとドラムのリズム隊で一連の流れというか、一曲の中でのドラマティックな最後までの起承転結をすごい明確に作れたなっていうのは自分の中で感じますね。
橋口:何か両極端なことはやれた感じはするな、無機質なリズムに対してのメロディアスなベースが来てっていう。
松村:でも歌が入って来るっていうのは、言葉が強いから全然歌を食っちゃうっていうことにはならないし、でもそれだけ一生懸命弾いて入れたけど、やっぱり耳が歌に行くんですよね(笑)。
すごい良い歌だと思うですよ。
ラブ・ソングだなみたいな、俺はね、俺はそう思うのよ。
小田:押忍!
――(笑)、なるほどそれでは6曲目「世界が眠っている間に」・・・。
松村:はい、胸キュンです。
小田:胸キュン(笑)。
松村:アハハハ。
橋口:それ久しぶりに聞いたね(笑)、胸キュンとか言わなねーだろ、最近(笑)。
――(笑)
松村:よろしくお願いしまーす(笑)。
橋口:無理矢理だ。
――“胸キュン”って書いておきます。
小田:もう太字で。
――太字で(笑)。
松村:絶対外さないで下さい。
――はい(笑)。それでは橋口さんはやっぱり全部な感じですか?
橋口:そうっすねー、全部です。
――じゃあ、全部!みたいな。
橋口:(笑)、うん、なんだろう、俺はその「世界が眠っている間に」もそうだし。
そうだなぁ・・・でも「ファンファーレ」は大きかったですね。
なんかあれが出来て、アルバムが1枚ガツッて完成したっていうか、流れがしっかり見えた感じはあったんですよね。
あぁ、このアルバム良いアルバムになるなって、すごい良い流れが出来るなっていう。
松村:良い曲だよね。
橋口:うん。
――そうですね、始まった瞬間、ググッて何か上がりますよね。
橋口:あれはきっとパッと聴いてみんなイメージがしやすいんじゃないかな。
松村:歌がすごいガーッて入って来る感じが良いよね。
――ながらで聴いてても歌を聴いちゃうんですよね、流されないというか。
松村:それはもうこの人の狙いどおりですね。
小田:(笑)
松村:確信犯だよね。
小田:確信犯ですか(笑)。
橋口:なんかワクワクしますよね、「ファンファーレ」で始まったら。
――ですね、これから何か起きそうな感じがワクワクするんですよね。
橋口:そうそう。
――じゃあ、橋口さんは「ファンファーレ」で良いですか?
橋口:・・・・(笑)。
(一同笑)
橋口:こういうの全部あるんですけどね(笑)、じゃあ、とりあえずそれで。
――はい。では小田さんはいかがですか?
小田:そうですね。「ファンファーレ」がポイントだったなんていうのはアレですけど、なんかこう「アンダンテ」っていう割と最初に出来ちゃったんですよね。
――そうなんですか!
小田:これがアルバムのラストになると良いなと思って、絶対これはプロローグが必要だなこのアルバムはと思ったんですよね。
開始10秒で全てを繋げる曲とか思ってたんですよ。
PLAYボタンを押して10秒で「Sign」から繋がり今の俺達を表し、何か来るって予感させてって、ハッとさせたら俺の勝ちと思ってたの。
それでやっぱ「ファンファーレ」が出来上がるまではすごく時間が掛かりましたよね。
こんな曲かな、いや違うなーって、で、パッと出来たのが「ファンファーレ」だったんです。1曲目12曲目が出来た時にアルバムが一気にこうギュッと引き締まった感じがしたから。
その2曲ですね。
――「ファンファーレ」がなかったらきっとまた別のカラーのアルバムになっていたでしょうね。
小田:そうですね。
――ではアルバムを通して一番伝えたかったメッセージはどんなことですか?
小田:何でしょうね。なんか全て1体1でやれるんじゃね?っていう話かな。
――なるほど。
小田:ちゃんと顔が見たいってことかな。
変わったなって思った一つがやっぱりちゃんとこう不特定多数というところにいる“あなた”っていうものに対して歌を歌おうと思ってるんですよね、そこかな。
ライブでも例えば300人いる時に俺達3人が演って、3対300であるんだけど、絶対1対1じゃないとダメだと思うんですよね。
そういうものがより、“用があるのはあんたなんだよ”っていう、そういうものがこのアルバムの中のテーマかな。
音楽ってさ、こんなにも面白いんだねっていうのが、自分達が思ったところですよね。
――ライブを拝見させて頂いてお客さんと一緒に待っている時に印象的だったのが、その待ちわびてる感が強いファンがすごく多かったんですね。出て来るのを今か今かと待っているというか。出て来た時のワッっていうのが他のバントとはちょっと違う感じがして、親密度が違うというかもっと身近に感じて思っているファンが多いのかなという印象がありましたね。どれだけ愛されてるのかなって思いつつその情景を見ていたんですが。
松村:あぁ、それ他のバンドのスタッフの方に言われることがありますね。
ノーリグのお客さんはほんとにすごいノーリグのことを愛してるよねって言ってくれた時に、そうなんだっていう思いがありましたよね。
――出て来た時の「あぁっ出て来た!」っていう喜び方の熱が高い感じがしますね。
松村:札幌に行った時もそんな感じがありましたよね。
前の方にアルバムツアーの時の「Sign」っていうTシャツを着てる子達とかがいて、札幌とかなかなか行けないから約1年振り位に行って、もう和奏の目の前でかじり付いて(笑)、すげー待ってた!みたいな、あの感じって嬉しいですよね。
小田:いやー、嬉しいですね。
橋口:そうだね。だって自分が住んでない街で知らない人が俺達のCDを手にして、「あっ!良い!」って思って、それでライブを見に来てくれるわけじゃないですか、で、地方とかでもそうだけど出て来て、待ってました!ってそういう空気を感じた時はやっぱりすごい嬉しいですよね。
――私も昔、地方に住んでたのでわかるんですけど、ライブの1週間位前からちょっと興奮してますよ。後、何日って思ってますからね。
松村:あー!カウントダウン(笑)。
橋口:何かのきっかけでそのCDを手にして、で、それで繋がるんですからね、すごい。
――実際にライブを見れてっていうのは違いますからね。それでは松村さんはいかがですか?
松村:(笑)、音楽って楽しいよねって、根本はたぶんそうだと思うんですよ。
自分の中でも去年いろいろ心境の変化とかもあって、でもアルバム制作の中でここ楽しいなみたいな、俺はここに居場所があるなみたいな、スタジオに。
で、仲間もいるし、これだ!みたいな、そう自分で思った時に、別に音楽だから、言い方悪いけど、たかが音楽、まぁ、されど音楽だけど、別にこれ失敗したからって死ぬわけじゃないし、なんかもうこの先の人生がダメになるわけでもないから、そう思う音楽だったら、どうせだったら楽しめば良いじゃんみたいな、そう思った時に音楽の素晴らしさっていうか楽しさをベース一本バンドも居て、これでどうやってやろうみたいなのをそこを追求したから、いろいろな想いとかも含めて“音楽楽しいぜ”みたいなものを出したいなと思って。
それを上手いこと表現出来たんじゃないかと思いますね。
――なるほど、橋口さんはいかがですか?
橋口:そうですね。ドラムのとこに限ってとかではないんですけど、単純にレコーディングだからって言って、レコーディングしました!っていう固い感じではなく、ライブと同じように楽しんで演奏してる、その雰囲気というかノビノビやってる感じ、良い意味で肩の力が抜けている感じが伝わればすごい嬉しいなと思いましたけどね。
やりながらだから、テンションはもうライブと変わんない感じで録りました。
――これを読んでみなさんアルバムを改めて聴き直して頂きたいですね。
橋口:そうですね。あー、これライブでやったらどうなるんだろう?とか。
松村:そうだね、イメージしてほしいね。
――そうですね、3月からまたライブツアーがあるんですよね。このライブはもちろん新曲もやると思うんですけれども、どんなライブにしようかなって思ってますか?
小田:素晴らしいライブにしようと思ってます!
――(笑)
小田:アルバムのレコ発なんで、いきなりアルバム出したから演れる曲が増えるじゃないですか、もちろんアルバムからもやるんだけど、1本ずつちょっとずつその日のスペシャルの何かをやれるような、ツアーにしたいなと思ってます。
橋口:単純にもうこのアルバムの演れるのが本当に今からワクワクしてるんですけど、楽しみだし、後やっぱり1本1本、まだライブでは演ってない曲がいっぱいあるし、成長して行くと思うんですよ。
やる度にこの曲達をいろんな感じ方でやって行くと思うし、その成長して行く感じを見に来てくれてる人達も感じてもらって楽しんでもらえればすごい嬉しいですよね。
松村:1本1本ずつ事件を起こしたいです。
(一同笑)
小田:おぉーっと、爆弾発言っすか?(笑)
――ど、どんな?(笑)
松村:43回事件を起こしたいです(笑)。
小田:43回事件。
――それはマズイ感じなんですか?(笑)
小田:そうそう、今回43本あるんです。
(一同笑)
松村:ライブ見てて、僕がすげー良い!とかカッコイイ!と思った時、やっぱCDを聴いた時と一緒で鳥肌立つ瞬間が30分の中に一回とかあると、おぉぉー!とかなるじゃないですか。
そういう感覚を味わせたいですね。
――ダイレクトに来てる時に倒れちゃう人とか出るかもしれないですね。
松村:ウハハハ。
――運ばれてとか(笑)。
松村:それちょっと困りますね(笑)。
――(笑)、いろんな人に迷惑掛かっちゃう。
松村:そうっすね(笑)、じゃあ、事件を起こしません。
小田:どっちなの?(笑)
松村:起こします(笑)。
小田:うん、じゃあ、起こしますで、赤字で(笑)。
――じゃあ、事件があったらblogに「今日の事件」って感じで(笑)。
小田:そうっすね。
松村:アッハッハッハ。
(一同笑)
――嘘とか書いちゃダメですよ(笑)。
松村:大丈夫っすよ(笑)。
(一同笑)
橋口:今日は事件を起こすのに失敗しました。
松村:アッハッハッハ。
小田:未遂でした。
橋口:あ、ライブ良くなかったんだ(笑)。
(一同笑)
松村:曲とかは前のアルバムとか過去の音源からもどんどん演って、あんまり同じ感じっていうんじゃなくて、その場所場所によって違うことを見せたいですね。
橋口:うん、タフになったから出来るかなっていう。
ほんと一年前まではそういうやり方で演るのにちょっと怖がってた部分もあったんですけど、去年もあった「Autumn Back Tour」っていうツアーの成果がすごい大きくて、どういう曲が来ても良い並びさえ作れればやれるなっていう、タフになった部分はあるんで1本1本ちょっとスペシャルな何かをやって行きたいなと思いますね。
松村:そうだね。
――もう全通しで見ないとダメですね。
小田:例えば全部43本来ても飽きないライブをやるっていうのはテーマだと思いますね。
松村:そうだね。
――じゃあ、毎回来てる人ー!って言って手を挙げてもらって(笑)。
小田:スタンプカード作ろうかね。
松村:アハハハ。
小田:スタンプラリーをやる。
――良いですね、最後スペシャルがあると良いですね(笑)。
小田:そうっすね、全公演来てくれた方に。
松村:和奏のギターあげます!
小田:それは困ります!(笑)
松村:スタンプ全部付いてる人に和奏のギターあげます(笑)。
会場でアンコール終わったらあげちゃうみたいな(笑)。
――話題性は充分ですけど・・・(笑)。
松村:たぶんそれで本気でついて来るヤツ出て来ると思うよ、それ言ったら(笑)。
小田:いやぁ・・・。
松村:それをどうしても阻もうとする和奏が出て来るの。
小田:絶対、公演1個追加で北京でやりますみたいな。
(一同笑)
――じゃあ、私もblogで見守って行こうと思います(笑)。
小田:アハハハ。
松村:よろしくお願いします(笑)。
――では他のバンドにはないNo Regret Lifeならではの強みはどんなところだと思いますか?
小田:あるのかなぁー。
松村:俺は、和奏の声だと思います。
――なるほど、それってありますよね。
小田:うーん、何だろうなぁ・・・うーん、体育会的な?
松村:雰囲気?(笑)
小田:ノリ的な?
松村:汗のかき方?(笑)
小田:汗のかき方がハンパじゃない(笑)。
(一同笑)
小田:それは負けないかもしれないですね(笑)、えっと分泌物が多量って。
――それって強みなんですか?(笑)
小田:そうですね、新陳代謝が。
――あぁ、け、健康に良い。
小田:そうですね(笑)。
松村:アハハハ。
小田:健康促進系のバンドなんで。
(一同沈黙)
小田:静かになっちゃったね・・・。
――いえいえ、大丈夫ですよ(笑)。
小田:でも・・・わかんねぇなぁ・・。
橋口:わかんないよね、だって客観的には見れないし、1本1本ライブしたくてしてるわけで、毎回楽しんでやってる、これが俺達だーっていうより1曲1曲しっかり伝えられる演奏をしよう、その結果をお客さんがノーリグってこうだよねって言ってくれる、それが何なのかわかんないすけど、でも俺らの何かを見に来てくれてるんじゃないすか。
それが何かはわかんないすけども、俺らは制作やってリハやってツアーやってっていう、それを楽しんでっていうか、やるしかないのかなっていう。
その結果何かが出てるのなら、それで良いかなっていう。
――わからなければ、わからないでも良いのかもしれないですよね。
橋口:うん、そうですよね。でも自分達が音楽やってて、何か出てるんだったら、それを見に来てくれる人がいる、それだけで良いと思うんですよ。
――ですね。個人的な感想としてはガムシャラさだと思うんですよね。
小田:ガムシャラかもしれないですね。
――歌に全面にガムシャラさが出て走ってるのを見せてくれるバンドというのはノーリグのみなさんだけなんじゃないかなって思うんですよね。
小田:逆に死んだ目で何かを歌っててもそれが伝わるとは思えないんですよね、僕は。
熱量の伝道だと思うんですよね、言ってみれば。
だから暑苦しいと言われようが何だろうが、こうしか出来ないっていうところはあるんですよね。
――この人は本気で歌ってるから、こっちも本気で聴かねばならないというところで心を揺さぶられるものがあったんですよね。
松村:あぁ、でもノーリグのお客さんはそういう人が多いかもな。
橋口:なんか嘘はつきたくないっすよね、自分達のやってる音楽に。
――それをリスナーは感じてるんじゃないですかね。
松村:うん、すごい嬉しいな。
橋口:そこだけはほんとに真剣でいたいし。
松村:言葉の危うさみたいなのをこいつなりに持ってて、「Sign」の時とかは確信めいたことをなかなか言わなかった部分とかもあったけど、本気で歌えるとか言いたいことっていうのをボロボロ歌詞の世界にも出て来て、それが今回アルバムの中にすごい反映してるからよりそういうふうに感じてもらえたら嬉しいですよね。
――本気でやってる人に勝てる人はいないですよね、やっぱり、もっとたくさんの人にこの本気さがどんどん伝わって行けば良いなと思いますね。
小田:そうですね。
橋口:暑苦しい部分もあるかもしんないっすけどね(笑)。
――いやいや、大丈夫ですよ。では今後はどんな作品を作って行きたいと思っていますか?
小田:年毎にたぶん変わってると思うんですけど、というか毎日言ってること変わってると思うんですけど、例えばアルバムって年に何枚も出せるようなものじゃないと思うんで、その一年が詰まってるようなアルバムだったら良いなと思いますね。
今年に何が起きたのかとか、自分の回りとかでも、何を思ったのかとかが入ってるアルバムだと良いなっていうのと、1stがあって、この2ndが出来てっていうのがあるんで、そこは変に構えずにでも、なんかいろんなものが3rdでまた出て来るかなぁっていうのがあるので、ある種そこはすごく今もニュートラルでいて、でもまた1年後とかに次の2007年に何かが俺達の中で良いよねって思えたものがフィードバック出来たら良いなと思いますね。
――楽しみですね。
小田:はい。
――お二人はいかがですか?
松村:和奏の言うとおりです。
橋口:そうですね、まだやりたいこともたくさんあるんですけど、これからどんどん見つけて行くし、ツアーも出るしその中で見つけることもいっぱいあると思うんですよ、次の制作に入るまでに。
それを探すのがすごいワクワクするし、また次の音源でその答えをしっかり出したいですね。
――ツアーに行って帰って来たらまた成長してるでしょうから。
橋口:ここからまたいろんなものを見つけられると思うんですよ。
それはすげー楽しみですね。
――私達も楽しみにしてますね。それでは最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
小田:えー・・・と、アルバム聴いて下さい!
松村:そしてライブに来て下さい。
小田:(笑)
橋口:(笑)、終わってるじゃない。
小田:ここ大事だからね。
橋口:オチが。
小田:アルバム聴いて下さい!そしてライブに来て下さい!
――(笑)
小田:期待しちゃうなぁ・・・これハードル高いなー。
橋口:アハハハ、普通のこと言いますよ(笑)。
さっきも言ったんすけど、もうリハやって、曲作って、ツアーやってってことしか出来ないすけど、でもそれで一緒に楽しんでもらえるなら、どんどん俺らの音を聴いてもらってライブをガンガン見に来てほしいすね。
一緒に楽しみましょう。
――ありがとうございました。
No Regret Life:ありがとうございました!
(Text by Takahashi)