常にライブを中心に活動を行い、全国ツアーも何度となくこなしてきたロックバンド、ナイトメア。彼らがこれまでに発表してきた数々の作品から、選りすぐりの楽曲がベスト盤となって登場する。その名も『ジャイアニズム』。「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」という“ドラえもん”に出てくる“ジャイアン”の考え方であり、ナイトメアが結成時から掲げてきた精神でもある。今回のベスト盤は、まさにヒストリー・オブ・ナイトメア。彼らの唯一無二のサウンドが、時系列的に追える仕上がりとなった。
1曲目は、メジャー初のリリースであった「Believe」。冒頭から溢れ出るメロディアスなギターサウンドは、登場感たっぷりの仕上がりだ。イントロ的な展開が、音を増やしつつ一気にサビへとなだれ込む。その勢いはとどまるところを知らず、最後まで突き抜ける楽曲全体の疾走感はなんとも言えない。歌詞には、インディーズからメジャーというフィールドへ漕ぎ出した当時の彼らの思いが凝縮されている。日常に疲れ、初心を忘れそうなとき、「Believe」の詞と音は必ずあなたを励ましてくれるだろう。 ラスト18曲目の「livEVIL」は、彼らの最新曲でもある。ザクザクと刻み込むようなギタープレイから始まり、ドラム、そしてベースの重低音が加わってゆく。この楽曲では楽音の多寡が巧みに操られており、一曲の楽曲展開としては信じられないほどのドラマティックな仕上がりとなっている。ほんの4分間という時間の中で、「livEVIL」という凝縮されたサウンドを表現しきってしまったナイトメア。「Believe」からの約3年間がバンドにとっていかに濃密な時間であったかを、この最新曲は何よりも雄弁に物語っている。 しかし、百聞は一聴にしかずだ。ナイトメアの激しくもメロディアスなサウンドを耳にしたが最後、ライブに行かずにはいられなくなる。 ちょうど2006年5月に、ナイトメアは東名阪でライブツアーを行う。『ジャイアニズム』でしっかりと予習をしたら、あとはライブで彼らのサウンドを体感するだけだ。ベスト盤がリリースされるこのタイミングは絶好のチャンス。メンバー自身が選曲に加わったこの一枚、ぜひあなたのコレクションに加えていただきたい。
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http://www.nightmare-web.com/ ★ナイトメア Nippon Crown Music Online★ http://www.crownrecord.co.jp/artist/nightmare/ ◆メンバープロフィール◆
YOMI
on Vocal
Birth:7月14日 Blood type:A 咲人 on Guitar Birth:6月29日 Blood type:O 柩 on Guitar Birth:3月5日 Blood type:AB Ni〜ya on Bass Birth:6月23日 Blood type:A RUKA on Drums Birth:6月9日 Blood type:O |
Ni〜ya:当初6年も続くなんて思ってませんでしたから。奇跡です。
柩:うん。そのときは、5〜6年先とか考えてなかったよね。なんか、その場その場の勢いで、みたいな(笑)。
咲人:僕はこの6年はすごい速かったと感じてます。仙台で細々とやっていたのが、本当についこの間のような気がしますね。
Ni〜ya:まだ高校生だったんだよね、俺ら。
咲人:最初はコピーバンドだったんですよ。
RUKA:俺はあんまり、速かったなとは思わないかな。むしろ長かったなと(笑)。
――ライブを通して、初期の楽曲のプレイスタイルが変わっていったり、ということはありましたか。
咲人:デモテープとかの曲は、もうずっとライブではやっていないんですよ。インディーズで最初に出したCDの曲はやっているんですけど。
Ni〜ya:昔の曲は、ほとんどテンポが速くなっていますね。あとはアレンジとか。
咲人:やっぱり個々のアレンジは、それぞれ変わってきています。
――ベスト盤『ジャイアニズム』をリリースしようという話が出たときは、どう思われましたか。
咲人:最近ファンになってくれた人たちにしたら、ライブでメインでやっている曲も入っているし、とっつきやすいアイテムになっていると思います。
――今回のベスト盤はどのような仕上がりとなりましたか。
咲人:これを1枚聞いたら、ある程度は、今までのナイトメアの世界観を分かってもらえるんじゃないかな。
――収録曲目はどのようにして決められましたか。
YOMI:一人ひとり入れたい曲を、メンバー同士で話し合って決めていきました。
Ni〜ya:みんな、わりと一致していたよね。
YOMI:うん。それプラス、制作スタッフの人たちの意見も聞いて、今回の作品になったという感じです。
――収録曲目はすんなりと決まりましたか。それとも悩まれましたか。
咲人:シングル曲はとりあえず入れるっていうのは前提だったんで。あとはライブでやっているような曲とかが中心に入っています。2枚目のアルバム『リヴィド』にも収録されている「トラヴェル」っていう曲に関しては、最近はやっていないんですが、ナイトメアの中ではまた雰囲気の違う曲なんですよ。
――ベスト盤のタイトルは『ジャイアニズム』なのに、ナイトメアの代表曲「ジャイアニズム」が収録されていないのはなぜですか。
柩:はっはっは!
Ni〜ya:痛いとこ突かれたなー(笑)。
YOMI:それも“ジャイアニズム”です!(笑)
――ちょうどリリース順に収録されていますよね。メジャー初の楽曲「Believe」から、最新曲「livEVIL」までのサウンドの移り変わりについて、どう感じられますか。
咲人:今までも大したものではないんですけど、昔の曲を聞くと、甘いなって感じがします。僕だけがそう感じているのかもしれないんですけど、よくこんなのやったねというのも結構ありますね(笑)。だから少しずつ、成長してきたんだなと思います。
Ni〜ya:でも単純に聞いて分かるとおり、「Believe」と「livEVIL」を聞き比べてみると、やっぱりサウンド的にはがらっと変わったなって気はしますね。
柩:俺はレベル1からレベル18まで上がっていった感じです。分かんないけど(笑)。最終的にレベル18が「livEVIL」っていう。
RUKA:まだ今回のベスト盤を通して聞いてないんです。だから部分部分しか覚えてないんですけど。うーん……。曲に対しては、音源の印象よりもライブでの印象のほうが強いんですよ。ライブは現在進行形でやってるじゃないですか。だからそっちの印象のほうが強くて、音源ってそんなに印象がないっていうか。ただ単に、最近のことしか覚えてないっていうのもあるかもしれないけど(笑)。
YOMI:他のアーティストさんのベストアルバムって、昔の曲でもある程度は今と変わらないクオリティで出されていることが多いじゃないですか。そう考えると、うちらのベストアルバム『ジャイアニズム』は、他のアーティストさんよりもすごく成長が分かる作りになっているんじゃないかなって思います。
――YOMIさんは、「Believe」から「livEVIL」までを通して、歌い方に変わりは生じてきましたか。
YOMI:うーん、自分では意識しているわけじゃないんですが、変わってきているとは思いますね。何が変わったかと聞かれたら、はっきりとは分からないんですけど。でも「Believe」からの違いは、音もリズムも今のほうが取りやすくなってきたんですよ。だからサウンド的に歌いやすい環境になってきて、歌い方もそれに応じて変わってきている部分はあるかもしれないです。
Ni〜ya:でもゾジー(YOMI)って、スタジオで自分の歌い方を見つけるよりは、ライブで見つけていくタイプだよね。
YOMI:あっ、まあね。そうだね、ライブでだね。
――ライブを通じて、オーディエンスやライブ空間それ自体からも影響を受けてきたということですか。
Ni〜ya:そうですね。そういう部分は、バンドとしては少なからずありますよね。
――ナイトメアとして、または一人のバンドメンバーとして、転機となった楽曲を教えてください。
柩:俺は「Varuna」です。それまでと比べて、繊細になってきましたよね。
咲人:僕は「トロイメライ」ですかね。ちゃんと詞を書いたのが、このときが初めてで。そのときから自分の中で、歌詞っていうものをちゃんと意識して曲を作るようになりました。
Ni〜ya:俺はどれだろう。自分はベーシストなんですけど、曲に対するアプローチが、「Believe」から「livEVIL」までどんどん変わっていってるんですよ。その曲に合った弾き方だったり、音色だったり。弾き方にしても、じゃあこの曲はピックで弾いてとか、じゃあこの曲は指でとか。だからどこが転機だって聞かれても、「どこだろう?」って(笑)。一曲一曲が、転機でもありますね。
RUKA:俺は「HATE」ですね。そこで自分の書きたい歌詞が分かったというか。
YOMI:うーん、僕は……環境的に変わったのは、やっぱり「Believe」じゃないですかね。インディーズからメジャーに来たのが「Believe」だから。思い出深い曲です。
Ni〜ya:その辺ずっと、高田馬場AREAでやってたよね。
YOMI:うん、AREAだったね。
――みなさん初期から中期にかけての曲を転機にされていらっしゃるようですね。個人的には、「Varuna」と「時分ノ花」で、それぞれサウンドの変化を感じました。
Ni〜ya:うん。「時分ノ花」で、またちょっと変わりますよね。
咲人:「Varuna」も「時分ノ花」も、アルバムを出した後の一発目のシングルなんですけど、やっぱりアルバムごとに、きっと何かが変わっているんでしょうね(笑)。「惰性ブギー」は、割と自然な感じで出てきました。「トラヴェル」までが2枚目のアルバム『リヴィド』の曲なんです。その後から、どんな曲でもできるっていう、どういう曲調をやってもナイトメアになるっていうような自信が段々出てきたというか。だからあまり曲調に対する幅の広さとか、こんなのやってもいいのかなというのは思わなくなってきましたね。
――今回のベスト盤は、みなさんにとってどのようなものなのでしょうか。
柩:一つの区切りです。
RUKA:俺は記念品としてかな。ここまで6年間やってきましたっていう記念品。
柩:そうだね。ベスト盤の『ジャイアニズム』って、インディーズのときにも2枚出していて、そのときはそのために1曲ずつ未発表曲やアレンジを変えた曲を入れたりしたんです。今回はそういう新曲扱いのトラックはなくて、今まで出た曲だけを再度収録したので。記念品的な感じではあるかな。
咲人:やっぱり、ナイトメアという名前は知っているけど、ライブを見たことはないし、曲も聞いたことがないっていう人がいるとは思うんですよ。「なんかナイトメアっていう名前だけなら聞いたことはあるよ」っていう人が。だからそういう人たちには聞いてほしいかな。これを1枚聞けば、ナイトメアの半分くらいは分かると思います。
Ni〜ya:あと、どのアーティストでもそうなんですけど。例えば自分が「このアーティスト気になるな」って思ってCDを買いに行くじゃないですか。そういうとき、必ずベスト盤に手を出しません?
柩:シングルコレクションとかね。なんかこれ買っときゃいいだろっていう。
Ni〜ya:そうそう、そういうノリで。とりあえず、ベストオブなんちゃらって書いてあったら、「あっこれとりあえず買っとこうかな」ってなるじゃないですか。
咲人:シングルを買うのは、ちょっと怖いものが(笑)。
Ni〜ya:そうそう(笑)。かといってオリジナルアルバムを買うのもなんか怖いんで、やっぱベスト盤から入ろうっていう。
柩:ベスト盤を聞いて、良かったら、違うのも買ってみようってなるよね。
Ni〜ya:うん。そういう入門編的なノリで、いろんな人に聞いてもらえればなぁって思う。
咲人:入りやすく分かりやすい1枚になっているからね。
――通常のバンドはヴォーカリストが作詞を担当することが多いですが、ナイトメアではYOMIさんが中心となりつつも、他のメンバーさんも作詞をされますよね。他のメンバーさんが書く歌詞と、YOMIさん自身が書く歌詞とで、作品に対する姿勢は違ってきますか。
YOMI:歌うときってことであれば、あんまり変わらないですね。元からナイトメアはこういう感じだったので、それほど違和感もなく、僕としてはこれが自然です。
――今回のベスト盤を踏まえて、今後のナイトメアはどのような作品を作ってゆくのでしょうか。
咲人:最低限思うことは、このベスト盤にまとまっている曲を繰り返したくはないなということです。ナイトメアらしさっていうのは今回のベスト盤にも入っていると思うのですが、今後はよりコアなナイトメアらしさを追求してゆきたい。言ってしまえばジャンルの一つとして、「あっこの曲ナイトメアっぽいよね」って言われるようなものを確立してゆきたいなと思います。
Ni〜ya:このベスト盤をきっかけとして、ちょっと後ろを振り返りつつ、前を見て突っ走ろうって。
柩:俺は自分たちが楽しめるものを、まずやっていきたいですね。
YOMI:ナイトメアのいいところって、メロディがしっかりしているところだと思うんですよ。だから今後も、自分らのいいところを伸ばしていきつつ、メロディのいいものを作っていければいいなって思ってます。
RUKA:まー、俺は適当に降りてきた曲を作っていきたいです(笑)。考えて作れないので。
――RUKAさんは感性で曲を作ってゆくタイプなんですね。咲人さんは感性重視ですか、それとも考えて作るタイプですか。
咲人:僕はどっちもですかね。アレンジを作るときはやっぱり考えますけど、でも一番根本にあるのは、自分が好きか嫌いかということなんですよ。自分が自分で作った曲を聞いて楽しいか楽しくないかっていうところに基本はありますね。でもわりと突然降りてくることもあるし。原曲を作ったときの記憶って、あまりないんですよね。いつの間にかもうできてたっていう感じです(笑)。
――今回のベスト盤を聞いて新しく入ってくるファンの方に対しては、どう思われますか。
Ni〜ya:このベスト盤だけが、俺らの全てじゃないので。他にも曲はたくさんあるし、実際ライブで俺らの生の音を聴いて楽しんでほしいと思いますね。
咲人:ずっと昔からライブを中心にやってきたから、どうしても音源だけではナイトメアを伝えきれない部分があるので。でもライブに来てくれたら絶対楽しんでもらえる自信はあります。だからこれを聞いて、気に入ってくれたらぜひライブに来てほしいですね。
柩:ライブももちろん楽しんでもらいたいんですけど、俺たちも「Believe」から成長して、これからも同じように成長していくと思うので。聞いてくれて好きになってくれた人たちと、成長していきたいなと思います。
RUKA:俺は、特にこれっていうのは、あんまないんですよね。とりあえず友だち5人に薦めて買わせてきてって。5人×5人で、25人かな。
Ni〜ya:ネズミ講みてーじゃん(笑)。
RUKA:マルチだよ、マルチ! ネズミ講って言うなよ(笑)。
柩:よく言えばマルチ(笑)。
Ni〜ya:悪く言えばネズミ講(笑)。
――ファンのみなさんへ向けてメッセージをお願いします。
YOMI:『ジャイアニズム』を聞いて俺らの成長は分かってもらえると思うんですけど、もっともっと俺たちは成長していくので。これからも応援よろしくお願いします。
RUKA:俺は、いつもこれが一番苦手なんですよ。よくみんな、ぽんぽんメッセージが出てくるなぁ。うーん……やっぱ、1人につき友だち5人に薦めてきて(笑)。
Ni〜ya:また同じことを(笑)。
柩:俺はツアーで待ってるので、ツアーでお会いしましょう。
Ni〜ya:『ジャイアニズム』を聞いて、『ジャイアニズム』以外にも他のアルバムを聞いて、ツアーに参加してくれれば最高なんじゃないんですかね。
咲人:僕らの音楽を聞いてもらって、自分の人生に役立ててもらいたいなぁと。聞いてくれた人にフィードバックしてくるものって絶対あるので。僕らが昔いろんな人から影響を受けて頑張ろうって思ったことを伝えていきたいなって思うんで、それを感じてもらえたらいいですね。
――今回はありがとうございました。
全員:ありがとうございました!