彼の才能は、マリオに提供して世界的ヒットとなった「Let Me Love You」で証明済み。彼はこの曲でソングライターとしての才能を発揮し、その後、メアリー・J.ブライジやフェイス・エヴァンスといったR&B界のスターにトラックを提供している。そして、Ne-Yoに目をつけたのが、マライア・キャリー、Rケリー、マイケル・ジャクソン、ビヨンセなど、早々たるアーティストと関わってきた「21世紀のクインシー・ジョーンズ」的存在の男、ジェイ・Zだ。そのジェイ･Zが、Ne-Yoのシンガーとしての才能に惚れこんで、即契約を交わしたというのだから、Ne-Yoがトップ・アーティストになるための可能性を秘めているのは一目瞭然だ。

一時期は女性シンガー台頭の時代が続いていたR&B界も、ここ数年はアッシャーを筆頭に、クレイグ・デイヴィッド、ジョン・レジェンド、最近では、Ne-Yoが楽曲を提供しているクリス・ブラウンなどの男性シンガーの活躍が顕著になってきた。このご時世にデビューしたからには、Ne-Yoには、ぜひとも男性R&Bシンガーの頂点に立ってもらいたいものだ。

率直に感じたのは、彼のパフォーマンスには観客を惹きつける何かがあった。歌のうまさや踊りのうまさはもちろんのこと、スター性を感じさせる何か。女性ファンは彼のパフォーマンスに釘付けで、悲鳴とも思える声が轟くほど。そして、男性までもが、彼の歌声に酔いしれてしまった。私自身も、今回のライブを観て、CDで聴いていたときよりも何十倍も好きになってしまった。計5曲のオリジナル曲を歌った後には、ファンからの要望で、マリオの「Let Me Love You」をアカペラで披露。観客大満足のライブだった。こいつは、タダ者じゃないオーラを持っている！