静寂と熱情の狭間を縫って齎されるのは失望かそれとも希望か。
2009年10月にはヨーロッパツアー、そして初の南米ツアーなど、日本のみならず世界を股に掛けてのワールドワイドな活躍が目覚ましいムックの待望のニューシングル「フリージア」がリリースされた。 2008年8月と2009年1月にリリースの2枚のシングル「アゲハ」、「空と糸」に続き、ken (L'Arc〜en〜Ciel)のプロデュースによる楽曲となる今作では、前作2枚とは打って変わって従来のムックらしさと共に新しい一面を感じさせるドラマティックなバラード作品に仕上がっている。 ひたひたと密やかに近づいて来るようなクールなオープニングから、後半に従い張裂けそうな情感が露になって行く逹瑯の歌声と共に心に突き刺さるような泣きのギターソロがなんとも印象的。 そして限定盤と通常盤に1曲ずつ収録されているカップリング曲、ダイナミックでスピード感のあるこれぞムックという楽曲の「終止符」、そして遊び心のある歌詞とダンスサウンドの「楽園」と、それぞれ聴き逃せない楽曲に仕上がっている。 来年2月には東阪ホールツアーを始めとしてイベントも決定しており、2010年もより一層アクティブな活躍が期待出来そうだ。 一度気に入ると病み付きになってしまうムックのサウンド。 ムック
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http://www.55-69.com/ ◆プロフィール◆ 逹瑯 (Vo.)
blood type:A birthday:August8 ミヤ (G) YUKKE (B) SATOち (Dr.) ◆Live◆ WINTER CIRCUIT 2010 東阪ホールツアー |
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――それではまず最初にそれぞれ自己紹介をお願いします。
逹瑯:どうも、ヴォーカル、逹瑯です。
YUKKE:ベースのYUKKEです。
SATOち:ドラム、SATOちです。
ミヤ:ギターのミヤです。
――10月にはヨーロッパツアーとそして初の南米ツアーを終えられて帰って来たばかりなんですよね?海外でのオーディエンスの反響はどのような感じだったりしましたか?
YUKKE:行ったことのある国は久しぶりのワンマンツアーで回ったので歓迎してくれるというか、待っててくれたみたいなのがすごい伝わって来て、みんな一緒に歌ってくれるからCDとかも聴き込んで来てくれてるのがすごいわかったし、そう思うとまた戻って来れて良かったなって思いますね。
――もう何回か海外でツアーもされていると思うんですけれども、海外とお客さんと日本のお客さんではリアクションとかが違ったりはするんですか?
SATOち:海外のお客さんの方が熱いっすよ、やっぱり。
――日本よりもインターバルが長いのでそこで待っていた!っていう感じで熱い感じのお客さんが多かったりするんですか?
逹瑯:日本でツアーをやるのって1年に1回とかなので、うちらが地方に行く時しか見れない子とかを考えると、海外にも年に1回行ってるから、あんまり変わらないんですよね。
――ではあまり世界と日本というのではあまり差はない感じなんですね。
逹瑯:そうですね。ただ東京でライブやるのは来やすいとかはあると思うんですけどね。
――東京だとしょっちゅう見れますからね。ではCDのお話をお伺いしようと思うんですけれども、今回のシングルは前作から10ヶ月振りのリリースになりますが、こちらの「フリージア」なんですけれども、前作、前々作の「アゲハ」、「空と糸」に続いてL'Arc〜en〜Cielのkenさんがプロデュースで参加されているんですけれども、今回はバラードな感じですよね。こちらはメンバーのみなさんはどのような作品に仕上がったとなという感じがしますか?
逹瑯:ムックらしい様でいて、でも新しいところの作品になったかなと思いますね。
――それはどのような点が新しいなというところだったんですか?
逹瑯:歌詞を書いて詰め込んでる感じも今までのニュアンスと違うし、歌ってて広がって行くベクトルの方向も違う感じがするし、曲のアプローチとか処理の仕方とかも真新しい感じが加わってきてるなと思いますね。
――それは歌とかにも影響が出たりするものなんですか?歌い方とか。
逹瑯:ライヴとかですか?
――はい。
逹瑯:結構出ますね。逆に今までなかった感じのいろんな要素とか。
それはたぶん歌っている本人じゃないと細かいところはわからないと思うんですけど、歌ってて難しいなと感じるところが。
メロディ云々とかじゃなくて、その込め方というか、曲の落としどころっていうのが、今までの得意な感じとはまた違って来て、新しい風を感じるので、やり慣れてないというか、ちょっと難しいなと思うところがありますね。
――それはきっと今までの曲はメンバーの方とずっと積み上げて来たというところで慣れているところがあって、そしてそこでkenさんが新しい風を入れてくれたっていうところはあるんでしょうかね。
逹瑯:あるかもしれないですね。
ミヤ:ムックの曲の中にはバラードってすごくあるんですけど、あんまりこういうタイプのバラードはなくて。
この曲は8ヶ月前に出来上がっていて、その後、もう1つか、この曲かどっちにしようかっていうぐらいの曲だったので、1年以上前の段階でアルバムが出来る前に出来上がっていたものだったんですよ。
ただまぁ、アルバムとはちょっと毛色が違ったんでリリースを次の機会に延ばしても良いんじゃないかなっていう意見があって、今回シングルとしてリリースしたんですけど、結果、予想より良かったなっていう感じもすごくしますね。
アルバムとはまたちょっと違うところにベクトルがあるというか、ツアーの初日の武道館のライヴでやってはいるんですけど、最近演奏していてやっと実感が湧いて来たなっていう感じなんですよ。
――その実感っていうのは、自分達のレパートリーであるという実感なんですか?
逹瑯:「フリージア」は「空と糸」と同じタイミングでkenさんにプロデュースしてもらって作った曲なんですよ。
でも曲を演奏していて、この曲ってこういう感じだよねっていうベクトルというか、やっぱり「球体」とはまた違うところにある曲なんで、今回このタイミングで1年近くやっていた「球体」のツアーが終わって、次に向かうここの地点にもすごくこの曲が合ってて、だから当時作ったものにあんまり感じないですね。
――確かに先の2曲とはまた違いますものね。バラードというのもあるんでしょうけど、サウンドもそれぞれ3曲とも全然違いますよね。そういうところでギターのプレイとかにも影響はあったりしますか?
ミヤ:普段自分が得意なパターンとはちょっと違うというか、あんまり音数を入れて構築するようなアレンジではないシンプルな曲なので、音数も少ないし細かいこともあまりやらないけど、ちゃんとアレンジメントが出来上がるようにしなくちゃいけないなというか、そうするようにkenさんと一緒に作って行った感じなんですけどね。
――後半のギターはすごい泣ける感じですよね。
ミヤ:あれはその(笑)、この曲は割とフワッとしてるというか俺はナチュラルな雰囲気を持っていて、それにヴォーカルのエフェクトだったり一番最後のギターソロだったりでギャップを出したというか。
一番最後のサビの感じが一番聴かせたいところなので、それをより良く感じるために敢えて逆のことをやってたというか。
ギターとかもそうです。
――聴いていると後半のギターソロの所はなんか切ない気持ちになりますよね。
ミヤ:そうですね。歌で感情を表すっていうよりかは、歌が感情を表さなくても良い曲だと思っているんですよ。
そういう何かこう感情的なんだけど、それは秘めているもので、そういうのがちょっと見えるのが後半のギターとか、ドラムの盛り上がりだったりとか、そういうところですね。
――曲の最初は静かに始まって、歌詞にエフェクトが掛かってる感じから、サビになるとすごくリアリティのある感じになるじゃないですか。そこがすごく聴いていて緩急があるというか、ハッとさせられる感じがするんですよね。ムックさんってこういう感じがあまり印象になかったので、すごく意外な感じがしましたね。でもすごくカッコ良いなと思いました。お二人はいがかですか?
SATOち:レコーディングでは、ずっと俺はバラードっていう気持ちでは全くやっていなかったんで、最近になって、あ、バラードだったんだな、これはみたいな。
――じゃあ、叩いている時はそういう気持ちだったんですね。
SATOち:そうですね。いつも自然な感じでやってるんですけど、でも今回は感情の入れ方とかが、なんか違うなとは思ってたんです。
――出来上がってみたらドラマティックな感じなバラードになっていたという感じですかね。
SATOち:そうですね。バラードって感じたのは海外ツアーの時くらいからですね。
ホント最近ですね。
――(笑)。
SATOち:あんまりバラードって感じなかったんですよね、第一印象が。
――それはどうしてなんでしょうね?
SATOち:うーん、やっぱりサビまでに結構、影があったりとかして、そういう部分であんまりバラードを感じさせなかったのかもしれないですね。
――そういうお話を伺って改めて演奏を聴いてみるとまた違った形で聴こえてくるかもしれないですよね。
SATOち:そうっすね。自分で感情を抑えてつけてる部分とかあったので。
――なるほど。それではYUKKEさんはいかがでしょう。
YUKKE:シングルを決めようっていう時に曲を聴いていて、第一印象はすごい良くて、これは新しいし出したいな、面白そうだなって思ってて、結果10ヶ月くらい出さないで取って置いた形になったんですけど、今回のタイミングで出せたのが一番良かったなって思っていますね。
――何かkenさんプロデュース三部作的な感じなのかっていうと、そうではないんですよね?
逹瑯:どっちかというとこの曲は「球体」が出来る前からもうあった曲なので、その時は出るタイミングがなくてずっと暖めてたというか。
それが今、出た感じで、世の中的には三部作的とか続いている感じがするんですけど、プロジェクトとしては「球体」までで一度、完結している感じですね。
――普通に考えるとそこでアルバムに入れてしまってとかっていうのはよくある感じですけど、それは敢えてアルバムは終わり、そこにまだ良い曲があったからという感じですか?
逹瑯:「フリージア」はその時に作ってる段階の時からまた何かちょっと違う路線っていうか、別格みたいな感じの良い意味で孤立してる曲だった気がしますね。
――ではまだどこにも属さない感じだけども、すごい存在感のある曲ということですよね。この曲はタイトルが「フリージア」ですが、なぜ“フリージア”なのかな?っていうのを最初に思ったんですよね。
逹瑯:タイトルを決める時に歌詞をずっと読んでいて胆(きも)になっているのはどこなんだろうなって考えてて、自分の中の胆がBメロで、ここで咲いている花って何なんだろうって思って。
漠然と花が咲いているって書いたんですけど、いろいろと意味合い的に追求したら、何個か候補があったんですけど、その中で一番イメージと響きとがしっくり来たのが“フリージア”だったんで、それで決めたって感じですかね。
――では後から一番ピッタリ来るっていうところで“フリージア”なんですね。お伺いしてみないとわからないですよね。今回は「フリージア」の他にカップリングが初回盤と限定盤のそれぞれ違うんですよね?初回限定盤の方が「終止符」なんですよね?こちらの「終止符」という曲は出来上がってみてどんな楽曲になったなぁという印象がありますか?
ミヤ:この曲はアルバム「球体」の方に近いニュアンスというか、アルバムを作ったのが長いツアーを一つ終えてから作ったアルバムで、その後にまた長いツアーをしてて、2008年のツアーばっかりしてた頃を反映した曲ですね。
「球体」よりも、経験したこと、影響を受けたことのより全てを反映した曲というか。
「球体」に入っても良かったような曲、というか「球体」のアウトテイクというか、書き下ろしなんですけど、そういうイメージで作った曲です。
――そうですね。ちょっと勿体なかった気がしますね。
ミヤ:アルバムに入らなくて?(笑)、まぁ、でもそれをイメージして作ったんで、ホント最近なんですよ作ったの。
だから今だからこういう曲が作れますけど、当時だったらたぶんちょっと形が変わってたかもしれないですね。
――ツアーを経て自分の中で得たものだからこそ出来たという感じですかね。
ミヤ:そうですね。
――この歌も悲しい歌ですよね。
ミヤ:うん、そうですね。悲しいですけど、でも悲しいことを言いたいわけではなくて、悲しんだ後どうするかっていうことを歌っている歌で、悩んでばかりいてもしょうがないよっていうことを言いたい歌です。
――アルバム「球体」の歌詞とかを拝見させて頂いて思ったのが、ちゃんと読んで自分の中で消化するタイプの歌詞だなっていう印象があって、それでネガティブな感じも一瞬するんですけど、その先にもっとポジティブに行こうっていうふうな気持ちにさせられる印象がしましたね。そういうところって先ほどミヤさんが仰ったところと通じるところがあるんでしょうかね。
ミヤ:やっぱり今の自分、30歳になって歌詞を書く人間として思ってることっていうのは、やっぱりその悲しい感情を留めるための歌ではないというか、そういうことがあったけど頑張って生きて行かねぇとなっていうことだけなんで。
昔とかは本当にどうしようもねぇな、本当キツイなってことだけを歌にしてたりしてたんですけど、今はそういう歌を作る気分じゃないというか、年齢でもないし。
年を重ねると、次に向かうためにはどうすれば良いかとか、どうしようもない場合もあるし、何か見つかる場合もあるし、それが何でも歌になるというか。
――大人になって来たっていうことですかね。
ミヤ:そうですね。それは本当にそうだと思います。
――ミヤさんが書いた歌詞を逹瑯さんが歌う時はどのように消化させて歌われるんですか?
逹瑯:完璧に全部理解し切るのは不可能で、そのワードだったりとか、一節が、こういうのわかるなぁとか、そういうところを膨らませて歌ってる感じですね。
後はもうちょっとここをこういう感じで歌ってっていうやり取りをして構築して行く感じですね。
――例えばここ違うよ!とかってあったりすることはあるんですか?
ミヤ:自分の中にイメージがあるので、それと違う場合はそうしてくれって言います。
でもまぁ、逹瑯の歌詞でも同じです。
ディレクションしてる人間としてはイメージがあるので、自分のでも人の歌詞でもあんまり関係ないですね。
――そうなんですね。お二人の方はこの曲に関してはどのようにプレイされましたか?
SATOち:ムックらしかったんで、良くなると思いましたね。
ずーっとスタジオに入って、せーの!って曲を作る感じがなかったので、これはみんなでスタジオに入って一から作って、昔を思い出しながら作ったので、すごくやりやすかったですね。
――自分の中に蓄積されたものがそのまま出るという感じですか?
SATOち:そうですね。スピード感もそうですし、こういうタイプの曲はやりやすいです。
――ではYUKKEさんはいかがですか?
YUKKE:すごいわかりやすくて、何年か前とかだったらもうちょっと、こういう曲か・・・って、ちょっと構えてた部分があったと思うんですけど、そういうのもあまりなくて、すんなり曲に入って行けた感じがします。
――そうやってお伺いすると、初回盤と通常盤にそれぞれタイプの違う曲が入っているので、どっちも欲しくなりますよね。こちらの「楽園」の方はダンスっぽい感じですものね。
ミヤ:どっちも買ってもらいたくてそうしてるって感じですね。
――なるほど(笑)。
ミヤ:はい。
――ファンの方は2枚買っちゃいますよね。やはりどちらも聴きたいですものね。
ミヤ:まぁ、俺らだったら買いますね。俺、パッケージが好きなんで。
――あぁー、その気持ちはわかりますね。
ミヤ:せっかく2形態でリリースするんだったら、別のものにしたいし、ある意味をちゃんと持たせたいと思うんですよね。
――そのお話を伺っていると音楽を愛してるんだなという感じがしますね。
ミヤ:少しでも持っていたら嬉しい要素があったら良いのかなと、それには曲が一番なんで。
――初回盤の方にはピアノの曲も入れてくれているし、「楽園」もすごく聴き応えのある曲なので、どちらも買いだなというか、損をした感じがしないっていうのは良心的な気がしますね。
ミヤ:そのために1曲多く作ってるって思ってもらえれば良いですね。
――こちらの「楽園」も最近出来た曲だったりするんですか?
ミヤ:「楽園」はまた「終止符」とはまた別で全くツアーやライヴっていうのとは関係ないところで単純に自分の趣味で、こういうのが今やりたいなっていうのをそのまま反映した曲ですね。
あとカップリングになるとやっぱりアルバムよりもすごく遊べるんで。
――こちらの曲は聴きやすい感じで歩きながらとか聴いてると良いですよね。この曲は歌詞が韻を踏んでいたりとか、英語に聞こえたりするような歌詞ですよね。
逹瑯:結構遊びましたね。
――こちらって歌詞を書く時ってどういうふうに書いたりされたんですか?
逹瑯:これはもう完璧にカップリングだしこういう曲調だったんで、すごく遊ぼうと思って書いてましたね。
もうすごくくだらないことをどれだけシリアスにそれっぽく書けるかっていうので遊びましたね。
全然ネガティブな曲でもないし、暗い曲でもないし、何かパーティーソングに近いというか。
――確かに難しいけど、どういう意味なのかな?って思ったりするところが、そこで遊びって感じなんですね。
逹瑯:でも完璧にオブラートに包んでるんで、まぁ、わかんないだろうなって気がしますね(笑)。
――じゃあ、実は明確なメッセージが?
逹瑯:メッセージはないです。明確なテーマはあるんですけど、これ全部比喩で例えて書いたんで。
――そうなんですね。難しいですね。
逹瑯:状況説明であったり(笑)、心境の感じだったりっていうのを結構、説明的なものを全部比喩して書いたんでね。
――それは聴き手に解釈を全て委ねるよりは、聴いてっていう方が近いんですね。
逹瑯:何か音の感じとかを楽しんでもらえれば良いかなって。
――なるほど、そういうところからこの曲も出来ているんですね。こちらは打ち込みだったりするんですか?
ミヤ:ドラムは全部打ち込みですね。
――そうなんですか、それではライヴの時の演奏はどうされるんですか?
ミヤ:ライヴは生でやりますね。
――ライヴはちょっと変わった感じになったりするんですか?
ミヤ:どうでしょうね。すごい打ち込み感っていうのはちょっと減ると思いますけど、あんまり変わっちゃうとちょっとマズイので、なるべく変わらないように、あと生ドラムならではの感じに聴こえればいいなと。
――これはまだライヴではやられていない感じなんですか?
ミヤ:やってないですね。
――ではいつか見れることもあるということですね。
ミヤ:はい、そのうち。
――では今回この3曲の中で自分のプレイしたところでぜひ聴いてほしいと思うところを教えて頂けますか?
逹瑯:俺は「楽園」の歌詞の感じが、これ何のことを歌ってるのかなみたいな、いろんな解釈が出来ると思うんで、それを自分なりに探してみるのが楽しいかなーとは思うんですけどね。
ミヤ:「フリージア」とかは俺はアウトロのギターのソロというか、叫びというか、ギターの長い叫びを聴いてもらいたいですね。
あと、「楽園」とかで結構、足踏みが入っていたりするんで、それも面白いかなって。
――足踏みですか?
ミヤ:そう、フットストンプが入ってます。
――それはミヤさんだけですか?
ミヤ:いや、違います(笑)。みんなで。
――あ、みんなでなんですね。そこのところもチェックですね。ではお二人はいかがでしょう。
SATOち:「終止符」のドラムですね。割と速いんですけど、速くて無茶してるんですけど、無茶に聴こえないところですかね。
ムックの曲はやるのと聴くのとのギャップがある曲が結構あるので(笑)、そこを実際は結構ハードなんだぜみたいな(笑)、そういうところを聴いてほしいです。
YUKKE:「楽園」なんですけど、みんなでせーの!で合わせて気合で弾くみたいなのとは全く違う弾き方というか録り方で録ったんですけど、本当は打ち込みのドラムの上に乗せる生の楽器だから結構それなりに神経もすごい使ったし、アップライト・ベースで録ったから、なにかものすごいベースと向き合って、一個一個録って行った感じが面白かったんで、その辺を聴いてもらいたいですね。
――そうやってお話を伺うとまた改めて聴かねばと思いますよね。では作品以外のお話も少しお伺いしようと思うんですけど、メンバーのみなさん、今、一番欲しいものというのを一つずつ教えて頂けますか?
ミヤ:まぁ、時間とか・・・、時間はほしいですね。
・・・洗濯機がほしいですね。
――洗濯機・・・・
ミヤ:(笑)。
――じゃあ、ファンの方からプレゼントされると良いですね。
ミヤ:アハハハ、それはちょっと。(笑)
俺が好きなものかわからないし。
――あ、そうですよね(笑)、他のみなさんはいかがですか?
逹瑯:CELL REGZA。
――“セルレグザ”ですか?それは何ですか?
逹瑯:CELLっていう特許技術があるんですよね、PS3とか、IBMとかパソコンの中に入っているやつがあるんですけど、それがREGZA
の中に入っているらしくて、26時間全部のチャンネルを同時連続録画出来るたりするテレビなんですけど。
――そうなんですね。全然知りませんでした。
逹瑯:この間、アメトーークの家電芸人を見てて。
YUKKE:あー。
逹瑯:すっげー、欲しかった。
CELLの入ってるREGZAとYAMAHAの小さいのに5.1chの音が出るスピーカーなんですけど、すっげー、欲しかったですね。
――それは頑張ればすぐに手に入りそうな感じなんですか?
逹瑯:男ってなんで家電が好きなんですかね。
――(笑)。
逹瑯:電器屋楽しいもんな。
――だって最新鋭のものが何でも置いてありますからね(笑)。
逹瑯:CELL REGZAって50インチで100万ぐらいするんで。
――えっ!?
逹瑯:(笑)、まぁでも50インチ置ける部屋がないとダメだしみたいな。
――50インチって大きさがもう連想出来ない感じです(笑)。そういうのでスーパーマリオとかやったらすごい大きくなりそうですね。
逹瑯:それでスーパーマリオやったらスーパーマリオ自体の解像度が低いんで、ただデカイだけになると思うよ(笑)。
(一同笑)
――それじゃあ、ちょっと無理ですね。(笑)
逹瑯:(笑)、それなりのBlu-rayの何かとか見たりしないと。
――そうなんですね(笑)。では手に入った時にはどこかで告知をして頂きたいと思います。
逹瑯:はい。
――ではお二人はいかがでしょう。
YUKKE:どこでもドアがほしいって最近思いました、ツアーの時とか。
逹瑯:そこだね。
YUKKE:飛行機が大キライなんで。
SATOち:(笑)
YUKKE:どこでもドアがあったら、もっとたくさんツアーとかも行けるし。
逹瑯:どこでもドアがあったら何もいらないよね。
楽屋いらないし、傘いらないし、交通費いらない。
税関も通らないっすからね。
いやー、世の中が大変なことになりますね。
――すごい便利だけど運動不足になりそうですね。
YUKKE:外を誰も歩かなそうっすね。
――(笑)。
逹瑯:外っていうものの概念がなくなるよね。路駐もないよ。
歩きやすいけど、歩かないんだもの。
――確かにそうですね。すごい世界が見えて来ましたね(笑)。
逹瑯:すごい世界ですね。
全部の世界が二世帯住宅みたいな感じですか。
ドア一個で繋がるんだから、でも部屋と一緒だよね。
このドアの向こうは誰かの部屋みたいな感じでしょ?
YUKKE:うん。
逹瑯:おっかねー、防御する方法がないですもんね。
のび太もよくしずかちゃんの部屋とか行っちゃうから。
――(笑)。
逹瑯:自分だけ持ってるのとみんな持ってるのとどっちが良い?
YUKKE:あのね、空港に一個あれば良いと思うんですよね。
家からどこか渋谷とかに着くんじゃなくて、海外の人だけがちょっと1万円多く払うと使えるとか(笑)。
そんなのがほしいですよね。
――正しい使い方ですね(笑)。
逹瑯:1万円じゃ行けないと思うよ。
ファーストクラスだってプラス1万円じゃ行けないからね。
――(笑)、すごいお金取られそうですよね。
逹瑯:どうする?プラス1万円でくぐれるんだけど、くぐると1歳年取るの。
YUKKE:くぐらないですよ。
(一同笑)
逹瑯:くぐらない?
YUKKE:はい。
――なるほど、ではどこでもドアということで(笑)。SATOちさんはいかがですか?
SATOち:そうですね。じゃあ、減らない肉が良いですね。
逹瑯:(笑)。
――食べ物。
SATOち:はい。
――すごいですね。どうリアクションして良いか、一瞬迷いましたね(笑)、お肉・・・。
逹瑯:(笑)。
SATOち:そうです。お肉好きなんで。
――じゃあ・・・みなさんお肉をご馳走してあげて頂きたいですね。
逹瑯:(笑)。
――ムックのみなさんの知られざる一面を知ったなぁというところなんですけれども、今後、バンドとしてどのような活動としたり作品を作って行きたいなという展望がありますか?
ミヤ:うーん、まだちょっとわからないというか。
今、丁度ツアーが終わって次に向かうところで、何となく思いついたことをやってアルバムを作るんで、あんなのも良いな、こんなのも良いなっていう、何となくな時期なので、どうなるっていうのはわからないですけど、バンドはどんどん活発に止まらずにやって行っていければ良いなと。
――そうなんですね。それは楽しみですよね。では最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
逹瑯:東京がホームっていうことでよくやっていますけど、最近、海外からも日本のライブに来てくれる人が増えて来たりとかして、うちらもどんどん海外に行き続けると思うので、海外の人達も待っていてほしいし、国内のツアーもガンガンやって行きたいと思うので。
どっちにも言えることは待ってるだけじゃなくて、たまには来てくれるのもまた楽しいし、何かそういうところで一緒になりたいなとは思いますね。
ミヤ:ムックはすぐコロコロ変わるバンドなんで、それを楽しんでくれれば良いかなと。
SATOち:待ってくれてる限り期待に応えたいですね。日本でやるにも海外でやるにも頑張ります。
YUKKE:これからももっとコンスタントに海外も行けるようになると思うし、ちょっと待っててね。
――ありがとうございました。
ムック:ありがとうございました。
(text by takahashi)