モーツァルトの波乱に満ちた生涯はそれだけで魅力的だが、やはりその音楽は、その何百倍も魅力的だ。彼は700とも800とも言われる膨大な作品を残しているが、ごく初期の作品を聴いてもその才能は明らか。一言で言えば駄作がないのだ。全作品を聴くと、この全集にあるように、CD180枚を要するが、何日かけても、そのすべてを聴く価値はある。それがモーツァルトだ。