それは荒ぶるサウンドと心揺さぶるメッセージ。
昨年11月にミニアルバム「Astral Lamp」でメジャーデビュー以来、2枚のシングルリリース、そしてライブにと精力的な活動を続けて来た、Vo.の児嶋亮介、Ba.の如人、Dr.の梶谷雅弘の3ピースバンドKELUN。そんな彼らの待望の1stフルアルバムが「KELUN」が遂にリリースされた。 「CHU-BURA」等のシングル曲を始めとして、インストゥルメンタル2曲を含む粒揃いの楽曲が目白押しの全17曲収録のフルヴォリュームな内容となっており、まさに今のKELUNの魅力がめいっぱいに詰まった1stアルバムにしてバンド名を冠するに相応しい作品となっている。 3ピースバンドとは思えない程の迫力と疾走感のあるサウンドは、まるでライブを体感するような臨場感と高揚感をもたらしてくれるのだ。 児嶋亮介の力強いヴォーカルと彼自身の手によるリアルなメッセージは、その強さと共に聴き手の肩にそっと手を置くような優しさに満ちている。その真摯なメッセージは近い将来、聴き手の心とより強い信頼で結ばれることだろう。 現在、このアルバム「KELUN」を引っ提げてのツアー真っ最中の彼ら。 KELUN
Official Site
http://www.kelun.jp/ ◆プロフィール◆ KELUN(ケルン)
KELUN(ケルン)とは、ドイツ語で(KERN)『中心、中核』の意。また英語で(CAIRN)『山を登る際、頂上を目指す際の道標、道しるべ』の意。同じ響きを持った言葉の意味を総括するオリジナルの綴りの造語である。聴く人の心の奥…”中核”まで届く音楽でありたい・・・そして、その人の歩む道の”道しるべ”になる様な音楽を届けたいといったメンバーの想いが込められている。 児嶋亮介: 如人: 梶谷雅弘: ■Live 関連書籍:
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――まず最初にそれぞれ自己紹介をお願いします。
児嶋:Vocal, Guitarの児嶋亮介です。
如人:Bassの如人です。
梶谷:Drumsの梶谷です。
――ではお互い自分以外のメンバーの印象を一言で表して頂けますか?
児嶋:梶君は天然ですね。言葉が流れて行きます。
――流れて行くっていうのは・・・。
児嶋:あの・・・、何を注意しても流れて行くというか(笑)。
――あぁ、言われたことを・・・。
児嶋:そうです。完全に流れて行くんで。
梶谷:あ、ハイ(笑)。
児嶋:流れた瞬間がわかるぐらい適当な・・・天然ですね(笑)。
如人もまた違うベクトルの天然で。
――児嶋さん以外はみんな天然な方。
児嶋:そんな感じがしますね。僕しかマトモな人はいないんじゃないかなと思います。
――問題発言を(笑)。
児嶋:アハハハ。
――では梶谷さんはいかがですか?
梶谷:マトモな人間(児島さん)です。ダメな人間(如人さん)です。
(一同笑)
児嶋:マトモとダメな人間(笑)。
――児嶋さんは自他共に認めるマトモな方ということなんですね(笑)。
梶谷:詳しく説明するとしっかりしている。
児嶋:詳しく説明してないないじゃん(笑)。
梶谷:何事にも・・・せっかち。
児嶋:しっかりと違うじゃん、それ(笑)。
まぁ、でもせっかちはあるかもしれないですね。
遅いから2人がぁ・・・。
――ちょっとお母さんっぽいですね。
児嶋:そうですねぇ。
梶谷:ノラリクラリ・・・・。
――ノラリクラリなんですか?(笑)
梶谷:そうっすね、マイペースな。
児嶋:クスクス。
――そうなんですね、大変ですね(笑)。
児嶋:如人は?
如人:梶君はやっぱり天然?
児嶋:同じじゃないかよ(笑)。
如人:まんま、それしかないって。
梶谷:ま、ダメな子の部類だよね(笑)。
児嶋:ダメな天然だからホントにダメなんだよね(笑)。
――良いとこがあんまりない感じが(笑)。
(一同笑)
梶谷:そうなんです、ないんです、ボク(笑)。
児嶋:ウハハハ。
如人:良くも悪くもです。
――ドラムが上手だから大丈夫ですよね。
如人:児嶋はB型?
児嶋:(笑)、俺と如人はB型ですからね。
――B型だけどしっかりしているし・・・。
児嶋:いや、本当はしっかりしたくないんですよね。でもしっかりせざるを得ないんです。
如人:しっかりせざるを得ないメンバーとやってる(笑)。
――大変ですねぇ(笑)、でもみんなしっかりしていたらまたつまらないのかもしれないですよ。
児嶋:まぁ、そうですねぇ。ま、加減っていうものがありますけどね(笑)。
梶谷:(笑)。
――あんまり苦労をさせないようにしないといけないですね。
梶谷:もう必死ですね(笑)。
児嶋:お願いします。
――では待望の1stフルアルバム「KELUN」がリリースされますが、アルバムが出来上がった今はどんな気持ちですか?
児嶋:結構なボリュームでミニアルバムの「Astral Lamp」の前の曲もありますし、個人的にはこのバンドの集大成じゃなくて、生きて来た人生の集大成ぐらいの気持ちでいますね。
――ではキャリアが始まってから今までぐらいの感じですか?
児嶋:そうですね。キャリアというかほんと生まれてからぐらいの気持ちでいます。
――ものすごく自分の中で大きなものになりますよね。
児嶋:そうですよね。
――お2人はいかがでしょうか。
梶谷:結構、昔からある曲をレコーディングしたりしてたんで、集大成な感覚で感慨深い作品が出来たなという感じですね。
如人:僕は個人的にメジャーとして世の中に自分の弾いた音源を出せることが初めてなのですごく嬉しいです。
――それは本当に宝物みたいな感じですよね。
如人:はい。
――ではそういう意味もあって、アルバムタイトルはバンド名でもある「KELUN」という名づけたんですか?
児嶋:そうですね。たぶんもう二度と出来ないじゃないですか、そういう意味で付けました。
――1stにして代表作的な。
児嶋:そうですね、うん。
――ではこのアルバム、サウンド的な面も含めて内容はどんなふうになったかなと思いますか?
児嶋:サウンド的には結構いろんな方とやっていてバリエーションはもちろんあると思うし、ソリッドなものはすごくソリッドで、優しいものはすごく優しいっていう感じにはなったと思うんですけど、内容的にはそんなに違うことは言ってないかなっていう気がしますね。
一貫して言っていることは大体一緒かなという。
――それは自分が作品を作って来てずっとということですか?
児嶋:まだ出来上がったばっかりで客観的には見切れてないけど、角度がそれぞれ違うだけで言ってることは一緒かなって思いますね。
――なるほど、今回は作っている時に苦労したりとかはあったりしたんですか?
児嶋:苦労したものは、録っている時はほんとに演技するのがイヤなので、テイクは早めにあまり重ねないで、歌も正直、デモの時のを使っているのもありますし。
なので録りはそんなに苦労は全然してないんですけど、ただむしろ録った後にミックスとかでエンジニアさんとまた解釈が変わってくるんで、その刷りあわせだったりとか、そういう方に時間を掛けたかなと思いますね。
――今回って制作の中で心掛けた点などはありましたか?
児嶋:1曲1曲違う気はしますけどね、例えばこの曲はあまり時間を掛けないで、ある種、雑にやろうとか(笑)、この曲は繊細にやろうとか。
――ではいろんなふうなやり方をして、そして出来上がってみてそれが「KELUN」であるっていう。
児嶋:そうですね。
――ではバラエティに富んだ内容になっている感じですか?
児嶋:もうほんとバラエティに富んでると思います。
――ではお2人に演奏面で重点を置いた点などを教えて頂けますか?
梶谷:1曲、1曲、プリプロの段階から密にベースとは一緒にここはこうしよう、あぁしようとかは割とあるんですけど、レコーディングの時はなるべくテンションが上がっているうちに1日も早く録りたいというか、レコーディングの日ってものすごい気合が入っているので、意気込みをそのまま早くレコーディングしてパッケージにしたいという感じなんで、セッティングを速く!速く!みたいな、出番もまだですか?みたいな感じです(笑)。
――あぁー、自分的にはいつもスタンバイ状態でテンションを上げているという感じなんですね。
梶谷:そうですね。レコーディングの日はかなりリズム録りの時も気合は入ってますね。
――じゃあ、気合を入れて望んだという感じなんですか?
梶谷:あんまり何回も叩かないんで、1曲で3〜4回やれば、自分の限界もわかってるんで(笑)、後、1回だけで一発録りみたいな感じでやった方が良いような曲もあったりするので、そういうところにいろいろ考えを置いて今回はレコーディングが出来たかなと思います。
――今回はその高揚感があふれ出るドラムを叩いてくれているということですよね。
梶谷:はい。
――では如人さんはいかがですか?
如人:曲のイメージをとりあえず大事にしようと思って、個人的にこう弾きたいって思うところも結構あったりしたんですけど、そういうことよりもKELUNとしての曲をより児嶋のイメージに近づけるようにだったりとか、雰囲気だったり、そういうところをなるべく大事にしようと思っていましたね。
――緊張とかは特になかったんですか?
如人:最初はすごく固かったんです(笑)。
児嶋:(笑)。
如人:児嶋に「お前、固いよ」って(笑)。
児嶋:もうずーっとベースしか見てないんですよ。
如人:アハハハ。
児嶋:もう一発録りやってる意味があんまりないみたいな(笑)。
やっぱりアイコンタクトしながらっていうのがあるじゃないですか。
――見てくれない(笑)。
児嶋:そう、ずーっとベース見てるんです(笑)。
うーん、ってやってるから、それだったら後でも良いだろうみたいな。
――(笑)、きっと最初だからすごく緊張していたんでしょうね(笑)。
児嶋:そうですね。でもすぐほぐれた感じですよね。
――お話を伺っていて思ったのはKELUNの楽曲を聴いていると勢いがあって、聴いているうちにこちら側も上がって来るんですよ。それっていうのは3人がライブ感とか上がっているテンションを大切にしているからなのかなと思ったんですよね。
児嶋:やっぱりやればやるほどだんだんとインになって来ちゃうんですよね。
それがすごく聴いている人にとって邪魔なフィルターになって来ちゃったりすると思うんです。
だからもう深く考えないうちに(笑)、熱いうちに打て!みたいな感じですね。
――例えば同じ曲で大好きでも100回くらい弾いてたら、確かに100回目はツライ感じはしますよね(笑)。
(一同笑)
児嶋:やっぱりなんかボロが見えて来ちゃうというか、やってて100%完璧な演奏って誰も出来ないんで、それよりもどこかがダメでも、ものすごい中心の核という部分がちゃんと出来てるテイクっていうのを選んでます。
――じゃあ、自信のあるテイクが選ばれている・・・。
児嶋:そうですね。
――ではアルバムの中で個人的に特にお勧めという曲をそれぞれ1曲ずつ教えて下さい。
如人:「クロニクル」ですかね。
児嶋:の、どこ?ベース?のどこ?(笑)
如人:Bメロ、2番の(笑)。
(一同笑)
児嶋:細かい(笑)。
如人:プリプロまでやってなかったフレーズを本チャンで、これは入れて良い?って急に言って。
児嶋:あれは良かったよね。
――じゃあ、そこが自信のフレーズなんですね。
如人:ポイントです。
――ファンの方はここを重点的に・・・。
如人:聴いてほしいですね。
――こんなに細かく指定をして頂いた方は初めてかもしれないです(笑)。
(一同笑)
如人:逆に言うとそれぐらいしかないかもしれない・・・(笑)。
――いやいや、大丈夫ですよ(笑)、では梶谷さんはいかがですか?
梶谷:「First Youth」の間奏のパーカッション的な・・・。
――今回はパーカッションにもトライしてるってことなんですね。では児嶋さんは。
児嶋:相反するという意味では「Isolation」っていう曲があるんですけど、それが「凛として時雨」の北島さんと一緒にやってるんですけど、すごい激しいっていう意味ではその曲のギターとか歌とか聴きどころかなとは思いますし、優しいっていうところでは一番最後の「SIGNAL」のアコースティック・バージョンとかはすごい歌い上げてる感じですね。
――この曲はミニアルバムの「Astral Lamp」にも入っていた曲じゃないですか、これをアコースティック・バージョンで入れたのはどうしてなんですか?
児嶋:これはアコースティック・バージョンとは書いてあるんですけど、アコースティック・バージョンっていう捉え方じゃないんですよね。
――そうなんですか。
児嶋:アコースティック・バージョンだったら、ほんとにアコースティックなバージョンじゃないですか。
じゃなくて、今回はピアノもストリングスも・・・それこそ壷とかね(笑)、いろんなのが入ってて、「SIGNAL」って実はすごく優しくて強い曲なので、こっちの方が表現出来てるんじゃないかなっいう気がして、それぐらいバンドの「SIGNAL」ももちろん良いんですけど、この「SIGNAL」は曲の核の部分を表現出来てるんじゃないかなと思って入れてみました。
――「SIGNAL」は個人的にもとても好きな曲なんですよね。
児嶋:ありがとうございます。
――では「Isolation」と「SIGNAL」ということですね。
児嶋:そうですね。
――このアルバムを通して一番伝えたかったメッセージはどんなことだったりしますか?
児嶋:このアルバムは本当にすごいバリエーションがあって、僕自身も自分の歴史みたいな感じなんですけど、特に後半の「Missing」っていうインストから「Schiele」って曲に行って「Isolation」、まぁ、「Isolation」なんかそのまま“孤独”っていう意味ですけど、そこが自分の中心のような気がするんですよね。
でもそれは僕だけじゃなくてたぶんどんな人もそうだと思うんですよ。
君は一人じゃないって思わないし、どんな人でも一人だと思うんですよね。
それはネガティブな意味じゃなくて、生きて行く前提としてのスタートラインだと思うんですよ、
そこから始まるというか。
このアルバムではそういう孤独感だったり、ある種、傷を負った人や、例えば人を信じるのがすごく怖い人の方が、もし自分のことを100%信じてくれる人がいたら、その人の価値が一番わかる人だと思うんですよ、逆に。
人と繋がったり、愛し合ったりとかっていうことの、本当の価値がわかるには、やっぱり孤独を知ってるからこそ、その価値、意味がわかるし、優しさを知ってるからこそ、切なくもなるっていうか。切ないっていう気持ちは優しさを持ってないとなれない感情だと思うんで、だからこのアルバムはそこですかね。
繋がることだったり、その感情を・・・ただ生きるために生まれて来たわけじゃないと思うんですよね。
その感情を知るために生まれて来たんだよってことを歌ってますかね。
――なるほど、KELUNの楽曲を聴いていていつも思うのが、激しくアジテートしているとか、こうじゃなきゃいけないんだっていう押し付けがないんですよね。でも聴いていると自然と元気になったりとか励まされるっていうのはKELUNの楽曲の特徴なのかなって思いますね。
児嶋:いろんなアーティストの方がいて、それぞれに担う役割って違う気がするんですよね。
僕らは今回のアルバムのいろんなタイプの曲は全部それぞれ自然に出て来たものですけど、その全部を吐き出した上で思ったのは、今回、「MONSTER」っていう曲だったりとか、
やっぱり切なくて暖かくて、それは露骨にバラードとか、そういう意味じゃなくて、激しいんだけど、今言われたようなことに近いのかもしれないんですけど、押し付けるんじゃなくてっていう、その自分達が課せられた、それぞれのバンドの役割っていうのがあると思うんですね。
このバンドの役割、こうやって世に出たのは僕達だけの力じゃないし、いろんな人に支えられて出てるんですけど、その僕達がどういう曲を誰かの為に提供出来るのかっていうのを考えた時に、なんかその部分が見えたような気がして。
いろんな楽曲を吐き出したからこそ、それが僕達の特色でもあると思うし、一番、武器でもあるということがわかりましたね。
――歌声とかにもぬくもりがあるんで、ハードなサウンドでも決してそっちに偏らないっていうのがありますよね。では今回のアルバムはどんな人達に聴いてもらいたいなぁっていうのがありますか?
梶谷:まぁ、中学生から高校生までの男子に(笑)。
児嶋:狭い(笑)。
如人:細かい(笑)。
――(笑)。
児嶋:僕はこの世に大人の人なんてこの世にいないと思ってるんですよね、全員子供だと思ってて。
――なるほど。
児嶋:強くあれてる人はいるんですけど、完璧に強い人なんていないと思うし、上手く言えないけど、違和感を持ってる人・・・なんて言うんですかね。
例えばみんなとこうやってバンドやるのももちろん楽しいんですけど、なんかこう自分はちょっと他の人と違うなって、それはちょっとした違和感というか。
僕自身が持っていた感覚ではあるんですけど、人より劣ってるとか、優れてるとかっていう意味じゃなくて、何か違うという感覚が誰にでもあると思うんですよね。
人それぞれみんな違う人間だから、違って当たり前なんで、違うんだけど上手く言葉に出来ないって思ってる人は聴いてもらいたいっていうのはありますね。
――引っ掛かりとかを何か心に抱えてたりとかっていうことですかね。
児嶋:僕自身、音楽って尾崎さんもそうなんですけど、上手く言葉に出来ない気持ちだったりっていうのを、なんでこの人こんなに僕のことをわかってくれてるんだろうっていう、感覚だったんですよ。
その方がよっぽど表面的に一人じゃないって言われてるよりも、よっぽど一人じゃないっていう感覚なんですよ。
だからそういう存在としてのアルバムになれば良いなと思ってますね。
――それって例えば歌で君は一人じゃないよっていうのはよくあるんですけど、それって何を根拠に一人じゃないよなの?っていうとこですよね。
児嶋:そうなんですよ。むしろ一人だって、一人だからこそ今、側に居てくれる人に感謝出来るんじゃないですか。
だって一人が前提だから、今、誰かが側に居ることが奇蹟みたいなものだし。
むしろそっちに近いのかもしれないですね。
――日常生活、小さい不満はあってもトータルは幸せに暮らしていて、でも心の中でちょっと引っ掛かりを持ったまま生きていて、そこでKELUNの作品を聴いた時に、そうそう、こういう感じよねっていうところなのかもしれないですね。
児嶋:そうですね。このアルバムを聴いてそうそうって思ってくれたら一番良いかなって。
個人の心の奥の気持ちというか感覚っていうのはなかなか共鳴しづらくて、だけど音楽ってそこで共鳴できるものだったりもするから、だからそういう役割になれれば良いなと思うんです。
――リリースされてみなさんの手元に届くのが楽しみですね。
児嶋:そうですね。
――如人さんはいかがですか?
如人:臆病になってしまっていて、行動出来なくなっちゃってるような人に聴いてもらいたいですね。
背中を押してくれるような曲が多いので、いろいろ悩んでしまって動けなくなったりとかっていう人って、やっぱり僕もそうですし、そういう時ってみんな結構たくさんあると思うんで、そういうのでアルバムを聴いてもらって、行動できるようになってくれたら嬉しいなと思いますね。
――きっとアルバムが届いた時にそういうリスナーがたくさん増えてくれてるんじゃないかと思いますよ。ではアルバムの話とはちょっと違うんですけれども、他のバンドにはないKELUNならではの強みはどんなところだと思いますか?
児嶋:そうですねー、疾走感だけだったらもっと疾走感のあるバンドはあるし(笑)、でも今回のアルバムでそれを多少出せたかなと思うんですけど、僕らは今回、インストの曲とかもあるんですけど、心の本当の奥の部分まで入って行けるような音楽だと思うんですよね。
押し付けるわけじゃなくて、もっと音楽もどんどん速く変わって行くし、流行り廃りもあるし、チャートも毎週違うけども、でも僕らのは一生聴けるアルバムを作ってると思うので。
――個人的にはミニアルバムは「Astral Lamp」はもう一回聴きたいと思わせられるアルバムだったので、この「KELUN」という1st アルバムにとても期待をしているんですよね。
児嶋:ありがとうございます。きっと期待に添えるものになったと思います。
――みなさんにもそんなふうに大切に聴いてもらいたいですね。
児嶋:そうですね。リリースされたら僕らの手を離れるから、旅のお供に持って行ってくれると嬉しいなと思いますよね。
――そうですよね。
児嶋:僕らの場合は音楽の役割を超えた音楽、いわゆるBGM的な役割を超えた音楽であるっていうところですね。
――そういう音楽を奏でるバンドであるっていうことですよね。
児嶋:それはもちろん僕達だけではないんですけど、僕は本当に大好きな音楽がいっぱいあるんで、でもそれらって本当に押し付けるんじゃなくて、自然に心の奥の奥までそっと触れてくれるっていう感じなんですよね。
今回のアルバムはそういうアルバムになったと思うし、そういうことが出来るバンドだと思っています。
――児嶋さんの声っていうのはそういうところにすごく役割を担っているんじゃないかなっていう思うんですよね。
声質っていうのもすごく恵まれているものがあるなという気はしますよね。
児嶋:ありがとうございます。
如人:基本的に演奏は攻撃的な部分が多いんですけど、でもその中にも優しさだったり、切なさだったりみたいなものがどの曲にも散りばめられていることですよね。
――確かに攻撃的なサウンドっていう意味で見たら、恐いバンドかなって思っても良いくらい激しかったりするんですよね。
児嶋:そうですよね。なんかやっぱりパーソナルな音楽っていうんですかね、一人のための音楽というか。
――個人個人に向けての。
児嶋:うん、そうですね。だからそんなに恐くしても意味が無いみたいな(笑)。
――そうですよね(笑)。でもその優しさっていうのは大切だし、稀有なものだと思いますよね。
児嶋:切ない気持ちだったり、優しさを持ってないと、優しさの次にある感情じゃないですか、人を想うからこそ切なく感じるんだと思うんですよね。
そういうところが描ければ良いなと思いますね。
――キチンとそこを踏まえてわかって作っているというところですよね。そこがブレてないんでしょうね。では少し音楽以外のお話を伺おうと思うんですけれども、最近、音楽以外でハマっているものはありますか?
児嶋:まぁ、2人は「モンスターハンター」でしょうね。
梶谷:モンハン(笑)。
如人:(笑)。
――児嶋さんはやってないんですか?(笑)
児嶋:僕はね、乗り遅れてやってないんです。
――そうなんですね(笑)。
児嶋:なんか今更ねぇ、みたいなのがありますよね。
梶谷:今からやっても全然ね。
児嶋:今からやって2人を越せるっていう確信がないとイヤなんだよ(笑)。
梶谷:アハハハ。
――今、本当にモンハンをやっている人は多いですよね。
児嶋:やってますよね。でもね、なんか目的がないじゃないですか。
そういうゲームってどうなのかなっていうね(笑)。
梶谷:「どうぶつの森」みたいなものだよ、なんか部屋を作ろうみたいな。
児嶋:「モンスターハンター」もいずれモンスターだらけになっちゃうよ。
――ジェラシーが入ってますね(笑)。
(一同笑)
――お2人はモンハンで良いんですか?もう勝手に言われちゃってますけど(笑)。
如人:はい。
梶谷:全然、全然。
――楽しいのかもしれないですね・・・。
児嶋:そうですね・・・。
――児嶋さんはいかがですか?
児嶋:僕はついこの間までは「エヴァンゲリオン」だったんですけど。
――映画の方ですか?
児嶋:全部です、初めて見たんで。
――そうなんですね。
児嶋:でもひとしきりエヴァが終わって、今は映画ですかね。
ライブの合間に映画を見に行ったりとかして、久々に映画館に行くと良いなと思って。
――やっぱり違いますよね。
児嶋:違いますよね。
――最近見た映画は何ですか?
児嶋:「スカイ・クロラ」とあと「ハプニング」です。
「スカイ・クロラ」は珍しくメッセージが明確で、同じような毎日でも必ず何か変わってる、だから死ぬなみたいなメッセージだと思いますね。
――では映画を見ることにハマっている・・・。
児嶋:そうですね。
――ではみなさんにそれぞれお勧めのアルバムを1枚紹介していただけますか?
如人:シガー・ロス。
児嶋:新譜?
如人:うぅん、前の。「()」です。
――どんな感じでお勧めなんですか?
如人:なんか・・・死んだら掛けてほしいみたいな感じなんですよ(笑)。
自分が死んだ時にずーっとエンドレスで掛けてくれれば。
児嶋:確かにレクイエムっぽい感じはするよね。
如人:寝る時とかも良いですね。
――シガー・ロスの「()」ということで。
如人:はい。
――では梶谷さんはいかがですか?
梶谷:僕はザ・ミーターズの「Cabbage
Alley」がお勧めです。
でもテンションを上げるんだったらパンテラかな。
――なるほど、ではその2枚がお勧めということで。
梶谷:ぜひ。
児嶋:僕は今回のアルバムもそうなんですけど多大に影響を受けてるだろうなってモロわかるのが、スマッシング・パンプキンズの「メロンコリーそして終わりのない悲しみ」っていう2枚組のアルバムなんですけど、これがまたバリエーションに富んでて、そのアルバムを聴いて、今回のアルバムを聴くと、あぁ、すごい影響を受けてるんだなっていうのがわかると思うので、面白かなと思います。
――聴き比べとか。
児嶋:うん、そうですね。
――では今後、どんな作品を作って行きたいなと思いますか?
児嶋:今回、ギターとベースとドラム以外の楽器を結構使ってみたんですよね。
僕が個人でやっていたものをバンドに寄せて今回やってみたっていう感じなので、もちろん衝動性のある曲も書いて行くんですけど、そんなこだわらなくても良いかなって思ってて、今回、COLDPLAYの新譜「美しき生命」がすごい良かったんですよね。
COLDPLAYの新譜もブライアン・イーノという人がプロデュースしてて、U2のプロデューサーなんですけど、すごく空間的なアプローチが上手くて、ほんとにもうバンドサウンドではないんですよね。
でもすごいスケールがデカくて、あぁ、良いなと思って。
もちろんたぶん楽器は変わらないですよ、ベースとドラムっていうのはどんなジャンルも、無くてはならない楽器なんで、まぁ、上物としてギターを弾かないかもしれないし、そんなこう・・・ロックに捉われないで、スケールがデカくて切なくて優しい曲っていうのを書いて行くことになると思います。
――楽しみですね。ではバンド、KELUNとして今後、挑戦してみたいことというのを教えて頂けると。
如人:来年はフェスに出られるぐらいの位置にいられるように、より高みを目指して行きたいなと思います。
――なるほど来年が楽しみですね、それでは最後に児嶋さんに締めて頂こうかなと思います。
児嶋:このアルバムは、伝わらないだろうなみたいに思ってると、こんなに曲数は入れないだろうし、僕らはいずれ死にますけど、このアルバムはその後にも絶対に聴いた人にはすごい強い存在となって、その人にずっと寄り添ってくれると思うんですよ。
それぐらい大きい作品が出来たと思うんで覚悟して(笑)、聴いてほしいなと思います。
心の扉を開いて聴いてくれても絶対、裏切らないアルバムだから、怖がらないで扉を開いて聴いてみてと思いますね。
――ありがとうございました。
KELUN:ありがとうございました。
(text by takahashi)