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柴田淳
「春」と言えば出会いと別れの季節。
今までの慣れ親しんだ環境に一区切りを付けて新しい世界へと旅立って行く。この春、まさに新生活を始めたばかりという人もたくさんいるだろう。柴田淳からそんな季節に相応しいニューシングルが届けられた。

そのタイトルは「花吹雪」。

変わり行く気持ちを知りつつも、大切な想いを胸にそれぞれの道を歩いて行く、惜別の別れのシーンを描いたこの作品は、切ないながらも未来への希望を予感させてくれる一曲となっている。

柴田淳自身もまた新しいスタートを迎える記念すべき作品となった今回のシングルは、今までの柴田淳の作品とは少し色合いが違うように思える。作品に登場する人物が皆、前に向かって歩み出そうとしているのだ。それは柴田淳自身の心情が作品に深く反映されているからなのだと思う。

彼女は作品に嘘をつくことが出来ないアーティストだ。だからこそ彼女の作品は信じられるし、作品に対して正面から向き合わなくてはと思わされてしまうのだ。

リスナーは彼女のことを信じて良い、いつだって彼女は不器用過ぎる位、作品に正直だ。
そしてそれはこれからも変わらないのだろう。

心機一転、顔を上げて晴れやかな表情で歩き出した、彼女の新たな一歩を見守りたいと思う。


花吹雪 [DVD付初回限定盤] 花吹雪 [DVD付初回限定盤] 柴田淳
発売日: 2006/04/19 | シングル CD
販売終了(購入不可)
1540円(税込)
花吹雪 [通常盤] 花吹雪 [通常盤] 柴田淳
発売日: 2006/04/19 | シングル CD 試聴あり
販売終了(購入不可)
1210円(税込)

★柴田淳 オフィシャルサイト★
http://www.shibatajun.com/

◆柴田淳 プロフィール◆

1976年11月19日生まれ、東京都出身、さそり座、A型。
幼少の頃よりピアノのレッスンを受ける。

高校に入学し、シングライクトーキングの「離れずに暖めて」で、勉強のクラシック音楽ではなく、音を楽しむポップスの音楽に目覚める。
後に、佐藤竹善氏のラジオで紹介されたピアニスト・塩谷哲氏の「LIFE WITH YOU」を聴き、 この人と同じステージに立ちたい!一緒に歌いたい!と、ここで初めて音楽の聴き手から 送り手になりたいと思うようになる。

2001年10月のデビュー以来、透明感のある歌声と印象的なメロディー、そして言葉を大事にする繊細な歌詞の織り成す世界観が、聴く人の心を掴んで離さない。

そしてCHEMISTRYの2ndアルバム「Second to None」に収録された「月夜」に歌詞を提供、作家としても活動を開始すると共に大きな注目を集める。

また、繊細で印象的な芯のある声にTVドキュメンタリー番組でのナレーション依頼が来るなど、その活動範囲は音楽だけに留まらない。


柴田淳特集
☆柴田淳 インタビュー☆

――今回はオリジナルとしては久々のリリースなんですよね。

柴田:そうですね、はい。

――聴かせて頂いて、ちょっと泣きそうになってしまいました。(笑)

柴田:ありがとうございます。(笑)

――「Single Collection」などを聴かせて頂いたんですけど、今回の曲は主人公の人達が顔を上げている感じがしますね。

柴田:そうですね、それは自分自身もすごく思ってて、お家にいて窓の外をちょっと見てたのが、窓辺に行くようになって、窓から顔を出すようになって、外に出たいなと思うようになって来て、ようやく今、外に出れたかなっていうような。
女の子だったら洋服とかメイクとか必ず興味を持つじゃないですか、でも私、本当に全然興味がなかったんです。

――そうなんですか。

柴田:もう全く興味なかったんです。だからこの仕事をしていて一番大変なのは、たくさんの人に会うので洋服に気を使わなきゃいけないっていうところなんですね。
全然ファッションを勉強して来なかったのでわからなくって、そこで苦労は今だにしてるんですけど。

――意外な気がしますね。

柴田:いやー、もうスタッフに支えられてビジュアルがあるみたいな。(笑)

――(笑)

柴田:ほんとそんな感じなんですけど、それが今は自分でお買い物に行きたいと思うようになったりとか、メイクを勉強してみたいとか、例えばボディミルクにしても薔薇の香りが好きになって集めてみたりとか、なんかものすごく女性らしくなって来たなっていうか。
そういうのがあるのでたぶん自分自身が顔を上げて来たんだろうなって思って来ましたね。

――何かきっかけは何かあったんですか?

柴田:今回の作品からスタッフや制作環境を変えたっていうことはやっぱり大きいと思うんですけど、この二年程の間に孤独を感じてしまったりとか、歯車が合わなくなってしまった時期とかっていうのがあったので、そのためにどんどん落ちて来てしまって、このままでいたら終わってしまうなと思ったんです。

でもそれを決断したことによってどんどんプラス思考になって来て、新たなスタートを切ろうっていう思いから私の内面も変わって来たのかなとは思いますね。

――実はこれはお聞きして良いのか迷ったんですが、柴田さんの活動を見てて何年か前から元気がないなって思ってたんですね。

柴田:自分自身も感じてたし、曲にも出てましたしね。
何か出しっぱなしというか、「はい、出しました。」みたいな、そういう環境もやっぱり辛くてだから悪循環ですよね。

だから「白い世界」のように究極の精神世界のどん底みたいな、真っ白になっちゃった世界まで書いてしまったような感じなんです。
私の中では嘘だけは歌いたくないと思ってるんですね。

だから私としては辛い時に楽しい曲を無理矢理書いて歌う意味は感じなくて、そうなるとその時の私の等身大を伝えるのが嘘をついてないということであって、しかもそれを聴き手が受け止めてくれたら、そこでようやく「あぁ、これで良いんだ、このままで良いんだ」っていう勇気をもらったりも出来るし、みんながそういう等身大の私を受け止めてくれることで自分を保ってたところがすごくあるんです。

この私でも良いかな、あぁ、まだ受け止めてくれた、これでも良いんだって思って、回りのファンに自分の存在を確かめてたっていうか、そういうところまで落ちてたり。

そういうことで自分を表現して来たので、どん底に落ちたらどん底の歌を書いて(笑)、だから私はある時から元気なく感じたっていう感覚っていうのは、私の気持ちがちゃんと伝わってるってことなんだなって思って、別に隠すことでもないし、ちゃんと私の等身大の思いが伝わってるってことでうれしいことですね

――シンガーソングライターだからっていうのはありますよね。シンガーソングライターって、ある意味、生き様を見せて行くっていうところがあると思うんですよ。

柴田:そういう人でありたいです。シンガーソングライターでも生き様を見せる人と、そうではない職業的に書き分けられる器用なタイプも人の方もいらっしゃると思うんだけど、本当はプロとしてそうじゃなきゃいけないのかなとは感じながらも、出来た試しがないんですよね(笑)。

――(笑)。

柴田:ありのままを良いって言ってくれてるファンで支えられていたりもするので、「ごめんなさい、暗い時は暗い曲しか書けないんだけど、良かったら聴いて」みたいな、そういう感じで無理なく今後もやって行けたらなぁとは思ってて、アップテンポが少ないっていつも言われるんだけど書けるまで待っててみたいな(笑)。

言い訳じゃないですけど、私はファンとの距離をものすごく近く感じてて、みんなも他のアーティストの方よりも近くに感じてくれているみたいで、友達だと思ってるようなファンも多いんです。

でも私はそれで良いと思ってるんですよね。

ステージと客席って遠いなって私はすごく思ってて、みんなは1日でも早く柴田淳の曲を聴きたいって言ってくれるんだけど、私はみんなと個人面談したいみたいな(笑)、ほんとにみんなと喋りたいって思ったりとかするんです。
ありのままを見せすぎちゃってるかなっていうところはちょっとありますけどね。

――でも良いんじゃないですかね、そういう人がいても。

柴田:「良いんじゃないですかね。」って言ってもらうしかないんですけど(笑)、でもそれが柴田淳かなって。
それがイヤだったらイヤで良いし、楽しい曲を聴きたいんだったら楽しい歌を歌ってる人を聴いてもらえば良いし、私は等身大の自分しか書けなくって、今の私を表現しますというアーティストで、そういうのが聴きたくなったらまた聴いてみたいな、それで良いかなっていうかね。

――この人も自分と一緒なんだって思ってもらえる感じで良いと思うんですよね。

柴田:私のセカンドシングル「それでも来た道」なんか「頑張らなくていいのよって 言ってくれないか」ってフレーズがあるんですけど、「頑張れ」って重いんですよね。

「もうー、頑張ってんだよー」って、だから私自身そう思うし、今の世の中、頑張り過ぎてる人達ばっかりなので、私としては一緒に落ち込むのではなくて、一緒にわかり合うというか、そのままで良いんだよっていうふうに、「そうだね辛いね」とか、「わかるよ」っていうか、一人じゃないんだっていうことで勇気づけられたらと思うんです。

私も一緒だよっていうことをいうのが精一杯というか私自身も「私も一緒だよ」って言われることによって、一人じゃないんだっていうことで乗り越えられて来たことが多いので、「北風と太陽」じゃないけど頑張れ頑張れって言われて乗り越えるよりは、押してダメなら引いてみろじゃないけど、押せ押せだけが勇気づけることじゃないんじゃないかなっていうのがありますね。

――確かに頑張れ、頑張れって言われると余計に・・・。

柴田:そう、もっと辛くなるっていうか。だから例えば他のアーティストさんのインタビューとかでよく見るのは、やめたいなと思った時に「やめれば」っていう一言を言われて続けられたっていう人がいたりとか。

なんか極端ですけど、「やめたいんだったらやめれば。やめるのはいつでもできるんだから」って言われたことで、「やめるんじゃない」とか言われるんだと思ってたのが、逆のこと言われて吹っ切れたとか、そういう効果ってあると思うんですよね。

それを狙って言ってるわけではないし、人を励ませるほど出来た人間でもないけれど、私に言えるのは「あなたがどういう人間なのかは分からないけども、少なくとも私はこういう汚いところも持ってて、こういう弱いところも持ってるけど、こういう風にやって来たっていうのを見せることだけで、何か得るものがその人にあれば良いんじゃないかな」ということ。

私もそれで勇気づけられるし、自分のありのままの姿を見て誰かが救われたってことはすごい自信に変わるし。そうやって回って行ければ良いと思うんですよね。

――たぶん、今になってみたらそういう時期があるから、今、こういう歌が書けてるんだろうなと思うんですよね。

柴田:そうですね、紹介文の中に「今、すごく幸せなんです」って書いてあるんですけど、本当に辛かったというか一人ぼっちでやらなきゃいけなかった時期っていうのがあって。
でも辛いことはあったけれども、それがあったからこそ今、恵まれているってことに対して、本当に恵まれていると実感出来るようになったし、今のスタッフに出会えたことがものすごく私は奇跡のように感じてるんです。

だからこの人達のこの情熱というか、こうやって愛してくれてる気持ちを消しちゃいけないと思って、一つ一つを感謝出来るっていうか。
それをすごく感じてて、でもそれを感じられるようになったのはいろいろな経験があったからで、無駄ではなかったなとは思いますね。

――今回の新曲を「花吹雪」を聴いて、卒業を思わせる曲でもあるんですけど、10代じゃなくて大人でも卒業ってありますから、大人の人達にとっての卒業というか別れみたいなのも投影出来るななんて思ったんですよね。

柴田:そうですね。「君より大事なことが増えて、会わなくなる日がきっと来るだろう」ってわかるようになったのは、やっぱり私自身が大人になってからで、高校から大学に行く時は、「また会おうね」とか、「月一で会おうね」とか言いながら、自分自身も何もしなくって、相手からも何も来なくって、それに対して「なんだ口だけじゃん、社交辞令じゃん」って思った時はあったんだけど(笑)、自分のことは棚に上げてね(笑)。

――(笑)

柴田:でも大学の時は卒業式を迎えて就職とかでみんなバラバラになった時は心の中では「もう会わなくなるんだろうな」ってわかっていながらも「また会おうね」って言う切なさというか、自分のことで手一杯で忙しくなって「元気?」とか「久しぶり」とかそんなことさえ交わしてる暇さえなくなる時が絶対来るんだろうなって思いながら「またね」って言ってるお互いが切ないって、もう悟ってましたね。

いつでも会えるって言いながらも、社会に出てしまうと近くに住んでるのに何年も会わないとかってことが多いじゃないですか。そういうことを悟った別れを書きたかったんですよね。だからこの曲の詞の意味は大人の人の方がわかりやすいかもしれない。

「君より大事なことが増えて 会わなくなる そんな時が いつか来るのだろう・・・」っていう感覚は、中学生とかはわからないかもしれないですね。

――確かに思ってなかったですね。中学の時は卒業しても絶対に会うって思ってましたよね。

柴田:そうそう、なのに全然連絡来ないでさー!みたいな(笑)。自分自身も今の生活の方が楽しくなって来ちゃって、どんどん忘れて行っちゃうっていう卑怯さ(笑)。

――(笑)

柴田:昔の友達より新しい友達といる方が楽しくなっちゃうってかも、とは感じてたとは思うんだけど、ここまでは予想してさよならはしていなかったと思うんですよね。

――例えば久しぶりに会っても話が合わなかったりするんですよね。

柴田:そうなの、そういう経験があるからそういうふうに思ったんだと思う。
会話が合わなくなって来るんですよね。
この曲はその距離感っていうのも感じてる別れだと思うんですよね。

――そこが大人だからわかるのかなって思ったんですよね。

柴田:もし変わって行っちゃったらごめんねみたいな。
でも今は本当にあなたのことが大事で別れが惜しいっていうか、今のその気持ちは嘘じゃない。
だけど悲しいかなほんとに変わって行っちゃうんだよねっていう、そのことをわかってる「さよなら」。

――わかってるから今日だけ泣かせてって言うのかなぁって。

柴田:そうなの、その通りです!(笑)

――でもこの曲に出て来る人は決して後ろだけを見てないから、切ないけど清々しいなって思ったんですよね。

柴田:いつの日か、自分のことで手一杯になってしまって、仲の良かった友達と会えなくなった時に、「悲しいな」とか「寂しいな」って感情がなくなって行くんだろうなってわかってるんだったら、今日思いっきり泣けば良いじゃんみたいな。
今こんなに思えるんだったら、今その気持ちを噛み締めようみたいな、そういう感じです。

――曲を作る時はあらかじめこんなふうにしようって考えて作ったりするんですか?

柴田:出たとこ勝負なんです(笑)。こういう曲が出来ちゃったみたいな。その時のこういうモードの曲を作ろうと思っては作れないんだけど、出来た時にその曲はどういうモードなのかはもう決まってて、例えばこれは恋愛の曲が作れちゃったみたいな。つまり出来た時に曲の個性は決まってるんです。
だからこういう個性の曲を書こうと思って書いてるわけではなくって、出来たらこういう個性のものが書けたっていうのであって、恋愛の曲を書こうと思って書けるわけではないですね。

――じゃあ、自然と出て来た結果なんですね。

柴田:そうですね。

――それって根っからのシンガーソングライターということですね。

柴田:いやー(笑)、「たまにはアップテンポの曲が聴きたい」ってファンにもう耳にタコが出来るほど言われるんだけど(笑)、作れるまで待っててって感じ。

――なるほど、でも自然に出て来る時をファンの方はゆっくり待ってくれるんじゃないですかね。

柴田:はい、ファンに理解を求めるシンガーソングライターですね(笑)。
本当に私はファンの人に支えられていたからこそ色んなことを乗り越えられた来たと思うんですよね。
ファンの人がいなかったら終わってたかもしれない。で、ファンに言い訳するシンガーソングライターなんです(笑)。

――(笑)

柴田:ほんっとに言い訳しまくってそれを理解してくれる優しいファンの皆さんが今、支えてくれてる。
この人達がいたから柴田淳は今までやって来れたっていうのはすごい感じてるので、お客様は神様ですってよくいうけどほんとその通りだなと思う。

「ちいさなぼくへ」っていう曲を書けた時に、私は曲をリリースしないとこの世に存在してないと思ったんですよね。
もう柴田淳が消えちゃう・・・って思った時に、ほぼ毎日がシンガーソングライター柴田淳で生きて来たので、プライベートの柴田淳はいなくなっちゃってて。

この仕事をしてるとプライベートと仕事の境目ってないじゃないですか、身の回りの全てのものが資料であって、材料であって財産であって。
なので柴田淳がなくなっちゃったら、プライベートの柴田淳はどこにいるんだろうって思った時に、もう存在していないのと一緒だと思っちゃったんですよね。
柴田淳が忘れられちゃったら、柴田淳は死んじゃってるのと一緒だと思って。

死にたくないー!と思って動き出したんだけど。
だからこそファンにすがったというか、だからこそあの時からずーっとファンに会いたくってね。もう誰よりも柴田淳を知ってるのはファンだったので。
自分自身をさらけ出して日記も書いてたし、歌も作ってたので、今、しばじゅんがどういう状況にいるってファンが一番見抜いてたんですよね。
ほんとに支えてもらっていたというか、それを受け入れてくれたなんて信じられないですよね。

どん底でも見捨てないでいてくれたっていうのが、感謝してもし切れないというか。
だからこそマイペースに、そしてありのままに自分の思った音楽を書くのが恩返しだと本当に思ってるんです。

――ファンにとってはCDを出してくれることが何より嬉しいんじゃないですかね。

柴田:とにかくやめないで欲しい、ってファンは思ってくれてるみたいなので。
デビュー当時から「私の曲を一人でも聴きたいと思ってくれる人がいる限りずっと歌い続けていきたい。ほんとに耳を傾けてくれる人がいる限り、歌わなきゃいけない」って思っています。
それが責任かなって。

――続けてもらえればファンは一番嬉しいですよね。

柴田:そうですね。もちろん売れないと続けられないんだけど(笑)。
でもやっぱり40、50、60歳になっても歌ってる人っていうのは、やっぱりそれなりに続けて来れるだけの魅力とパワーと才能があるからだと思うので、それを目指したいですよね。

――まだまだこれからじゃないですか。

柴田:そうですね。まだまだこれから。
もう満4年、5年目を迎えてるんだけど、私の中ではまだ何も始まっていないので、まだウォーミングアップ中(笑)みたいな感じなんですけど、今までたくさんの作品をリリースして来ましたけど、この先、新しく柴田淳のファンになってくれた人にとっては、昔の曲も全部が新曲のように感じてくれるわけじゃないですか。
たぶん聴きごたえたっぷりだと思うんですよね。

後は良い意味で時代を無視した、悪い意味で時代に付いて行けてない(笑)音楽なので、あんまり昔の曲を聴いても古臭さとか感じないと思うんですよ。
だからマイペースにやって行けたらなと思ってます。

――人と同じ速さじゃなくても良いんじゃないですかね、自分に合ったペースで。無理やり走っても、走れないってなっちゃうから。

柴田:うん、そうですね。何で人のペースに合わせなきゃいけないのかなって風に思って来ちゃうと思うし。

――今回、一つ波は越えたのでこれから力を付けていく機会なんじゃないですかね。一回、ドンと転んじゃって立ち上がった時の方が強い気がするんですよね。

柴田:そうですね。なんか何が起きてもビックリしなくなったっていうか。ヒットしたらビックリするかもしれないけど(笑)。

――(笑)

柴田:どん底の部分に関してはもう経験済みなので、もうビクともしないというか、どう起こってもそれに対処出来るようになったのは強いて言えば強いですよね。

――たぶんそのことを経験する前の柴田さんと今の柴田さんは絶対違うと思うんですよね。歌にもそれが表れてる気がするんですよね。
カップリングの「ひとり芝居」の方も、すごい好きだけどどうしようって思ってるじゃないですか、でも前とはちょっと違うんですよね。

柴田:実はデビュー前に作った曲なんですよ。
歌詞は今回大幅に書き直してるんですけど、メロディーはその時のものを使ってるんです。
昔の曲だけど詞をリメイクしたことによって今の私が新たに入っているので、それは良かったなぁと思うし。

本来はデビュー前に作ったストックの曲っていうのは、もう詞と曲がくっついてて思い入れも強くって使いづらい曲なんです。本当は今作ったのを今出したいっていう気持ちがあるんです。

でも今回は「花吹雪」っていう曲に対してカップリングをどんな曲にしようかって結構悩んで昔の楽譜をパラパラめくった時に、これを持って来ようかなとかって思ったんです。なぜこれを選んだのかが、ちょっとよくわからないんだけど、でもそういうデビュー前の曲っていうのは、今かなって思う時しか出したくないって思ってて、それで持って来たんです。
ちょっとはっきしりない女々しい(笑)、女っぽい曲なんですけど。

――(笑)、でも聴いててこの曲の主人公はもしかして会いに行くのかしらって思いましたけどね。

柴田:結局は会いに行かないのかもしれない。わかんないんだけど(笑)。

――えー、そうなんですか?(笑)

柴田:私自身、今すごい前向きになって来ている。
なんかプラスに考えられるようになったというか、下ばかりを向いてたのがやっと前を向けるようになったっていうか。
そういうモードで書いたから、もしかしたらウジウジしてるかもしれないんだけど、この人これで終わんないだろうなっていうふうなそういうニュアンスは出てるかもしれないですね。

――この歌の中ではこの人は私、これで良いのって言ってないじゃないですか。

柴田:あぁー、そうかもしれない。

――昔の詞だとこれで良いのよって歌っちゃってるところがあって、きっとこの人は行かないのかなって思う感じだったんですけど、新しく書いた詞の人はテンションが上がってるじゃないですか、やっぱり好きって思ってるから、もしかしたら行くのかなと。

柴田:うんうん、だから別れてないよねとかこのまま終わりじゃないよねっていう、危機感がどんどん大きくなってることは、気持ちが強くなって来ているっていうことだから、行くのかもしれない。

――もしかしたらドンって行っちゃうかも。どうする?って思ってる感じなのかなんて思って聴いてたんですけどね。
何となく自然に出て来てるけど、ベクトルは自分の中で意識せずプラスに向いてるのかもしれないですよね。

柴田:そうですね。曲を作ってこうやってインタビューを受けて、この曲はこういうふうに感じましたって言われて初めて今の自分を知ったりするんですよ。
あぁー、そういう歌なんだとか、あぁーそっか、この曲はこうだったんだとか(笑)、自分で書きながら結構気づいてなかったり、ありのままを書いてると鏡を見ているわけじゃなくって、自分と同じなのでよくわかんなくって人に言われて初めて気づくみたいな。
自分の欠点とか良さって人に言われて初めて気づいたりするじゃないですか、それと一緒で人に言われて初めて、「あぁ、この曲ってこういう曲だったんだ」って、自分で感じたりするので。

――理屈で作ってるからじゃなくて、自然に出てくるからわからないんでしょうね。本当の自分って鏡でも見れないし、写真もほんとの自分とはまた違うから。

柴田:うんうん、時間が違うし、そうかも。

――ってことでしょうね、分身だから。

柴田:うん、そうなの。それが言いたかったの!(笑)

――(笑)、いつも楽曲を作る上で大切にしてることは何かありますか?

柴田:やっぱり期待されたりすると自分の感覚が消えて、理屈とか計算が入った曲を作ってしまったりすることがあって。でもそういう曲って歌っていてつまらなくって魂が入らないんですよね。

本当に等身大の自分を出すって邪念を振り払って無になって初めて作れるんです。
だからありのままで自分の感覚が研ぎ澄まされてというか、自分の感覚のところまでモードが辿り着いてそこで出て来たものがヒットしたら、自分自身を評価されたと思えるから、すごい充実感を得ると思うんです。

とにかく自分を見失わないでありのままを表現するっていうことと、嘘をつかないっていうことと、自分の感覚で作るっていうことを大切にしています。

――それってでも勇気がいることですよね。自分をさらけ出すって怖いことじゃないですか、もしかしたらドロドロしてイヤな面を見せちゃったら、嫌われちゃうかもしれないっていうのがあると思うんですよ。でも柴田さんはきっと正直に作っちゃうんだろうなって思うと。

柴田:例えば恋愛の曲で相手に言いづらいことをストレートに、例えば「もっともっとあなたを愛せるなら、もっともっとあなたを愛せるのに」みたいな。そういうのって女性にしかわからないと思うんだけど、ジュディ・オングさんの「魅せられて」って曲があるじゃないですか。「あなたの腕の中で、違う人の夢を見る」っていう、まさにあれと一緒だと思うんだけど、あぁいう女の毒を書けた時って、ものすごい手ごたえ感じるんですよね。

例えばそれをカップルが車の中でそれを聴いて、「ヤバイ、私の気持ちだ」って思って気まずくなったりとか、「えー、これってどういう意味だろう」って、フッと彼女を見ちゃうとか、なんかその曲を聴いて気まずくなったりとかしてしまったら、シメシメって思うというかね(笑)。

やりたいことが出来たというか、ものすごく充実感を感じてしまうというか、そのぐらい毒のある歌を歌いたいとは思う。

――(笑)

柴田:なんかドキッとさせたりとか出来たら、ヨッシャ!って思う。私がどう思われようとどうでも良くって、そこでみんなをドキッとさせられた時に充実感を得るかな。
そういう歌を書いて行きたいです。

――それって本音というか自分の中から純粋に出て来たものだから、きっと聴き手も引っかかるんですよね。

柴田:そう、自分が認めたがらないところを言われちゃったりとかしたら、たぶんみんなウッ!って気づくと思うんですよね。
そういうふうになれたら最高ですね。

――楽しみですね。柴田さんにとって歌を作るっていうのはどういうことを意味するんですか?

柴田:そうですね。「ちいさなぼくへ」の時に感じたように、ありのままの私を歌で表現して、それを受け入れられることで自分を保ってるというか、これでも良いんだって存在を確かめてるので、歌わなくなっちゃったら、私はどうなるんだろう?って感じ。
だから歌は生きている手段じゃないけど、私、存在してて良いよね?っていう、存在意義を確かめる手段っていうか。
そのぐらい重いかも。

ありのままの自分をさらけ出せる場所が唯一あるのは歌なんですよね。

いつもはキャーキャーしてるんだけど、歌で自分のありのままを表現して受け入れられたことで、良かった自分が認められてるって思えるんですよね。
だからよく歌と本人が全然違いますねって言われたりするんだけど、どっちも私なんですよね。

だからこっちが嘘でこっちが本当ですっていうわけじゃないんだけど、やっぱり本音をなかなか喋れなかったりするので、歌を歌うことで自分の意見を開放しているというか、そういう感じですね。

――それでは柴田さんにとっての宝物を教えて頂けますか?

柴田:うーん、私のこと愛してくれる人、全て。親とか友達とかファンとかも全部含め私を好きだって言ってくれる人は全部宝物。
その人がいないと生きて行けないから。

――なるほど、今後はどんな作品を作って行きたいと思いますか?

柴田:私の邪念を取り払ってありのままの感覚を信じて、自分の心に耳を澄ませて、とにかく自分の感覚で書いて行くようにしたいです。

――それでは最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。

柴田:今までの柴田淳を聴いて来たファンの人も、これが初めましてっていう人でも、そのままでいてほしいというか、聴きたい時に柴田淳の歌を聴いてくれればそれで良い。
よろしかったらこれからも歌って行こうと思うので聴いてくれると嬉しいです。
よろしくお願いします。
ずーっとファンでいて下さいとか言わないから(笑)

――ありがとうございました。


(Text By Takahashi)


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