Girl's Rockに新たな新星が登場した。 彼女の名前はItsco(イツコ)と言う。 2008年1月に「Water Lily」デビューしたItscoの記念すべきデビューアルバム「its」が4月16日にリリースされる。 スリリング且つクールな世界観とItscoならではの独自のカラーを持った個性、デビューアルバムにして新人らしからぬ存在感を放ったアルバムだ。 サウンド面ではプロデューサーにUAを始めとして様々なアーティストを手掛けたことで知られる朝本浩文、作詞陣には森山達也(THE MODS)、加藤ひさし(THE COLLECTORS)、サエキけんぞう、かの香織、土岐麻子、蔡忠浩(bonobos)、木村世治(ex.ゼペットストア)、川口賢太郎(54-71)、Keyossie(ex.DOMINO88)という錚々たるメンツを迎え、何ともゴージャスで高いクオリティを持った作品となっている。 そしてItsco自身のリクエストにより越路吹雪の「ろくでなし」のカバーが収録されている点にも注目だ。 伝えたい強い想いと伝えきれないもどかしさ、苛立ちも焦燥感もひっくるめて、言葉以上に瞳が語りかけて来る。 “自分探し”がテーマだという本作。 (text by takahashi)
Itsco avex OFFICIAL WEBSITE
http://www.itsco.tv/ Itsco myspace page http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction =user.viewprofile&friendid=1000985930 ◆プロフィール◆ Itsco(イツコ)
1987年福岡県生まれ。地元在住時、中学生、高校生の時に幾つかのモデル・女優コンテストでグランプリや特別賞を得るも、音楽への憧れを捨てきれず単身上京。紆余曲折を経て、2007年avexと契約。11月にリリースされた実力派クラブ系トラックメーカー多数参加のコンピレーション「TOKYO PUDDING presents TOKYO SOUNDSCAPES」にてDE DE MOUSE、中塚武、安田寿之プロデュース楽曲のメインヴォーカルを担当。続いて2008年1月リリースのコンピレーション「タイトル未定」にTGMX(SCAFULL KING)プロデュース曲によるマドンナの「マテリアルガール」でメインヴォーカルを担当。 同作品には他にMASTER LOW等PUNK界の注目アーティストが参加予定。
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Itscoさんとプロデューサー朝本浩文さんから
サイン入りポラロイドいただきました!
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Itsco:きっかけは元々は小さい頃から女優を目指していたんですけど、16歳ぐらいからそれはやめようという感じになってあきらめて、ずっと椎名林檎さんに憧れていたということと、ギターを弾くのも好きだったので音楽を目指しました。
――今、椎名林檎さんに憧れてというお話を伺いして、お歌を聴かせて頂いた時に全てではないですけれども、曲によってちょっと椎名林檎さんテイストなボーカルだなと感じるところがあったんですよね。
Itsco:ボーカル的には影響されているのは矢野真紀さんなんです。椎名林檎さんはあまり意識はしてないと思いますね。
――そうなんですね。ではボーカルというよりは姿勢とかそういうところに影響を受けているという感じなんですね。
Itsco:たぶんそうだと思います。
――なるほど、でもそのお話をお伺いしてうなずけるところはありますね。そして4月16日に待望のデビューアルバム「Its」がリリースされますが、アルバムが出来上がった今はどんな気持ちですか?
Itsco:前回デビューシングルを出してすぐアルバムという感じなんですけど、プロデューサーが朝本浩文さんというUAさんとかを手掛けていたプロデューサーさんに全曲プロデュースと曲を書いて頂いて、作詞の方でもいろんな方に協力して頂いていて、そういう点ではプレッシャーもあったんですけど、それもテーマが全部“自分探し”で統一してあって、内容の濃いアルバムになってすごく良いものが出来たので満足しています。
――じゃあ、自信作という感じですね。
Itsco:そうですね。
――みなさんの手元に届くのが楽しみですね。
Itsco:はい、楽しみです。
――この“自分探し”というテーマについてもお伺いしようと思っていたんですけれども、まずはどうして“自分探し”というテーマで作品を作ろうと思ったんですか?
Itsco:自分自身もすごく迷っていたりする部分とか、私の同年代の子とかでも、今、何がやりたいとか何が出来るとか、自分が存在する意味とかも結構迷ってる子とかが多いんですよね。私の音楽ってジャンルフリーだったりするので、色んなアレンジを聴かせることで迷ってる雰囲気を表現出来たら良いなってことで“自分探し”というテーマにしたというのと、私の名前“Itsco”って“Its”ってイコール“それ”っていう意味があって、誰にとっても大事な“それ”って何かを探そうっていう意味があって、それをアルバムのコンセプトにしたんです。
――音楽を始めることもきっと自分って何だろうとか、そういうところから始まってるのかもしれないですよね。
Itsco:はい、そうですね。
――それで“自分探し”の曲をアルバムを通して歌われることによって、この楽曲達で“自分探し”のヒントとというのは見つかりましたか?
Itsco:アルバムの楽曲は結構ダークな曲が多いいんですけれど、それも私自身の趣味でもあるんですけど、それを歌ってみて、あぁ、私にはスローでちょっとダークな感じが似合うのかなと思ったんです。今、私の世代の子は結構ポップな感じの子が多いと思うので、そういうところを狙って行けたら良いなと思えたことが発見出来たアルバムになってます。
――じゃあ、今まで気づいてなかった自分にそこで気づいたということですね?
Itsco:はい、気づいた感じですね。シングルがすごい明るい曲だったんですね。もちろんシングルもまた好きなテイストだったので満足してるんですけれども、今回のアルバムでダークな曲を歌ってみた時に自分の中で更にしっくり来たというのはありますね。
――アルバムを聴かせて頂いて、まずItscoさんってどんな女の子なんだろうなと思いつつ聴いていたんですね。歌を聴いた印象だとちょっとクールで冷めてる部分もあるんだけど、心の奥にポッと情熱を持っているというか。
Itsco:よく気づいて頂けましたね!私、すごい冷たい時もあればすごく人に気持ちを入れる時もあって、極端な性格なんですよね。
だからその揺らいでる感じというか、自分って一体何なんだろう?とか、どっちなんだろうみたいな、そういう苛立ちもこのアルバムに込めていますね。
――ではアルバムの製作やレコーディングで今回、苦労したことはありましたか?
Itsco:今回のアルバムは結構、短い期間で録ったので、毎日のようにレコーディングがあったんですよ。なので、途中で自分の歌い方がよくわからなくなってしまったりとか、体力的にちょっと疲れてしまったりとかしました。あとコーラスを入れるのが初めてだったので音を重ねるために何パターンも録ったりという作業がちょっと難しかったです。
――じゃあ、いろいろと初めての経験があって、でも苦労したけれど良い作品が出来て良かったですよね。
Itsco:はい、本当に良かったです。
――苦労した甲斐が・・・(笑)。
Itsco:ありました(笑)。
――なるほど、では今回のアルバムの中で一番、今の自分に近いなと思う曲と、この曲は新しい自分だなと感じた曲はどの曲か教えて頂けますか?
Itsco:はい、結構、全部近いような気がしますが、特に近いのは「スキャッター・ブルー」という曲ですね。
――では逆に歌ってみて、こんな自分もいるんだなとか、こんな歌い方が出来るんだなって思った曲はありましたか?
Itsco:そうですね、「ア・ノ・リ・ア・ル?I wanna be me?」なんかは、初めてこういう曲調のものを歌いましたね。
――じゃあ、ちょっと戸惑う部分はあったけれども、でもこんな自分もっていうところですかね。
Itsco:はい。
――でもこんな11曲もの様々な自分を見て、作品が出来上がった後は確実に成長している感じがしますよね。
Itsco:はい、しましたね、すごく。
――今回は11曲目に「ろくでなし」のカバーが収録されていますが、これはItscoさんのリクエストなんですよね?
Itsco:はい、私のリクエストなんです。小学校1年生くらいの時に梅垣義明さんが鼻からピーナッツを出しながら「ろくでなし」を歌うのを見て大好きになってしまって。最近になってそれを思い出して、あの曲って元々、誰の曲なんだろうと思って調べたら、越路吹雪さんが歌っていて、曲を全部聴いてみたらすごく詞も良いし、その主人公が私の理想の女性像みたいな感じだったので、絶対カバーするんならこの曲が良いなと思って。
――最初に聴いた時に大人っぽい選曲だなと思って(笑)。
Itsco:はい(笑)。
――どんなふうに歌うのかなって思ったんですけど、聴いてみたらアリだなと。20歳としての解釈っていう感じがしましたね。
Itsco:原曲をあまり聴かないで、その当時のイメージを残して歌いました。
――聴いちゃうとまたイメージが強くなっちゃうから・・・。
Itsco:はい、なんかそういうイメージであってほしいっていう「ろくでなし」の曲っていうのがあって、それを壊したくなかったんです。
――なんかこうスローな感じでちょっとブルージーな感じもしたりして良い感じですよね。今回は朝本さんにプロデュースして頂いて、実際のレコーディングでは一緒にやられてみてどんな感じだったんですか?
Itsco:毎日一緒にいて頂いて、結構自由に歌わせて頂いたんですけど、そこから声のニュアンスだったり良いところを引き出してくれて、まとめて下さった感じがしますね。
――上手にリードして頂いた感じ・・・。
Itsco:そうですね、はい。
――でも新人の方とは思えない感じの余裕を感じさせる出来上がりですよね。
Itsco:いやー、朝本さんの曲があったからこそ、良いアルバムが出来たと思っています
――すごく楽曲もバラエティに富んでるじゃないですか、こんな一面もあるんだなとか、こういう歌も歌うんだなっていう、デビューシングルの「Water Lily」を聴かせて頂いて、ポップな感じなのかなと思っていたんですよね。そしてアルバムの楽曲を聴かせて頂いて、こういうダークな感じも歌うんだっていう思いましたね。
Itsco:そうですね。一気に(笑)。
――でも全然アリだと思うんですよね。「Water Lily」も可愛くて好きなんですけど、ちょっとダークな感じっていうのもカッコイイなぁと思います。大変カッコイイアルバムですよね。
Itsco:はい、もう本当に満足しています。
――ではこのアルバム「Its」は色に例えるならどんなカラーの作品だと思いますか?
Itsco:PVでも出てるんですけど、白と黒っていうテーマだったんですね。
その極端なイメージを出したかったので、白と黒っていう感じです。
――モノトーンな感じなんですね。
Itsco:はい。
――そうやって聴くとわかる気がしますね。極彩色っていうよりはやっぱりモノトーンですよね。今回のアルバムは2形態でリリースされますが、DVD付き方はどのような内容になっているんですか?
Itsco:DVDはですね。シングルの時の「Water Lily」のPVがあるんですけど、そこではCGをたくさん使っていて、そのCGの合成のために私はロボットというか機械の女の子みたいになって、その撮影がたくさんの人達の前で下着で撮ったんですよ(笑)。私、何やってるんだろう?とか思いながら撮ったのに(笑)、初めてのPV撮影だったので表情とかがあまり上手く作れなくてあんまり使ってもらえなかったんですね。なので次の「スキャッター・ブルー」では今度は私はいっぱい出てやるって頑張ったんですけど(笑)。綺麗に撮ってもらえたと思います。
――では今回のPVは努力の結果が実ってるというか(笑)。
Itsco:はい、CG合成が多用されてるんですが、白と黒の世界と「スキャッター・ブルー」ってちょっと不安定な私と重なる部分がある歌詞なんですけど、そのあたりがうまく表現されてるPVになっています。それから「ろくでなし」のアカペラを非常階段の普通のカメラで撮ってて、ちょっと怖い(笑)、ユーレイみたいというかストーカーみたいな感じで撮りました。
――それは見たいですね(笑)。
Itsco:はい、是非見て下さい。
――あとこのDVDの中にはItscoさんからのメッセージが入ってるんですよね?
Itsco:はい、そうですね。
――こちらも必見ですね。なんかこうお楽しみてんこ盛りな感じですよね。
Itsco:そうなってますね。
――今回のこのアルバムの聴きどころを敢えて語るならばズバリどんなところだと思いますか?
Itsco:聴きどころは、やっぱりアルバムのテーマが“自分探し”なので、このアルバムを聴くことでそれぞれ聴いて頂いたリスナーの方自分にとっての、大事な“それ”って何だろうってことを、ちょっとでも発見してみてほしいですね。
――それは例えば同世代の女の子とかだけではなくという感じですか?
Itsco:はい、そうですね、いろんな人に。演奏して頂いた方がパール兄弟の窪田さんにギターを弾いて頂いたりとか、ベースだとTOKIEさんという女性のベーシストの方に弾いて頂いたりとかしているので、たぶんそういう音楽的な面から入って頂いても良いようなすごい贅沢なアルバムになっています。
――ミュージシャン陣もゴージャスな感じで聴き応え充分という感じ。
Itsco:はい、充分ですね。
――それでは少しItscoさんご本人についてもお伺いしようかと思うんですけれども、Itscoさんはお友達とかからどんな女の子だねって言われることが多いですか?
Itsco:なんかよくわからないとか言われます(笑)。
――よくわからないよーって言われちゃうんですか?(笑)
Itsco:はい、よく掴みどころがないって言われますね(笑)。
――じゃあ、ミステリアス(笑)
Itsco:(笑)、あんまり自分のことを言わないので、何を考えてるのかわからないとかよく言われます。
――それはリスナーの方は余計に興味が湧いてItscoさんのことを知りたくなっちゃいますね。
Itsco:(笑)、なっちゃうかもしれないですね。
――じゃあ、アルバムを聴いて察してもらうという感じですね。
Itsco:はい、そうですね。
――では音楽以外のことで今、ハマっていることとか趣味とかありますか?
Itsco:毎日やっていることは、今、MySpaceでblogを毎日書いてます。私、前はblogとかそいういうのを書くのが苦手でだったんですけど、でも結構やってみるとすごい楽しかったり、コメントをたくさん頂いたりするので、今日も見てくれる人がいるから書かなきゃなって思ったりしますね。
――なるほど、それではblogですね、私も後で見てみないと(笑)。
Itsco:はい、ぜひ見てやって下さい(笑)。
――MySpaceは結構、熱心にblogも更新されてるんですね。
Itsco:はい、更新していいますね。あとフレンド数が日本人最速ペースで1万人を突破したらしくて、この前MySpaceの方から教えて頂きました。お祝いみたいにコメントとか取らせて頂いたんです。
――すごいですねー!じゃあ、もっとこれから増やさないとですよね。
Itsco:はい。
――ではItscoさんにとって音楽とはそして歌を歌うこととは何だと思いますか?
Itsco:私にとってははけ口だなと思います。私、ごはんを食べてお腹いっぱいになると、泣き叫びじゃうんですよ(笑)。
――(笑)、そうなんですか。
Itsco:それはたぶんお腹いっぱいになって満たされたら不安になっちゃう感じが来るって思っちゃうからだと思うんですけど、そういう時に歌を歌うと気持ちのはけ口になるっていう、そういう感じですかね。
――ニュアンスとしてはなんかわかりますね。自分の中の感情を出すものの一つという感じなんですね。
Itsco:はい、そうですね。
――そういうふうに答えられた方は初めてですね。
Itsco:あっ、そうですか?(笑)
――きっとそれってItscoさんにとっての歌っていうのは嘘がないっていうことなんでしょうね。
Itsco:元々は私は人前で歌を歌うのが苦手で、ずっと「女優を目指してるから」みたいなことを言ってたんですけど歌を歌うことは誰にも言ってなかったんですよ。
――でも考え方で歌を歌うことも演じることも、きっと自分の中をさらけ出すっていうのは一緒なのかもしれないですよね。
Itsco:そう、一緒ですよね。
――ではItscoさんは将来はどんなアーティストになりたいと思いますか?
Itsco:街で曲が流れた時にパッと聴いて、あ、これ絶対Itscoやん!みたいな(笑)、そういうアレンジとか声とかそういうことで自分の歌に気づいてもらえるような人になりたいですね。それが今の迷ってることだったとしたら、たぶん“自分探し”の答えになると思うですよ。
――じゃあ、“自分探し”っていうのはこれからもずっと続いて行くという・・・。
Itsco:はい、そうだと思います。
――では自分以外の作品でお薦めのアルバムを1枚紹介して頂けますか?
Itsco:みなさんより一足早く聴かせて頂いたんですが、今度、5月に発売されるDE DE MOUSEの「sunset girls」がすごく良いです。仲良しなんですけど、元々インディーズでその時からもうすごい人気があって、今回、満を持してメジャーデビューって感じなので、すごいお奨めです。
――そうなんですね。ファンのみなさんより一足お先に聴かせて頂いてDE DE MOUSEの「sunset girls」ということで。
Itsco:はい、切なくなるんですけどでもすごい良いです。お奨めします。
――では目標としている夢というのがあったら教えて頂けると。
Itsco:今、近い目標で言ったらライブをもっとしてみたいですね。
――ライブは好きですか?
Itsco:はい、もっといろいろ場数を踏んで行きたいなという感じです。
――ライブということで、こちらも楽しみですね。では最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。
Itsco:このアルバム「Its」でみなさんのそれぞれ大事な“それ”を探して下さい。
――ありがとうございました。
Itsco:ありがとうございました。