いやいやいや、あなた、遂にNeowingにも閣下の登場ですよ! 閣下って誰って? 何言ってるんですか!閣下と言ったらあの方しかいないじゃないですか! あのデーモン小暮閣下ですよ。 D.C.10('08年)1月30日にデーモン小暮閣下の待望のGIRLS' ROCK第2弾、「GIRLS' ROCK √Hakurai」がリリースされます。 前回のアルバムでも意外なラインナップで我々を驚かせてくれましたが、今度の楽曲もこれまた凄い! 先に挙げた楽曲の他にも椎名恵の「今夜はANGEL (Tonight Is What It Means To Be Young)」、未唯の「NEVER」、麻倉未稀の「ヒーロー (Holding Out For A Hero)」等が収録されていて、うら若き青春の日、大映ドラマに胸をときめかせていた方達には、タイトルを聞くだけでもドキドキしちゃうような、DNAに深く刻み込まれた楽曲も目白押しです。 今回のアルバムではハードロックからラテンまでとバラエティ富んだ11曲の楽曲が収められていますが、一見、意外とも取れる楽曲をカバーすることによって、結果的に閣下の楽曲に対する解釈やキャリアに裏打ちされたヴォーカリストとしての間口の広さがより深く浮き彫りされている気がします。 (text by takahashi) ◆プロフィール◆ デーモン小暮閣下
HIS EXCELLENCY DEMON KOGURE 悪魔。アーティスト。約10万45年前に魔界にて発生。聖飢魔�兇亮膾法▲棔璽�リストとしてB.D.14('85)年地球デビュー。 B.D.5(‘94)年にはCNNラリーキングショー(全世界150カ国以上生放送)に日本で活動するアーティストとして初めて出演。CM出演でも話題を集め、「写ルンです」CMにて大賞やタレント賞を受賞。魔暦元年('99)、予定通り地球征服を完了、聖飢魔�恐鮖供0聞澆癲嵒集充圈廖嶌郢譟�作曲」「演出家」「相撲評論」「文筆業」など幅広く活躍。また地球征服後には2度目の世界一周視察を敢行。これまでに3年間の米国在住を含み、49の国と地域を基本的にプライベートで訪れている。邦楽器や日本の伝統芸能とコラボレートするプログラムを、聖飢魔�胸�代から約20年100回以上展開し、この容姿で武道館、国技館、歌舞伎座、国立能楽堂、にも降臨。 また「ROCK OPERA HAMLET」(B.D.6)、「いのうえ歌舞伎・星の忍者」(B.D.5)、ミュージカル「シンデレラ・ストーリー」(D.C.5、D.C.7)、怪談狂言「耳なし芳一」(D.C.6)など、演劇舞台出演も多い。 D.C.7(‘05)年には閣下初のショートフィルム「ジブンナリ」を収録したソロ映像作品集「DEMON KOGURE IN THE NAKED LENS」(BMG JAPAN)を発表。そして地球デビュー20周年を記念して聖飢魔�兇魎�間限定再集結。全国12ヶ所15全公演を即日ソールドアウトというオマケつきにて大絶賛敢行し再解散。 更にD.C.9(‘07)年1月にはavexレーベル移籍第1弾、'80〜'90年代初期の女性ロックヴォーカル曲をカヴァーしたアルバム(閣下通算31タイトル目作品)「GIRLS' ROCK」を発表し「iTunes Store」ダウンロード数でロック部門年間第1位となる。 5月〜6月には5年ぶりのソロ・ライヴ行脚「DEMON'S ROCK TOUR」(3ヶ所、6公演)を行い好評を得て8月〜9月に「DEMON'S ROCK ENCORE TOUR」(6ヶ所、6公演)を行う、その初夏のライブを収録したDVD「DEMON'S ROCK SHOW !」を9月26日に発表。D.C.10(‘08)年2月9日から15日まで初の映画監督作品「コナ・ニシテ・フウ」が都内吉本系3劇場にて公開予定! 詳細[ http://www.yoshimoto.co.jp/yd100/ ] ◆Live◆ |
| ★デーモン小暮閣下
Webインタビュー
★デーモン小暮閣下
/ ヒーロー(Holding Out For A Hero) PV
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閣下:最初にカバーアルバムを何か作ろうというのだけが先に決まっていたんだけれども、どんなカバーにしようかというアイディアがいろいろ出ている中で、デーモン小暮が女の子のロックを歌ってると、きっと面白いよねっていうアイディアがスタッフから出て来て、それは面白いかもね、ちょっとその方面で選曲してみようかと。
ただ話として企画が出ても、選曲してみないと実際にやれそうな曲がアルバム一枚分集まるのかっていう問題もはらむのだけれど、集めてみたところ、「これは行けるかもしれない。意外と面白いぞ」っていうことで一昨年その路線で作ることになったわけだな。
――楽曲を' 80年代から' 90年代初期の縛りみたいにしたのには理由があるのですか?
閣下:それはもうセールスの戦略だな。ハッハッハッハ。
――(笑)。
閣下:要するにデーモン小暮がCDを出して購買するもっとも多い年齢はどこかっていうと、その時代に青春を過ごしていた人達ということだ。
――あぁ・・・なるほど。
閣下:じゃあ、若い人が買ってはいけないのかっていうとそんなことはなくて、若い人は若い人なりに、何年か前にこういう曲がヒットしていたっていうことを改めて知るのでも良いんじゃないのかな。
――なるほど。
閣下:意外とどれもが戦略ということだな。
――そうなんですか、緻密な戦略が含まれているんですね(笑)。
閣下:うん、戦略を立てているのは我輩ではないけどね、ハッハッハッハ。
――(笑)、今回もまた引き続いて女性ヴォーカルのカバーで、そして洋楽のカバーでもあるわけじゃないですか、こちらも選曲というのはみなさんが考えられて出て来た感じなんですか?
閣下:最終的に選曲を決定するのは我輩だけれども、候補を集めて来てもらうのはスタッフ込みで。
何しろこちらの知らない曲もあるので、実際今回は初めて聴いたような曲を歌ってたりもするのでね、そこが前回と随分違うところだな。
今回も最初は特に女性ヴォーカルの曲をカバーするアルバムを作らなくてはいけないっていう縛りはなかったのだけれども、前作の「GIRLS' ROCK」が思いの外評判が良く、セールスもそうだけど、聴いた人達の感想という点でも面白がった人が多いので、せっかくだから次も何らかのカバーのシリーズで行きたいと。
そういう話が来るのは、まぁ、きっとそうなるだろうなと思ってたから(笑)、そうだねと。
じゃあ、実際にどんなカバーにしようかというところで、候補は男性のものも含めていろいろあって、要するに男性なのか女性なのか、ロックなのかそうでないのか、日本の曲なのか洋楽なのか。
いろんなことで候補を挙げているうちに、日本人の女性がかつてカバーした外国の曲っていうのが急に浮上して来て、それは面白いねっていう話になった。だけど、パーッとみんなで何があるでしょうって曲名を挙げて行くと大体6〜7曲くらいで詰まってしまう(笑)、後、何があるだろうかと。
――そうですよね。
閣下:男性を入れてしまえば、郷ひろみとか西城秀樹とか沢田研二とかいっぱい出て来るのだけど、女性で括ると意外と途中で止まっちゃうんだよね。
それで再調査をしようということになって、いろいろ調査をした結果、渡辺美里がデビューシングルのC/Wでエイジアのカバーをしてるぞとかでてきた(笑)。
――それすごいマニアックですよね(笑)。
閣下:そう、「チェリー・ボンブ」をぜひ入れてほしいというプロデューサーのたっての希望があったりとか(笑)、そういう「知らないよ!こんな曲!」みたいなものも、面白いから入れてしまえみたいになった(笑)。
――「チェリー・ボンブ」がカバーされてること自体も知らなかったですね。それもイリアさんがバンドをやっていたことも、「えっ!最初からジューシィ・フルーツじゃないの?」っていう。
閣下:そうそう、ジューシィ・フルーツ(笑)。
――やっぱりアーティストの方だから知ってらっしゃるんだなって思ってたんですよね(笑)。
閣下:いやいや我輩もそれは知らなかった(笑)。担当のプロデューサーが若い頃とにかく「チェリー・ボンブ」が好きだったらしく(笑)、その企画をやるんだったらぜひこれを!っていう。
――じゃあ、スタッフの方はすごい思い入れがあったんですね。
閣下:そうだな。
――確かに最初の「GIRLS' ROCK」の時は選曲を聞いた時に、あぁ、これはありかも知れないなって思ったんですよ。
閣下:うん、タイトルを見るだけでということだな。
――そうですね。どんなふうに歌うのかなと思いつつも、でもなんかアリかもって思っていたんですけど、「今回の選曲は果たしてどうやって歌うの?」って思うものも結構あったんですよね、なのでどういうふうになるかすごく聴いてみたいと思うアルバムだったんですよね。
閣下:戦略が成功している。ハッハッハ。
――じゃあ、私ったらまさに踊らされちゃってるんですね(笑)。
閣下:ハッハッハ。
――だって普段は「ランバダ」とか歌う感じじゃないじゃないですか(笑)。
閣下:(笑)、でも意外と実際に聴いてみて感じたと思うけれども、元々あぁいうエキゾチック系とかラテン系のものっていうのは実はそんなにデーモン小暮のヴォーカルスタイルと外れてない、ということは我輩は自分で知っていたんだよね。
――なるほど。
閣下:例えば聖飢魔IIはスペインでステージをやったことがあるけれども、その時に地元の曲をちょっとアレンジしてやってみようっていうことになって、スパニッシュ的なコード進行のパートを楽曲に入れたりしたら、あぁ、これ面白い、聖飢魔IIでやるのもデーモン小暮が歌うのもおかしくないなっていうそういう感覚があったから。
そもそもラテン嫌いじゃないし、オールナイトニッポンでマンボのコーナーもやっていたし、ゲストに殿様キングスを呼んでるぐらいだからな。ハッハッハッハ、
(一同笑)
閣下:だからラテンは意外と外れてないわけだ。
――はっ、なるほど、そういうのって普段の教典とかだとわからなかったりしますよね。
閣下:むしろすごく合うに違いないと一見思われがちでありながら、ロックンロールとかアメリカ系のロックは実際に聞いてみたり歌ってみたりすると、デーモン小暮には似合わなかったりして。
カラッと明るい「みんなで盛り上がろうぜ!HEY!」みたいな曲は似合わなかったりするのだな(笑)。
――あぁぁ、なるほど、個人的には「Mr.サマータイム」がお気に入りだったんですけど、それも最初はえっ!?こういう曲って歌って合うのかな?って思っていたら、何だかスケールが大きくて素敵な曲に仕上がっていて、こういうのもアリなんだなと思いましたね。
閣下:あの辺の想像のつかない、「へぇ!こんなふうになるの!」みたいなのは、やっぱりカバーの醍醐味になっているところだな。
それは別に我輩の手柄ではなくアレンジを担当したアンダース・リドホルムの手柄なんだけど。ハッハッハッハ。
――うちのメタルとかが好きなスタッフにも今回のアルバムは高評価でしたね。なのでそういうリスナーの耳にも耐えうる作品となっているんだなとすごく思ったんですよね。
閣下:その人が柔軟な人なのだろうね。
――そうですかね?
閣下:大概のメタル好きとかメタルどっぷりの人はちょっとでもその毛色から外れるような雰囲気があると許せないって思う部分があるらしくて、例えば聖飢魔IIの後期に出してるようなかなりポップな曲とかは、メタル界ではあんなのはメタルじゃねぇっていう認識になってるからな。
――ジャンル的に選別が厳しいですよね。
閣下:そう言えば、そういう言い方になるけど、要するに視野が狭い。ハッハッハッハ。
――あっ、書けないじゃないですかぁ(笑)。
――(笑)、いろいろなスタッフの方の考えの中でこのアルバムの選曲っていうのがされているということなんですね。
閣下:そうだな、案外作詞作曲を自分でする曲の時はかなりアーティスティックな心に火が点くから、どっぷりと自分の発想を重視したものを作ろうとしがちだけれど、今回とか前作のようにそもそも自分が作った曲ではないものを料理するという時は意識的にちょっと違ってて、自分はヴォーカリストという、一つの声の主としての素材であって、もちろん単なる素材で人が全部やるのではなく、自分もその素材を料理することには加わるんだけども、味付けは自分だけの味付けでなくても良い、他の人のこんな味付けどうですか?っていうのをいっぱい試してみたいという意識で作ってるかな。
――他の人の曲だとやはり歌い方というか、発声方法や表現方法も変わってくるものなんですか?
閣下:たぶんね。それはなぜ「たぶん」という答えになるかというと、今までやっぱりバンドをやってる時でも、案外いろんな種類の歌い方をして来ているのでね。
ものすごくソフトに歌うとか経験しているから、そんなに去年と今年の2作で歌い方としてとても新しいことをやったということはないと思うんだけれども、しかし歌の内容であったり、行間というか、歌というのは歌詞を全部メロディに乗せて歌うだけが歌ではなくて、その間とかいろいろあるわけで、間に溜息が入ってるとか、間にヘイッ!って掛け声が入ってるとか(笑)、ギャーと言ってるとか、そういうところは新しかったな。
その行間の部分はとても新しかったのと、言葉もあんまり慣れていない女性言葉であったということが前回はこういう言葉遣いだからもうちょっとこういうふうに歌ってみようという意識は強かったかな。
でもそれはどれも前回の話だけれどもね。
――それでは2作目ということで、そのところはスムーズに出来た感じなんですか?
閣下:基本的にはね。まぁ、2作目だからっていうのはやっぱりあるんだろうな。
前回はこういうアプローチをしたけれども、今回は敢えて反対をやってみようっていうようなことも曲によっては、やってるかもしれない。
――「チェリー・ボンブ」とかを聴くと、なんかエロいんですよ。
閣下:エロい(笑)。
――はい、セクシーだなっていうのを思っていて、なのでそれは女性の歌でカバーしているからなのかなと、そこで敢えて意図的に歌ったりしているのかなと思ったんですよね。
閣下:うーん・・・。
――特にそんなことはなく自然にという感じですか?(汗)
閣下:いやいや、なるほどねって、思いながら聞いていたのだけれど(笑)、「チェリー・ボンブ」は確かに他の全部の曲と随分違う録音の仕方をした。
録音の仕方というか機材は一緒だけど歌に臨む姿勢というのかな?(笑)
もうちょっと踏み込んで言うと、他の全ての曲はほぼ主旋律と呼ばれる曲の頭から終わりまでのものを三度以上は録音して、良いところ取りで繋いで行くという形を取っている。
なるべくそれで音程とかリズムとかがきっちりするように繋いで行くのだが、「チェリー・ボンブ」に関してはスタジオに入って初めて、じゃあ、やってみようと言って歌った歌がほとんど使われている。
――じゃあ、ライブっぽい感じなんですね。
閣下:そう、ライブっぽい。
だから細かいことは直さないようにしようっていうのがテーマだったのだな。(笑)
あの曲はきっちりしていっちゃうとつまらなくなって行くことがわかって、乱暴な方が面白いわけ。だからそういう点ではとっても乱暴に歌ってるものなので、そういう曲にまぁ、エロを感じるっていうことになるわけだよね。ハッハッハッハ
――(笑)、なんか良いんでしょうかね。
閣下:いや、別にそれは個人の好みだし(笑)。
まぁ粗野に歌ってるというか・・・小奇麗に仕上げようとはしていないっていう共通項はあるだろうな。
――あのタイプの曲は確かにそっちの方が合ってるかもしれないですね、ライブの感じなので。
閣下:ロックンロールでありながら尚且つパンキッシュなイメージも兼ね備えてる曲だから、パンクってきっちりやったらパンクじゃなくなるというのはあるな。
下手だからパンクが成立するみたいなとこもあるわけだが、まともに歌わないからという言い方でも良いかな。
本当はちゃんと歌おうと思えば上手く歌えるのにわざと下手に歌ったりとかっていうのもパンクの手法の一つなんでね。
――そうですね、きっちり歌うと。
閣下:面白みがなくなってしまう。
――そこで自分は良いなぁと思ったのかもしれないですね。
閣下:それはでもね、わかるような気がするのだよ。例えば岡村靖幸って好き?
――はい、好きですね。
閣下:ある時気がついたことがあって、岡村靖幸のことをとっても評価している人達の話を何が好きなのかということをよく聞いて行くと、今、言っていた話に繋がるんだな。
ちゃんとやろうと思えばきっちり出来るのにそこまで頑張ろうとしてない(笑)、みたいなところをセクシーと受け止めるとかね、というところに気持ちを持って行かれると。
――そういうタイプってことなんですね。
閣下:そう(笑)、だからそれを聞いてさっきの「チェリー・ボンブ」が単に良かった悪かったではなく、セクシーであるということを聞いた時にすぐに思い浮かんだのは、その岡村靖幸の話(笑)。
――なるほどー、元々はきっちり歌ってないと好きじゃなかったんですが、だんだんそういうものがあるってわかってこれもアリだなっていうふうに納得出来た時に変わったかもしれないですね。
閣下:それは聴く側もそうかもしれないけれど、やる側も例えば「チェリー・ボンブ」なんかに関して言うと自分ではすごく新しい扉を開けた感じがするわけだ。
やったことなかったかと言うとなかったわけではないけれど、たぶん聖飢魔II時代を含め、今まで200曲くらいレコーディングして来てると思うけど、最初っから上手く歌わなくて良いということを目的として録音したのはせいぜい二度目なので。
――そうなんですか、じゃあ新しいアプローチだったんですね。
閣下:新しいアプローチだったことは確かだな。
――でもあれもアリですよね。
閣下:そう、それはきっちりしたものがあるが故にまた生きて来るところもあるわけで、大映ドラマ系の主題歌方面のものっていうのは結構ガチッと作られてる曲が多いのでね。
そこはとっても緻密な作業をして行かなければならないからが故に、もう片っ方のバランスを自分が欲したんだと思っている。
――なるほど、そうなんですね。勉強になりますね。
閣下:アルバム内バランス感覚っていうのがきっとあるんだろうな。
――閣下はきっちり歌って実力があるっていうのがわかった上で聴くので、そこでちょっとワイルドに歌ってみたりっていうのが新しく斬新な気持ちになったりするんですよね。こういう歌い方もあるんだなとか。
閣下:たぶんね。
――なのでまた新しい一面を私達に見せてくれてるのかなと。それではサウンドの話もお伺いしようと思うんですけれども、今回もまた前作同様にスウェーデンのアンダース・リドホルムが手掛けていて、日本とスウェーデンでレコーディングをされているそうですが、今回は進行とかはスムーズに進んだのですか?
閣下:前作と比べれば遥かに進行はスムーズだ。前作は双方ともはなからやりとりが手探りだから、どういうことを言うと相手はどういうふうに反応するとか、どう受け止めてくれるか、要するに理解し合うということのスタートラインからやらなきゃいけなかったから、別に日本人とスウェーデン人でなくても日本人同士でも初対面の人と友達になって行ったり、仕事を一緒にやって行く時っていうのは最初はこの人はこういうことを言うと、どういうふうに行動するのかなとか、どういうことを言って来るのかなとか誰でも探るわけ。
それと同じことが面と向かっての会話ではなく間に通訳を通してのEメール交換でやっていたから、「これは伝わってるか!?」「伝わってないのか!?」(笑)って、面と向かって会話してる時は伝わってるか伝わってないかは顔を見てればわかるし、返事が「はい」って言ってても、この「はい」はわかってない「はい」だとかわかるわけじゃない。
それが人を通してる上に、聞いたことの質問が返って来なくて次の話が来てたりとか、「前のはどうなってるんだ」みたいな(笑)。
そういうことが前回はものすごくたくさんあって、たぶんそこの部分はお互いにストレスがあったと思うんだけれど、前回のやり取りの後半に向けてだんだんそれは改善されて行ったという感じだな。あぁ、こういうところが誤解を生むんだとか、基本的には全部それは誤解の産物なんで(笑)。
――(笑)。
閣下:じゃあ、そういう誤解が生まれないように「こういうふうにやろう」っていう方法論をだんだんやり取りしているうちに出来て行くようになったので、今回のスタートラインはそもそもそこからだから、大体相手の受け方がわかっているから、「こういうことを言ったらどう反応するんだろう?」っていうのはもうないわけで、そういうところで始めたのでそこはすごく大きかったな。
――じゃあ、かなりスムーズな感じで進んだんですか?
閣下:まぁ、去年に比べれば666倍くらいスムーズだね(笑)。
――なるほど(笑)、今回はそういう面ではストレスはなかったということですよね。
閣下:全くなかったわけではないけどね(笑)、「やっぱりこういうことが起きるんだ」っていうのはあったけどね(笑)。
――Eメールというのはそういうのがありますよね。
閣下:うーん、Eメールというシステムの問題だけではないと思うがな。
やっぱりそれは向こうにもスタッフがいるし、こっちにスタッフがいるけれども、その仕事をして行く上で、例えば優先順位を付けるとか、どのくらい急ぐか急がないかとか、実はそういう細かいことが影響して来るわけ、こっちは急いでいるのに「何まだ連絡してないの?」みたいな(笑)。
――そうですよね、苦労されてここまで来たっていう感じですね。
閣下:まぁ、一朝一夕には行かないということだな。
――ただそのやり取りの中でアレンジとかはこういうふうにしたいとか、そういう意図は伝えて作って頂いているんですか?
閣下:そういうものもあれば、お任せのものある。
――ではお任せしたもので意外なアレンジだったものってあるんですか?
閣下:結構たくさんあるが、「Mr.サマータイム」とかは、なるほどそうなるのかっていうのがあったな。
でも最初のうちは完成形がわからないのだがね。
「これはまだこの後シンセのサウンドが増えるけど、今は叩き台だよ」っていう状態のものが、こちらが仮歌を歌わなきゃいけなかったりする時間の都合上、段取りの問題で完成してないものを送ってもらわなきゃいけないものが何曲かあって、完成してないものが来ると、もちろんこれはこの後いろんな楽器が増えるってことはわかっているのだが、一体どうなるんだろう?っていうのが、さっぱりわからない状態のものも来るわけだ。
――その中でやって行くわけですよね。
閣下:ただそこは、ここから先は経験なわけで。
自分も去年、今年デビューしてたとしたら、もうカリカリして「ここどうなってるんだ!この曲、このアレンジじゃ出来ないと思うんだけど」とか言って、ガタガタ騒ぎ始めるはずなんだけど(笑)、まぁ、これはきっとこういうふうにするつもりなんだろうみたいなね。
今までの経験からすると普通はこういう時はこうなるっていうものが自分の中で捉え方としてあるから、経験と信頼だよね。
先方も20歳とか22歳みたいに若くないわけで何年も音楽を作っているわけだから。
――なるほどそういうお話を伺うと大変興味深いですね。それでは今回のアルバムというのはどんな人達に聴いてもらいたいなと思いますか?閣下の歌を聴いて育った世代というのはもちろんだとは思うのですけれども。
閣下:我輩だったり聖飢魔IIだったりが活躍している頃に青春時代を過ごしていた人達だけを限定せずに、むしろどんな歌をどんな歌い方で歌うのかってことを知らない人ほど聴いてもらいたい。だから聴いたことのない人ほど聴いてもらいたい、ということになるかな。
――存在は知っているけれども歌は聴いたことがないという人達に、っていうことですよね。
閣下:デーモン小暮が歌を歌うってことすら、もう中学生とか知らない人がいるからな。
高校生とかでも知らないかもしれない。
――それはちょっとというか、かなりショックです。
閣下:ハッハッハ。だとすると我輩を何だとを思っているんだ、っていうところだね。
「鉄拳」とかと同じだと思っている(笑)。
――ともすると年上のアーティストの作品って入りにくかったりするじゃないですか、なのでこういう作品の方がちょっと入門編としては相応しいかもしれないですよね。
閣下:そうかもしれないな。
後、昔に比べてやっぱりダウンロードという手軽な手段があるから、これはやっぱりとっても便利だと思う。
昔はレコード屋に行って、「買おうかな、どうしようかな・・・」とサイフと相談だったものが、今は「とりあえずちょっと聴いてみよう」っていう感じで聴けちゃうわけだからな。
――それではD.C.10(‘08)年1月29日から2月3日まで青山円形劇場にて「デーモン小暮の邦楽維新Collaborationと煩悩のゴブレット」が行われますが、こちらはどのような内容になりそうですか?
閣下:邦楽と一緒にコラボレーションというシリーズでは8年目に突入し、尚且つ今まで40種類ぐらいのプログラムをやって来ているのであるけれども、毎回が実験場みたいなところがあって、邦楽器とどのように絡んで新しい面白いものを作るのかということを試しているのだけどね。
お陰様で好評につきシリーズがずっと続いていて、今回はそんな中でも今までとはちょっと異質なゲスト国本武春。
何が異質かというとこの人は一応浪曲師ということになっているけど、本来浪曲っていうのは三味線を弾く人と歌を歌う人は別の作業であり、弾き語りというものは日本の古典の形態としてはないのでね。知らないでしょ?
――はい。
閣下:我輩も知らなかったけど(笑)。なのでこの人は普段から既に型破りのことをやっている。
古典のものをやっていたとしても伝統的に受け継がれて来た方法ではないことをやっているという、そういう人を呼んで来てコラボレーションするので、今までにないある意味ステップアップされたものになるのではないだろうか、というのが簡単ではないけれども、簡単に言うと(笑)、このステージの内容だね。
――じゃあ、アルバムを聴いてみて、「もうちょっと聴いてみようかな」っていう人達にもライブを見て頂きたい感じですよね。
閣下:綺麗にまとめようと思うとそうなるが、実際問題としてはアルバムとは全然関係ないものだよね。ハッハッハッハ。
また別の魅力というか別のアプローチなので、ある意味いろんな表現活動がある中での右と左みたいな存在というか東西というか、そういうところに位置するものかもしれない。
――アルバムもあり、更にこういうものもやっているんだよっていう活動を知る上では大切ですよね。
閣下:もちろんそうだ。デーモン小暮というアーティストに興味があればCD買って聴くのも面白いだろうし、こういうステージを見るのも共通項はいっぱいあるからね。
――それでは最後にリスナーのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
――ありがとうございました(笑)。