10月19日にリリースされたデビューシングル「MEMORIA」で、我々の前に彗星の如く現れた謎の美少女シンガー藍井エイル。
何だかどエライ女性ヴォーカリストが出て来たぞ。
彼女の歌声を最初に耳にした時そんなふうに思った。
今回デビュー作にして大抜擢となったTVアニメ「Fate/Zero」のエンディングテーマである1曲目の「MEMORIA」では、作品の世界観と相まったスケール感と凛とした風情を感じさせる彼女の歌声を存分に堪能できる楽曲となっている。
そして2曲目の「Back To Zero」ではゴシック調のハードなサウンドに乗せてハイトーンなヴォーカル、一転して3曲目の「white world」ではアコースティック・サウンドにナチュラルでキュートな歌声と、楽曲によって異なる表情を見せてくれており、デビューシングルとは思えない程のバラエティに富んだ密度の濃い作品に仕上がっているのではないだろうか。
広い音域と新人らしからぬポテンシャルの高さを秘めた歌唱力、デビューシングルにしてヴォーカリストとしての様々な表現にチャレンジする姿勢は、将来、大物になりそうな頼もしさを感じさせてくれる。
今後より一層の飛躍が期待される彼女の活躍に期待したい。
"藍井エイル"の歌声を今から要チェックですよ!
◆プロフィール◆
MEMORIA [DVD付初回限定盤]
藍井エイル
発売日: 2011/10/19
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シングル
CD
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販売終了(購入不可)
1572円(税込)
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MEMORIA [通常盤]
藍井エイル
発売日: 2011/10/19
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シングル
CD
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メーカー在庫あり:1-3日
1282円(税込)
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MEMORIA [DVD付期間生産限定盤]
藍井エイル
発売日: 2011/10/19
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シングル
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販売終了(購入不可)
1572円(税込)
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――まずは歌手を目指そうと思ったきっかけから教えて頂けますか?
藍井:きっかけはですね、子供の時に親が歌っているのを聴いて、自分も真似して歌っていたんです。 カラオケ屋さんに行った時に歌ったら、人前で歌うのがすごい楽しくて、それが最初のきっかけでした。
――歌ってみたらすごい楽しかったみたいな?
藍井:カラオケではマイクを離すことはなかったですね。 カラオケに行きたくて泣いてました(笑)。
――ということはすごい小さい時ということですよね?
藍井:3歳ですね。
――ではその時から歌手になりたいなぁと思っていたんですか?
藍井:その頃はまだ詳しくはわかっていませんでしたが(笑)、何か歌を歌う人になりたいぐらいに思っていました。
――なるほど、ではすごく小さい時から無意識のうちに歌いたいなぁと思っていたところから今があるということですよね。
藍井:はい、とは言えやっぱり波はあったんですよね。
歌うことを仕事にしたいって強く思う時もあれば、他のことに夢中になったりすることも結構あったので、実はかなり波があって揺れていたんですよ。
だけどこうして今夢が叶ったので、ずっと歌が好きで良かったなって思っています。
――夢を諦めないで良かったですよね。
藍井:はい、でも、実際にはほとんど諦めかけてましたけどね。
――なるほど、では一度諦めてから運が回って来たみたいな。
藍井:そうですね、ジャンケンとかでも今は勝ったりしたらすごく怖くなりますもの。
――そうなんですか?(笑)
藍井:何か運を使っている気がして(笑)。 でも今年はおみくじが吉だったんですけど(笑)。
――いやいや大丈夫ですよ(笑)。
藍井:はい(笑)。
――デビューはネット動画に投稿したりしていたのがきっかけなんですよね?
藍井:はい、そうです。
歌を諦めかけて、看護師の道に進もうと思っていた時期があり、それならば趣味として音楽を続けようと思ってネット動画に歌を投稿してみたんです。
そうしたら、「MEMORIA」を作曲した安田さん(Fumio Yasuda)にお声を掛けて頂き、作家さんだったこともあって自身の曲を持っていらしたので、安田さんの曲を歌わせて頂いたりしていました。
その後に「リスアニ!」という雑誌に持ち込みをして下さり、それがきっかけで誌面デビューすることが出来てCDを添付させて頂き、今に至る感じです。
――最初に「リスアニ!」のCDに収録されている楽曲を聴かせて頂いたんですけれども、その時に感じた第一印象は荒削りな部分はあるんですけれども、ポテンシャルの高さっていうのを感じました。
そして声が良く通る耳に残る声だなっていう印象が残りました。なのでボーカリストとしての資質はたくさん持っていらっしゃるなという感じがしましたね。
藍井:ありがとうございます。 今は慣れましたけど最初は自分の声がすごくキライだったんです。 聴くのが恐怖症になるぐらい(笑)、イヤでしたね。
――では10月19日にデビューシングル「MEMORIA」がリリースされましたけれども、デビューを迎えたところの今の率直なお気持ちを聞かせて頂けますか?
藍井:アニメのエンディングが決まった時にデビューの話を頂いたんですけど、そうなった時からもう既にずっと楽しみで、CDがリリースされる10月が楽しみで仕方なかったです。
そのアニメ作品を早く見たいなって楽しみにしていたのと、そしてたくさんの人に聴いてもらえたら良いなっていう期待でいっぱいでした。
――何と言ってもその作品がアニメファンにとってはあの「Fate/Zero」のエンディングテーマですものね。
藍井:友達が「Fate」関連にとても詳しくて、すごい興奮していましたね。
実はごく少数の人にしか私が歌をやっているっていうことを知らせてないんですけれど、その内の一人に言ったらすごく喜んでくれて、よし!頑張ろうと思いましたね。
――「Fate」は前作のアニメも大ヒットして、ゲームのファンも多いし、セイバーとか凛とした女の子が出て来ますものね。
藍井:そうですよね!
――その歌声の凛とした部分っていうのも重なるかなという気がしますよね。
藍井:ありがとうございます! 「Fate/Zero」のエンディングテーマを歌うことが決まってから、原作も読ませていただいたんですけど、すごく感情移入しやすいというか、普通に泣いたりとかしてしまいましたし、キャラクターの残酷な運命に顔を歪ませながら読んだりとかもしてて(笑)、これはハマるなって思いました。
――歌う作品があの「Fate/Zero」であるというところでリスナーの方も期待が大きいのかなと思いますね。
藍井:はい、期待に応えられるように頑張りたいと思います。
――ではこの曲「MEMORIA」なんですけれども、実際に歌ってみてどのような気持ちで歌われたりとかしましたか?
藍井:作詞にも参加させていただいたこともあったので、詞の内容に沿って感情を込めて歌いました。
――作詞にも参加されているということですが、どんな歌にしようと思って書かれたりとかしたんですか?
藍井:この曲「MEMORIA」の詞を作る時に思ったことは、アニメのイメージに合うようにということももちろんあるんですけれど、自分の気持ちも込めたいということでした。
凛とした強い女性のイメージで書いているんですが、私自身、そういう人になりたいし憧れるんですよね。
男性だったり子供だったり友達だったり、そして家族だったりっていう人達を守る強い女の人って、男性の強さとちょっと違って、陰ながら応援する強さみたいなところがあるじゃないですか?
そういう憧れの像を意識して書いたので、愁いもあるけど、それでも前を向いて闘って行くっていう感情を意識しながら歌わせて頂きました。
――なるほど。アニメの作品もイメージして書かれたということでピッタリな感じがしますよね。歌う時には苦労とかは無く歌えたんですか?
藍井:実はこの曲はすごく難しくて。結構キーが高かったんです(笑)。
最初は、高いから息切れがしてしまったりした部分もあったり、本当はここはこう歌いたいのにっていう部分が出来なかったり、ビブラートを入れたいのに上手く入れられなかったりとか、そういうところはちょっと苦労しましたけど、でもだんだんやっているうちに出来るようになりました。
なので結果的にはとても満足している作品になりましたね。
――高い部分も声を張らなくてはならない感じですものね。
藍井:そうですね、そして結構柔らかく高い声を出すのがまだちょっと苦手なので、もっともっと精進して行きたいんですけど(笑)。 技術面も含め抑揚を付けて歌うっていうことを意識してるんですけど、そういうところを出来るようになって行きたいですね。
――今回の出来に満足しつつも、もっと頑張ろうというところですよね。
藍井:はい。
――すごい向上心のある方なんだなと思いました。
藍井:そうやって思えるのがやる気にも繋がるというか、やっぱり最初に上手く歌えない部分があったっていう悔しい思いを減らすことを考えたりして、もっともっとサクサクッと出来るようになりたいです(笑)。
――まだまだこれからありますから楽しみですよね。
藍井:はい!
――では2曲目の「Back To Zero」ですが、こちらはどのような点にポイントを置いて歌われましたか?
藍井:この楽曲の詞は結構ダークな内容で人間の闇の部分についてだったりとか、負の感情というか、そういうものを意識して書いたんですけれど、サビのところでちゃんと光が見える詞になっているんですよ。
♪永い夜を越えたらきっと 悲しみのない晴れた日の朝♪とか、2番だったら♪抗い続けて 積み重ねた痛みの数だけ進んでいける♪とか。
実は私としては、全部が光の無い詞とかにはしたくなくて、どこか必ず暗くても辛くても光はあるっていうような内容のことを書きたいと思っているので、この曲もダークさ且つその中に光が見える詞と歌になっています。
――そういうところで書かれていたんですね。こちらの曲は歌の方はスムーズに歌えたんですか?
藍井:この曲も結構難しくて(笑)、そして歌い方を変えてみているんです。
「MEMORIA」とは違って聞こえるんじゃないかなと思うんですけど、ワザと声をちょっとハスキーめにしたりっていうふうに、そういうところはかなり意識して歌いましたね。
――表現方法を使い分けているんですね。
藍井:そうですね、本当はもっとわかりやすくというか、本当の激しさを表現したいというのはありますが、これからもっと表現も上達出来たら良いなと思っています。
――ライブの時とかそういうふうに表現出来たら良いですよね。
藍井:そうですね、今出来る精一杯のことはこの曲に詰めてるので、今後もっと成長した私を見てもらえたら嬉しいなと思います。
――楽しみですよね。そして3曲目「white world」のですが、個人的にはこの曲が一番好きだったんですよね。
藍井:本当ですか!ありがとうございます。
――3曲目はとても柔らかい感じで歌われていて、そしてこの曲は作詞作曲を手掛けていらっしゃるんですよね。
藍井:そうです、初めての作曲ですね。
――そんなふうにはとても思えなかったですね。
藍井:実は鼻歌でハミングしていたら出来て、これだ!と思って、何も音楽理論とかそういうのは全部無視して出来ちゃった曲なんですけど(笑)。
ディレクターの方に曲の構成とかいろいろ教えて頂いて出来たのがこの曲なんです。
――では作曲自体はスムーズに出来た感じですか?
藍井:実はちょっと掛かりましたね。
Aメロは1回自分で鼻歌を歌って思いついたものを録音して、自分でも不思議なんですけど、頭から離れることがなかったんですよ。
なんですけど、Bメロとサビが全然出来なくて、Aメロだけ先に出来ちゃって、サビどうしよう・・・っていう状況だったんですよね。
そこで目を瞑ってソファに座って、ボケーッと鼻歌を歌っていたら、来た!これだ!と思って(笑)、早速録音してという感じでした。
――すごい、まさに降りて来たという感じですね。
藍井:降りて来ましたねー。
――ではこの曲は曲が先で後から詞を書いたんですね。
藍井:そうですね、まさか1枚目のシングルにして作曲のチャンスを貰えると思っていなかったので、かなり自分でビックリしましたね(笑)。
――こちらは柔らかい感じでちょっと切ない楽曲なんですけれども、こちらの歌い方も先の2曲とはまた違っていますよね。こちらの曲はどのような気持ちで作られたんですか?
藍井:この曲は人との別れをテーマにしているんですが、距離が出来ると人って記憶とか思い出とか、そういうものに頼るんじゃないかなって思うんですよ。
そういう人って多いんじゃないかなと思うんですけど、私もその一人でして、やっぱり人と会えなくなったりした時の自分の経験談を歌っています。
♪寂しさ忘れるため 夢に頼る♪っていうところの歌詞が自分では結構気に入ってます。
――なるほど、結構リアルな感情が込められているという感じなんですかね。
藍井:そうですね、何かしらの障害があって遠い所にいるとするじゃないですか。
思い出したりするんですけど、会えないってわかってても会えるって信じたくなることってあると思うんですよ。
実際、ちょっと諦めてる気持ちはあるけど、それでも諦めきれないっていう感情を自分で経験したこともあったので、そういう意味では自分の感情をリアルに組み込めたんじゃないかなと思います。
――今回のシングルは3曲入っていますが、この曲が入っていることですごくバラエティに富んだ感じがするんですよね。デビューシングルにして藍井さんのいろいろな面も見せてくれているというところでも、とても聴き応えのある作品に仕上がっていますよね。
藍井:もっといろんな顔を見せて行けたらなと思っています。 私の歌い方もバリエーションとかももっともっと増やせたら良いなと思います。
――まだデビュー曲ですから、これからたくさん聴かせて頂く感じですよね。
藍井:はい、またいろんなものに挑戦してみたいですね。
――ではこのシングルはどんな人達に聴いてほしいなと思いますか?
藍井:3曲とも全部バリエーションが違うので、元気がない時に聴いてほしいと思うのは「Back To Zero」、守りたかったり好きな人がいたりする時は「MEMORIA」を聴いてほしいと思いますし、恋愛にしろ友達にしろ家族にしろ、会いたい人に会えなかったりする人には「white world」を聴いて頂きたいです。
――秋デビューということで、これから楽しみですね。
藍井:そうですね、秋ですね。秋って言ったら北海道は初雪が降りますからね(笑)。
――そうですよね(笑)。
藍井:まさに「white world」の状態ですね。 「MEMORIA」も涼しいというか冬のイメージのプロモーションビデオになっているので。
――私達、北海道出身の者にはタイムリーですよね(笑)。
藍井:そうですね、いろんな意味で北海道の人は「MEMORIA」とか見て、先取り出来るんじゃないかなと思います(笑)。
――季節感はピッタリですよね(笑)。
藍井:そうです、ピッタリですね(笑)、是非東京の方には北海道の雪を見て頂きたいですね(笑)。
――そうですよね(笑)、ではお話は変わりますが、藍井さんは自分自身を客観的に一言で表すならどんな女の子だったりしますか?
藍井:ゲーマーですかね。
――(笑)、そうなんですね。ゲーム大好きなんですか?
藍井:そうですね、私は結構自分で自分のことを知らないんだなって最近気づいたんですけど(笑)、周りに言われるのはやっぱりゲーマーっていうのと、考え方だったり趣味だったりっていうのものが男の子っぽいって言われます。
――ゲームはどんなのがお好きなんですか?
藍井:オンラインゲームに最近すごいハマッていて、前から家庭用ゲーム機でオンラインで繋いでやってたんですけど、最近対コンピューターじゃなくて対人戦がすごい楽しくて。
――ネトゲですよね。
藍井:そうです!もうすごいハマッちゃってて。
――ネトゲはハマリ道ですよ(笑)。
藍井:そうですね、かなりハマるんですけど、でもそれで何かを崩したりしたくないなって思って(笑)。
――程々な感じにしないとですよね。
藍井:そうですね、息抜き程度で(笑)。
――じゃあ、音楽以外でハマッているのはゲームという感じなんですね。
藍井:ゲームですね、最近というか、昔から本当にゲームが好きです。 後は犬とかの散歩が好きですね。
――近所を歩いたりとか。
藍井:そうですね、犬を2匹飼っているので犬を連れて散歩したりしていますね。
――なるほどそうなんですね。では藍井さんにとって歌を歌うというのはどういうことだったりますか?
藍井:一言で言うと"幸せ"ですね。
例えば何かすごい悩み事があったりとかすると、寝る前とか頭の中で自動的に考えちゃう時とかあると思うんです。
寝る前じゃなくても、ボーっとしてる時に気づいたら考え事してたりとか、考えようと思っていないのに勝手に頭の中に浮かんで、あぁしなきゃ、こうしなきゃって思う時とかもあると思うんですよ。
でもそういう凹む時というか、凹みそうな時の要素というか、考えてしまう時とかに何か夢中になれることがあったら忘れられるし、それがきっかけで楽しくなったりとかすることってあると思うんですよね。
それが私の場合、歌なんです。
後は、最近は作詞したり作曲したりするのも、すごい気分転換になります。
リフレッシュ出来るというか、何か清々しい気持ちになったり、自分で自画自賛したりとかもするんですけど(笑)、それぐらいかなりリフレッシュに感じたりとか、幸せを感じたりするのが私にとっての歌ですね。
――なるほど、ではこれからデビューして今後どのようなヴォーカリストになりたいなという想いがあったりしますか?
藍井:向上心を持つことを忘れたくないですね。
例えば失敗してもそれを糧として成功に繋げるためにちゃんと必死でいたいし、歌に関してはずっと目標にしていることがあって、抑揚をもっと付けて、もっともっと聴いて下さる方々に自分の感情が伝わるように、感情表現を豊かに歌いたいと思っています。
CDはスピーカーを通していて、私が目の前で歌っているわけじゃないじゃないですか?
でも、そのスピーカーっていうフィルターがまるでないかのようにダイレクトに感情を届けられるような、そういうアーティストを目指しています。
――最初からすごく向上心があって目標値が高いので今後すごい大物になりそうですね。
藍井:なれますかね(笑)。
――今後、歌手、藍井エイルとして叶えたい夢というのを教えて頂けますか?
藍井:叶えたい夢はですね、ライブがしたいですね。 応援してくれている方に会いたいです!
――これからファンになるみなさんもライブ会場でお会い出来そうですね。
藍井:そうですね、お会いしたいです!
――それでは最後にファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。
藍井:今回のデビューシングル「MEMORIA」には3曲入っているんですが、1曲1曲全部がジャンルが異なっていて、いろいろな気持ちに応えられるような1枚になっていると思います。
その1曲1曲の中でも私は強い想いを抱いて作詞をしたり歌ったりしているので、ぜひデビューシングルを聴いて頂きたいです。
あと、私の公式サイトでは「MEMORIA」のプロモーションが見れるので、もし興味を持って頂ける方がいましたら、チェックして頂きたいなと思います。
そして、みんなで「Fate/Zero」を見て盛り上がっていきたいです!
――ありがとうございました。
藍井:ありがとうございました。
(text by takahashi)