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ホーム >ミュージック >特集 >アリス九號. 特集


久々に耳に残る音楽と出会った気がする。
アリス九號.をご存知だろうか。
完成度の高い音楽とライブ重視の活動が瞬く間に好評を博し、2005年8月には、結成一年にしてなんとSHIBUYA-AXを満員にしてしまったバンドだ。当日の模様はライブDVD『ALICE IN WONDEЯ FILM』に収録されているので、ぜひチェックしていただきたい。
一貫したコンセプトを感じさせながらも、常に変化し進化を遂げるサウンドを提示するアリス九號.。
2006年の彼らは、New Maxi Single2ヶ月連続リリースという形で船出する。

まずは1月25日発売のリリース第一弾、『九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-』。
怒濤の勢いでほとばしるヘビーなギターサウンドは、圧巻の一言に尽きる。ダークな一面を見せながら、一気にポップへと転じる展開も心にくい。これまでのアリス九號.が提示してきたロックが、更に磨き抜かれたかのようだ。
カップリング曲の「RED CARPET GOING ON」では、ヴォーカルとギターは無論のこと、ボトムパートを支えるベースとドラムのサウンドにも耳を傾けてほしい。メロディを凌駕するほどのアグレッシブなリズムに全身を揺さぶられることは必須だ。
Type-Aにはタイトルナンバー「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」のPVを収録したDVDが付属するので、彼らの楽曲を映像とともに楽しんでほしい。
同時にリリースされるType-Bには、ボーナストラックとして「戦場に花束を」が収録される。
重低音を基調としたヘヴィでメロウなサウンドが、少しずつ速さと重みを増し、サビで炸裂する展開のなんと心地いいことか。間奏で暴れるギターはもはや必聴だ。ライブで演奏されることをついつい期待してしまう一曲に仕上がっている。ぜひチェックしていただきたい。

休む間もなく、第二弾の『FANTASY』が2月22日に発売される。
第一弾とは打って変わった切ないポップサウンドは、アリス九號.の真骨頂だ。幻想的な世界観を表現する歌詞と、力強くも優しく歌い上げるヴォーカルが心地いい。ギター、ベース、ドラムを含めて、サウンドの厚みは巧みに変化しながら展開してゆく。これが楽曲の持つ物語の進行に対して絶妙な演出を施しているのだろう。ピアノから始まるサウンド的なアプローチも、雰囲気を高めることに貢献している。
カップリング曲の「檸檬」とともに、一つの連続した物語を構築しているようにも感じられる。
こちらも、DVDつきType-Aと、ボーナストラック収録Type-Bの同時リリースだ。
Type-Aには、タイトルナンバー「FANTASY」のPVが収録される。
この物語性豊かな楽曲を、いかに映像として表現するかという点も見所だろう。どうぞお楽しみに。
Type-Bには、ボーナストラックとして「天体アンブレラ」が収録される。
将の書く詞を読むと、彼が作詞家としても大変な才覚を持っていることに驚かされる。
「天体アンブレラ」には、淡い情景描写に切ない心理描写が巧みに織り込まれており、確固とした物語を構築しているのだ。もちろんその物語を紡ぎ出すのは、将自身の高音ながらも揺るぎのない声。「FANTASY」とも「檸檬」とも違う、もう一つの物語。
これは聴かないわけにはいかないだろう。

なお、同日にもう一枚のシングル『暁/幾億のシャンデリア』が発売される。
ポップとハードが両立するアリス九號.の王道路線だ。こちらも聞き逃せない。

2005年は、アリス九號.にとって激動の一年だったのではないか。
冒頭でも触れたが、SHIBUYA-AXでのツアーファイナルを始めとして、経験した数々のライブは彼らを確実に成長へと導いた。この勢いは2006年もとどまるところを知らない。
今回の2ヶ月連続リリースを経て、2006年4月26日には初のフルアルバムが予定されている。
今からリリースを待ち遠しく思う人も多いだろう。
もちろん彼らのライブも、忘れてはならない。
初のフルアルバムを引っさげてのワンマンツアーが、5月に行われる。
「楽しむ」ことを大切にし、ステージパフォーマンスも好評なアリス九號.のことだ。きっと素敵な時間と空間を提供してくれるのだろう。ともに追いかける者だけが行ける世界へと、彼らはきっと連れていってくれる。

アリス九號. - alice nine. - メールインタビュー

――自己紹介をお願いします。

将:ボーカルの将です。
ヒロト:上手ギターのヒロトです。
虎:下手ギターの虎です。
沙我:ベースの沙我です。
Nao:アリス九號.ドラムのNaoです。

――お互いに、バンド内での役割やそれぞれの性格などを混ぜて、自分以外のメンバーを紹介してください。

将:
ヒロト=熱いムードメーカー
虎=ニヒルなクールキャラ
沙我=天然
Nao=変人だけどいい人

ヒロト:
将=アートな人間。自分を凄く持ってる人。
虎=突発的に凄いアイディアを出す人。
沙我=場を和ませてくれる人。セクシー。
Nao=?

虎:
オレ=はぐれキャラ。
その他=パーティキャラ。

沙我:
将=悟空。
ヒロト=悟飯。
虎=ピッコロ。
Nao=クリリン。

Nao:
将=裏原系。
ヒロト=ギャル男系。
虎=お兄系。
沙我=ヴィジュアル系。

―― 1月25日に『九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-』(以下九龍)、2月22日に『FANTASY』と『暁/幾億のシャンデリア』がリリースされますが、その新曲の中でも、個人的にお気に入りの一曲やお薦めの一曲を教えてください。

将:「幾億のシャンデリア」はキーが高くて大変でした。『FANTASY』のCWの「檸檬」が好きです。

ヒロト:「FANTASY」。個人的に感情の固まりの曲なので。あと、「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」の3曲でライブで暴れて下さい。

虎:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」。激しいぜ!?

沙我:全部。

Nao:あえて薦めるなら「幾億のシャンデリア」です!!

――『九龍』はロック色が強く、『FANTASY』はポップな作品が収録されていると思うのですが、今回の作品はそれぞれどんなコンセプトで制作されたのでしょうか。

将:アリス九號.の2006年式両極端を表現したく制作しました。

ヒロト:アリス九號.の両極な音楽性を表現する為のシングルです。

虎:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」はヘヴィに、「FANTASY」は聴きやすく!

沙我:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」=赤い炎
    「FANTASY」=青い炎

Nao:激しい部分と聴かせる系です。

――シングル連続リリースは2005年にも行われていますが(現在『華想夢草紙』に収録)、2006年の初リリースとなる今回のシングル連続リリースで、『九龍』と『FANTASY』の関連性は何かありますか。

将:『九龍』は“闇ニ散ル桜”寄り、『FANTASY』は“銀の月 黒い星”寄りな世界観です。

ヒロト:楽曲のアプローチ。共通性を持たせているのに、まったく逆の楽曲になっている。

虎:ある。というかどんな曲を出してもアリス九號.。

沙我:両極。

Nao:アリス九號.の激しい部分と聴かせる部分としてのリリースなのですが、どちらも2006年の心身といった感じです。

――新曲を制作する上で、サウンド、楽曲、歌詞の面などでこだわった点や、聴きどころについて、教えてください。

将:より高い次元での作品に対するジャッジ。自分的には良いメロディーが付けられたし、気持ち良く歌詞も書けました。歌詞はメッセージ性のあるものと無いものを徹底的に分けました。詩的な歌詞も好きなので。

ヒロト:今までに無いくらい、レコーディングにまったく妥協せずに制作しました。個人的にですが、どの面にもその時の感情や気持ちを音に込められるまで弾いたのでそこを感じてほしいです。

虎:ヘヴィなギターとクランチの使い分け。

沙我:色々なタイプの曲でも共通する部分

Nao:今回はより音楽の幅を広げ、新しいアリス九號.の一面を出していこうと思いました。

――レコーディングで演奏される際に、どんなところに重点を置きましたか。

将:ピッチ 情感 ハート

ヒロト:ニュアンスとエモーショナルさ。

虎:リズム。

沙我:厚みのあるグルーヴ。埋もれないベース。

Nao:激しい曲はとことん激しく、シンプルな曲はシンプルになりすぎないよう臨みました。

――レコーディング中に起こったエピソードで、何か面白かったこと、楽しかったこと、逆に大変だったことなどがありましたら教えてください。

将:沙我くんといると毎日バラエティーです(笑)

ヒロト:毎日、昼から翌朝8時くらいまでひたすらレコーディングの日々で5Kgくらい痩せた。

虎:ドリームキャストが置いてあってしばらくやってしまった(笑)

沙我:ニュアンスの為、曲の場面によってチューニングを変える。結構めんどい…。

Nao:レコーディング中はみんな寝ずに臨んでいたので半分トランスしていたような…(笑)

――新曲のメロディやアレンジについて、どういう瞬間にアイディアやモチーフが浮かんだのでしょうか。曲名も添えて教えてください。

将:「FANTASY」は昔亡くした友人の事をまだ引きずっている自分に対して納得させる為にも死ぬ程悩んでメロと歌詞は考えました。
原曲のヒロトの夜明けからの星空が薄れゆく様を詩に乗せ、日々薄れゆく悲しみ、感情、思いに重ね考えました。基本的に作業は夜中のハイテンションなうちにします。

ヒロト:「FANTASY」曲自体は夜、外で星を眺めている時に出来た曲です。アレンジはレコーディングするその時に感情のままに考えました。

虎:全曲、何気ない行動していると浮かぶのです。

沙我:1フレーズ思い浮かべばあとはOK!

Nao:自分の中で曲の世界をイメージしてアレンジしました。

――Vo.の将さんに質問です。「FANTASY」は『ALICE IN WONDEЯ LAND』収録の「平成十七年七月七日」と同じく星空や夜空がテーマとなっていますが、この二曲は互いにつながりがあるのでしょうか。

将:原曲者のヒロトが星が好きで、自分も好きなので別の意味でのアナザーストーリー的な続編として考えました。「平成十七年七月七日」はお伽話なのに対し、「FANTASY」は大事な人へのメッセージソングです。

――シングル『FANTASY』収録の「檸檬」はせつない曲ながらメロディとリズムがしっかり構築されていて、アリス九號.の良さが強く出ている一曲に仕上がっていると思います。この楽曲を「檸檬」と名づけたのはなぜなのでしょうか。「檸檬」が象徴する意味についても教えてください。

将:刹那的で退廃的な世界観ながらも、結局は病気で命を落とす男が初恋の人に会いたい、と願う、実はシンプルな恋情の甘酸っぱさと、自分の絵的イメージの病室の中に差し入れのレモンがあり、それらがリンクした為付けました。
曲の世界観的には物凄くセピアなんですが、描かれている気持ちは凄くヴィヴィッドな色だと思ったのもフルーツの名前にした意図ではあります。

――『九龍』と『FANTASY』にはDVDつきのType-Aがリリースされますが、今回のPVはどういうふうに仕上がりましたか? テーマやコンセプトなども交えて、教えてください。

将:『九龍』はギターの虎のイメージで、閉鎖された空間で抑圧された子供が、外の光に自由を求めている、というテーマです。閉鎖と解放。『FANTASY』は星空、夜明け、少年、をテーマに敢えていろいろな人の解釈を交えたPVになってます。
歌詞的な部分だと重すぎるきらいがあるので…。単純にスタイリッシュさを追求してるんで、そこも“銀の月 黒い星”に近いですね。

虎:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」山の中で子供を助ける感じです。

沙我:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」はアグレッシヴ。「FANTASY」はスタイリッシュ。

Nao:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」は彩度が落ちていてかっこ良く仕上がっていると思います。「FANTASY」はシンプルにかっこ良く仕上がったと思います。PV映像と楽曲をリンクさせて聴いてほしいです。

――2005年のワンマンツアーファイナルの公演を収めたDVD『ALICE IN WONDEЯ FILM』がリリースされました。アリス九號.初のライブDVDですが、見どころなどを教えてください。

将:俺達はハートで音楽をやり、それ以外の何者でもないという事。力み過ぎて初々しいおれらを見て下さい。

ヒロト:あの日の、あの瞬間のアリス九號.と、あの場所に居た人の熱がそのまま詰まっているのですべてです。

虎:見所はいっぱいあるけど、泣いてるところとか(笑)

沙我:メンバー一人一人の個性。ライヴで生きる曲。

Nao:涙あり、笑いありのアリス九號.初ワンマンツアーの集大成になってます。是非見てほしいです。

――新曲の中で、ライブで演奏することを意識して作った曲がありましたら、曲名を教えてください。

将:「RED CARPET GOING ON」パーティーチューンです。拳COME ON。です。

ヒロト:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」と「RED CARPET GOING ON」。「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」はひたすらぶっ壊れられる曲という事で。「RED CARPET GOING ON」はひたすらバカ騒ぎ出来るように。

虎:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」。

沙我:「RED CARPET GOING ON」。

Nao:「九龍-NINE HEADS RODEO SHOW-」です。ライヴでもノリノリです!!

――2006年はアリス九號.にとってどんな一年にしてゆきたいですか。

将:ツアーを死ぬ程したい。音楽を五感全て使って表現できるようになりたい。

ヒロト:アリス九號.以外のバンドでは出来ないような活動をしていこうと思います。

虎:突き抜けて行くぜ!?

沙我:更なる進化。

Nao:2006年、更に飛躍した年にしたいです。

――ファンの方へ一言お願いします。

将:今年も振り回してしまうかも知れないですけど、姿勢は常に全力でいきたいんで。手加減なしでついて来て欲しいです。よろしく!

ヒロト:どこまでも行こう。

虎:いつもありがとう。アリス九號.はもっと楽しく良い曲を作ってみんなを待ってるよ!

沙我:SEXYに。特に下手側。

Nao:これからもみんなと一緒にシーン全体を盛り上げて行きたいので宜しくお願いします!!

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発売日: 2005/11/23 | アルバム CD 試聴あり
廃盤(購入不可)
2860円(税込)


プロフィール:

将
◆Vocal:将<しょう>


ヒロト
◆Guitar:ヒロト


虎
◆Guitar:虎<とら>


沙我
◆Bass:沙我<さが>


Nao
◆Drums:Nao<なお>


★ アリス九號. オフィシャルサイト ★
http://www.pscompany.co.jp/alicenine/

★ アリス九號. キングレコードサイト ★
http://www.kingrecords.co.jp/alicenine/
(Text & Interview By Denno)

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