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2005年夏頃、ネット・サーフィンをしていたらグルーヴ感溢れるバンドを見つけてしまった。その名もSOFT。輸入盤としても日本に音源が出回っていなかったが、メールリストへ登録すれば楽曲をDLする事が可能だった。直ぐに登録を済ませ、曲を聴いてみる事に。

「THE STONE ROSESの再来か!?!?!?」。

UK風味のサウンド…と言うか、もろにUKサウンドをかき鳴らしているバンドなのだ。が、SOFTはアメリカのバンドである。けれども、キラキラと輝きつつも底辺に湿り気を感じる様なサウンドは、正しくUKバンドそのものなのだ。実際、THE STONE ROSESやOASISに影響された部分が大きいバンドであり、UK出身と思えてしまうのも無理はないのである。にしても、このメロディー、ギターの鳴り方、ローゼズ好きは勿論、シューゲイザー好きにもたまらないバンドだろう。とにかく久方ぶりのヒット!!・・・そう思えたバンドが、SOFTなのだ。

 そのSOFTの日本デビューが決定した。デビュー前からモンスターバンドっぷりを発揮していた彼等だが、未契約でHARD-Fi、MARK GARDNERからの前座指名を受けてUKツアーを経験していたりと、セルフ・リリースしたEP一枚だけのバンドとは思えない事をやってのけていた。それだけではない。そう、彼等のルックスの良さも女性ファン等の注目を集めている。とにかくオシャレな男達をまだ知らない人は、デビュー・アルバムを要チェック!!

ホット・クラブ・アンド・ザ・スモーク・マシーン
ソフト
ホット・クラブ・アンド・ザ・スモーク・マシーン ストーン・ローゼズの再来とも言われているSOFTが早くも日本デビュー!!US出身とは思えぬメランコリックなサウンドは、UKロック好きが注目する一枚。既にMAROON 5のオープニング・アクトを経験して.....
アルバム CD | 2006/03/08 | 2200円(税込)
廃盤(購入不可)
試聴あり

★OFFICIAL WEB SITE★
http://thebandsoft.com/

◆PROFILE ◆

John Reineck(Vocal)
Vincent Perini(Guitar)
Sam Wheeler(Guitar)
Dino Siampos(Bass)
Chris Colley(Drum)

◆SOFT インタビュー◆

―― バンド結成の経緯を教えて下さい。

ヴィンセント:共通の友達を通してニューヨークで知りあいました。

ジョン:ヴィンセントとは90年代半ば位にソーホーのバーで逢ったんだ。暫くは友達って関係までにはならなかったんだけど、OASISが大好って話から友達になったよ。
サムとは知り合って2年経過していたけれど、サムのライブを見た事もないのにバンドに入らないか?って誘ったんだ(笑)
ディノはサムが連れてきたんだ。ヴィンセントとクリスがオースチンで会って・・・。バンドが結成する前に、既に皆が友達だったんだ。いいでしょう!


―― (笑)確かに、それはとてもいい事だよね。バンドとして一体感を得る事は難しい部分でもあるから、友達だとやりやすい部分は沢山出てくるよね。なるほど。だから曲から一体感が伝わってくるんだね。音楽を始めたのはいつ頃からですか?

ヴィンセント:カリフォルニアで「Supersonic」を聴いた事が音楽を始める一番のきっかけになったよ。

ジョン:僕は生まれて間もない頃からウェスタンミュージックのライブによく連れて行ってもらってたんだ。5歳でピアノを弾くようになって・・・そぅ、ラジオはずっと好きだったよ。

―― なるほど。バンド名にはどんな由来が?

ヴィンセント:バンド名が思いつかなかったから、友達のミッキーにその話をしたらいくつかアイディアを出してくれて「ソフト」って言われたんだ。一味違う感じだったからこれに決定したんだ。

ジョン:「ザ」が付かなかった限りは満足だったよ(笑)名詞じゃなくて形容詞だったしね。嬉しかったよ。

―― なるほどね(笑)日本デビューが決まった時どんな気持ちだった?

ヴィンセント:素晴らしい!って思ったよ!自分が一生懸命やっていることを、地球の反対側でも人が聴いて楽しんでいることが分かって、とても嬉しかったよ。

ジョン:自分の知らない地球の反対側でそんなことが起こっていると知って、僕達は本当に興奮したよ。

―― 私も去年の夏前にSOFTを見付けて、初めて聴いた時はとても興奮しましたよ。凄いバンドが居るぞ!!日本デビューどころか輸入盤すらも出回ってない!?!?何をしてるんだ、日本は!!…ってね(笑)そうしたらその半年後には日本デビューが決まってアルバムが発売。
今回のアルバム「HOT CLUB AND THE SMOKE MACHINE」のテーマ、コンセプトは?

ヴィンセント:自信を感じるような作品を作りたかったんだ。格好いい音楽が多い今でも目立つような作品を作りたかったんだ。

ジョン:そうだね。迫力、力、自信、ポップ、壮大なコーラス、でかい・・・って感じの作品をね。

―― 歌詞には自分の感情を投影する方ですか?どんな時に詞を書いているの?

ジョン:そうだね、全曲が結構パーソナルな感じかな。歌詞を通して感情を掴まえようとしているよ。とにかくいつも音楽を作ってる。朝はピアノを弾いたり、町中を歩いている時もテープレコーダに歌ったり、晩御飯の後はバンドと練習したり、その後ヴィンセントと一緒に曲を悩んだり・・・。常に音楽の事を考えているよ。

―― なるほどね。楽曲は全体的にギターの歪みが特徴的だよね。曲を作る上で重要視している部分はどんな所?

ヴィンセント:最初にベースとドラム・・・グルーヴを作るんだ。グルーヴが一番大事だからね。それでギターを重ねて楽曲を固定して、そこにヴォーカルを加えると重要なポップ感が入って来て曲が安定するのさ。

ジョン:その通り!!歴史に残るようなメロディーを作ろうとしてるよ。

―― 日本ではTHE STONE ROSESの再来とも言われているけれど、本人達はそれを聞いてどう思う?実際、THE STONE ROSESに影響された部分はある?

ヴィンセント:最高の褒め言葉だと思ってるよ!! ROSESは最後までやる機会がなかったから、再来が本当に必要なバンドだと思っているよ。SOFTがすることは全部THE STONE ROSESに影響されているし、全部ROSESの水準で評価しているよ。

ジョン:THE STONE ROSESに影響されてないバンドっているのかなぁ・・・。

―― THE STONE ROSESに影響されたバンドは多いけれど、勿論影響を受けてないバンドもいるよね。
今回アルバムを作る上で一番苦労した点はどんなところ?

ヴィンセント:苦労した点はなかったかな。本当にスムーズに作る事が出来たよ。

ジョン:グルーヴを生み出すのは時間がかかるけれど、それを苦労とは思わない。6ヶ月間に渡ってグルーヴを強化するのが僕は好きなんだ。

―― 逆に、楽しかった点はどんなところ?

ヴィンセント:レコーディングの過程で音楽がどうなるのかが楽しみだったよ。もう一つの作曲段階みたいな感じだからね。録音されると曲に新たな魂が吹き込まれるからね。

ジョン:僕にとって一番面白かったのは、アルバムが完成してから一ヶ月ぶりにまた練習する事かな。ずっとレコーディングした同じものを聞いて、聞いて、聞いて、、、それからスタジオに入って練習すると、まるで他のバンドが演奏しているような感じがするんだ。魔法みたいだよ。

―― 魔法ってステキな表現の仕方ですね。アルバムの中で好きな曲を一曲だけあげるとしたらどれかな?

ヴィンセント:「gold」だね。ライヴをやり始めた頃に「レゲエを演奏するオアシス」と例えられたんだけれど、「gold」がこの例えにぴったり合うんだ。グルーヴも素晴らしいよ!!

ジョン:「gold」で皆が自分の道を見つけた感じなんだ。この曲は新しい事に挑戦してみて、バンドを自分のイメージに作り直した曲なんだ。

―― バンドを自分のイメージに持って行く作業ってなかなか苦労するよね。確かにじっくり聴いてみると、この一曲はアレンジやら響いてくるものがとっても深いんだよね。今回のアルバムの聴きどころはどんなところ?

ヴィンセント:「higher」の最後の「パチン」という音・・・かな!?!?録音して聴いた時にその音が出てるんだけど、消してないんだ。

ジョン:ははははははははは。頭がマイクにぶつかった音だ(笑)

―― あはははは(笑)きっとこれを読んだ皆は、今、一斉に最後の部分を聴いていると思うよ(笑)そういうユーモア性とか音楽を作る上でも生きて行く上でも凄く大切だよね。アルバム製作中のエピソードなんかをもっと聞かせて欲しいな。

ヴィンセント:幽霊が出る牧場にある、元ストリップクラブに使われていたスタジオでレコーディングしたんだ。煙突の前に寝て、たくさんお酒を飲もうとしたよ。あちこちに巨大な犬がいたなぁ・・・近くに滝もあったよ。

ジョン:その滝でシャワーを浴びたよ。ある日車の中で寝たら、誰かに見られている感じがして起きてしまったんだ。目が覚めたらでっかい目が僕を眺めてたんだ・・・・・・・・・・・馬でした。

―― あはは(笑)そのシーンは想像しやすいね。面白い(笑)アルバム制作時にはどんな音楽を聴いていたの?

ヴィンセント:よくは覚えてないけれど、多分ジェーンズ・アディクションOASISTHE STONE ROSESぐらいかな。殆どの場合それを聞いているからね。ディノは多分ダブを聴いてて、ドラマーがポリスかな。

ジョン:僕はケミカル・ブラザーズジョージ・マイケル

―― なるほど。そう言えば、日本盤のライナーノーツの冒頭に「親愛なるロックバンド達へ。お願いだからそのディスコ・ビートをプレイするのをやめてくれないか?― 愛をこめて SOFT」と、意味深なメッセージが書かれていたけれど、これにはどんな意味がこめられているの?他のバンドへの挑戦状とか…?

ヴィンセント:すべてのバンドへの挑戦状だよ。最近の音楽は硬すぎると思うんだ。グルーヴをもっと大切にして欲しいんだ。後、不思議なネクタイをやめて欲しい・・・。

―― 不思議なネクタイ・・・(笑)

ジョン:やっぱりグルーヴだよ!

―― SOFTが奏でる音楽は、USのバンドというより、UKのバンドが鳴らす音に近いよね。今までに聴いてきた音楽のルーツはどんなものだったの?

ヴィンセント:幼い頃は皆と同じように、ザ・ビートルズと、ザ・ビーチ・ボーイズを聴いていたんだ。高校に入ってからミスフィッツなんかのハード・コアとパンク・ミュージックを聴き始めたんだけれど、OASISを聴いた時に全てが変わってしまったんだ。

ジョン:カントリー・ミュージック、ザ・ビートルズ、インダストリアル・・・つい最近ヴィンセントもSisters of Mercyが好きだと初めて分かったんだ!・・・それと、U2REM、ハード・コア、レゲエ・・・なんかかな。

―― 影響を受けたアーティストは?

ヴィンセント:「morning glory」を聞いた時、最高だ!!って思ったよ。

―― ヴィンセントは心底OASISに揺れ動かされたんだね。

ジョン:僕はPIXIESだね。

―― PIXIESも生で観ると本当に大きな衝撃を受けるよね。
ところで、MAROON 5ロンドン公演でオープニングアクトを務めたけれど、その時どんな気持ちでプレイしたの?アウェイ過ぎる!と思っていたメンバーも居たって聞いたけれど?(笑)

ヴィンセント:全然そんなことなかったよ!!あんなに大勢の人たちの前で演奏したのは、むしろ自然な事だと感じたよ。それにMAROON 5のメンバーの事は大好きだしね!!以前からいい友達なんだ。

ジョン:とんでもない!!あんなに大勢の人たちの前で演奏するのは自分たちの音楽的にとってすごく自然な事だったよ。原点に帰った感じがしたよ。

―― MAROON 5だけじゃなく、他にもHARD-FiMARK GARDNERから前座指名を受けたりもしていますよね。未契約の状態でそこまでオファーが来てしまって、戸惑ったりはしなかった?

ヴィンセント:嬉しいって感じたよ。

ジョン:SOFTはずっと、ちょっと違うバンドだったからね。

―― なるほどね。今後、楽曲を作る時やLIVEで共演してみたいアーティストは?

ヴィンセント:THE SECRET MACHINESのレコードが結構好きだから、どうやってスタジオで音を作っているのかが見てみたいなぁ・・・。共演と言えば、今ニューヨークで活動しているのはとってもラッキーだし、大好きなLevyとMy Best Fiendとはいつでも共演できるよ。素晴らしいシーンだよね。

ジョン:BRMCYeah Yeah Yeah'sと共演したいな。今のところ一番いいアルバムを作っているバンドだって思ったからね。

―― 猛スピードで音楽シーンを駆け上がってるけれど、自分達がそんな早くに人気が出るって予想はしてた?

ヴィンセント:最初からビッグな曲を作っているのは自分達で分かってたし、ずっとゴールや希望を持って活動してたんだ。どうなるかは分からなかったけれど、ちゃんとした物を出せば、ちゃんと受け入れられるっていう事は分かっていたよ。

―― バンドをやってる人達には力強いメッセージだね。

ジョン:早かったかな?(笑)

―― そうでもないかな?(笑)自分達の人気が出てきたって確信したのはいつ頃から?

ヴィンセント:完成したアルバムを聴いた時だね。どうなるか分からなくてもやりたかったことをやり遂げたのが分かったんだ。

ジョン:バンドの1stソング「You Make Me Wanna Die」を初めて弾いた時だね。

―― 今年はいよいよSOFTのライヴを日本でも観る事が出来ますね!! KISSJEFF BECKなどのビッグ・アーティストの出演が決定している、夏に日本で行われる「UDO MUSIC FESTIVAL 2006」への出演が決定したけれど、どんなステージにしようと考えてる?

ヴィンセント:どこでやるかに関わらず、なるべく激しく演奏しようと思っているよ。KISSのカバーしようかな!!・・・いや、しません(笑)

ジョン:ラウドなやつを!!

―― 曲は何曲位やる予定?

ヴィンセント:短いセットが好きなんだけれど、いつも9曲位お願いされるんだよね。でも、理想的なのは6曲位なんだ。一回THE DWARVESを観たんだけど、10分だけ演奏しても最高に激しかったんだ。まだ覚えてるよ、その事は。当たり前だけどね。

ジョン:全曲を2回演奏したいな。

―― あはは(笑)それはファンにとってはたまらないライヴになりますね(笑) 来日公演ではアルバムには収録されていない新曲が聴ける可能性もありそう?

ヴィンセント:そう!!今新しい曲を作っているし、新曲もサイケデリックなジャムも山ほどあるんだ。

ジョン:そう、凄い新曲は沢山あるんだ。大勢の人達に聴かせるには丁度いいと思う。

―― 「UDO MUSIC FESTIVAL 2006」以外に来日する予定は?

ジョン:あるよ!!秋にジャパン・ツアーする予定だよ。

―― これは嬉しい情報ですね。LIVEで注目して欲しい点はどんなところ?

ヴィンセント:グルーヴ!!飛び込んできな!!そして、俺のギターがとっても素晴らしいよ。黒と金色のやつで弾くよ。

ジョン:僕達のショウは本当に踊れるんだ。だから、観客を躍らせたいな。

―― ジョンはかつて大阪に住んでいた事もあるんだよね?その頃はどんな音楽をやっていたの?

ジョン:音楽を作るより、色々な事を吸収していたよ。けど、サックスは持ってたよ。

―― SOFTではどんな事を表現して行こうと思っているの?

ヴィンセント:曲やメッセージをわざわざ解説されるのは苦手なんだ。全てが台無しになる感じがしてしまうから。だから、曲を感じてもらったら十分だと思っているよ。

ジョン:一晩中踊って!!

―― 音楽とは自分にとってどんなものですか?

ヴィンセント:とってもとっても素晴らしい音楽があって、とってもとっても素晴らしい音楽ならば最高に大切なものだって思う。

ジョン:最高の表現だと思っているよ。

―― 音楽を通してリスナーにど伝えて行きたい事はある?

ヴィンセント:伝えたいことはあまり大事じゃないと思ってる…聴く人によって意味が違うからね。

ジョン:何も伝えようとはしないよ。自分の事をやって、ほかの人が一緒にしてくれれば嬉しいよ。

―― 2ndアルバムの構想はもう練ってたりするの?

ヴィンセント:自然に構成を付けようと思っているけれど、今度は多分もっとサイケデリックにしながら、また、キャッチーなものも入れようと考えているよ。SOFTにとってポップが大事だから。

ジョン:話さずに、考えずに、全てが起こるよ。

―― 楽しみですね!!音楽以外で好きな事は?

ヴィンセント:ボクシングが結構好きなんだ。でも、腕が駄目。あとはお酒を飲んだり太陽の下に座っていたりするのが好き。

ジョン:ナポレオン戦記が好き。

―― 日本でやってみたい事はありますか?

ヴィンセント:アサヒビールを自動販売機でも売っていると聞いたことがあって、あれを是非試してみたい!!日本には行った事がないから何があるか想像できないけれど・・・でも、楽しみにしているし、いろいろ試してみたいと思っているよ。

ジョン:本物のお好み焼きが食べられる!!って興奮してるよ。

―― ビールにお好み焼き、、、やはり食に興味が行くもんなんだね。是非納豆も試して欲しいな・・・(笑)日本で好きなアーティストはいる?

ヴィンセント:AFRIRAMPO!!その他は分からないから、日本へ行った時探さなきゃ。何がお薦め?

―― そうだねぇ・・・AFRIRAMPOがお気に入りならば、少年ナイフも気に入るかも知れないね。あとはCIBO MATTや・・・ちょっと異色なところでMONOなんかも海外で人気があるよ。

ジョン:奥田民生は天才!!あとは、サザンオールスターズUA

―― うん、素晴らしいアーティストだよね。それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします!!

ヴィンセント:いつも応援してくれてありがとう!!日本で会いましょう!!

ジョン:応援してくれてありがとう、日本でライヴをするのが楽しみだよ!!

―― ありがとうございました。

(取材・文 磯山みゆき / Translated by Daniel)


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