収監を数日後に控えた羽原組組長・羽原大介(西田敏行)には、やり残してしまった事が二つある。一つは25年前に生き別れてしまった娘・かおり(常盤貴子)に再会すること。そしてもう一つは、大好きなジェームス・ブラウンの名古屋公演に行くこと!「もう一回だけ、会いたかったなぁ…」と力なく呟き、もう組を解散すると言い張る羽原組長の横で、弟分の金山組組長・金山(岸部一徳)はある決心を固め、数日後、子分の太郎(山本太郎)たちにトンでもない命令を下す。「いますぐジェームス・ブラウン、さらいに行って来い!!」果たしてJBの誘拐は成功するのだろうか!?
毒舌評論家のイメージがすっかり板についてしまった感のあるマルチな監督・井筒和幸が、満を持して作り上げた作品「ゲロッパ!」が、特典満載の超お買い得盤DVDでいよいよ登場!「ゲロッパ!」とは、ソウルの帝王“JB”ことジェームス・ブラウンの名曲「セックス・マシーン」の歌詞“Get
up !”のこと。JBの名曲から「ガット・トゥ・ビー・リアル / シェリル・リン 」「ダンス・ダンス・ダンス / シック」などの懐かしのディスコソング目白押しで、とことんJB、とことん70'Sにこだわった映画に仕上がった。いくつもの物語が同時進行し、まさにジェットコースターばりに展開するが、いつしかラストシーンですべてが一つになり、思わずホロリとさせられてしまった。
ジェームス・ブラウンに憧れるヤクザの組長を演じる西田敏行が実に表現豊か。関西弁で日本人の心をつかんだ笑いを随所にちりばめながらも、娘との再会を願う父親としての切ない思いを、しっかりじっくり演じている。ファンキーな弟分役の岸辺一徳も絶妙なツッコミを入れてくれてる。この2人を観ていると、男ってのはいくつになっても夢を追いかけていたいものなんだなと、思わず観ている顔がほころんでしまった。 この映画は若者からお年寄りまで、幅広く支持してもらえる映画だろう。特に、70年代ディスコソングが好きだった中高年なら、必ずやこの映画を気に入ってもらえるはずだ。思わず昔を思い出して、一緒に踊り出してしまうこと間違いなし!本作のサントラは超オススメ!懐かしさと新鮮さを味わって、今一度、青春時代に浸ってみてはいかがだろうか。 |
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