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The Fuccon Family TVドラマ・2003/1/24・DVD マネキンドラマ「OH! Mikey」のルーツ、まぼろしの「フーコン・ファミリー」ついにDVDリリース!! きっついブラック・ジョークの連続に、大人は笑い、子供は大泣き?! DVD「VERMILION PLEASURE NIGHT」未収録のエピソード、初出のメイキング映像や監督インタビューを含む、バミリオンファン待望の「フーコン・ファミリー」コンプリート盤。フーコン・ファミリー&新フーコン・ファミリーの計 全18話を収録。ボーナストラック : メイキング映像、石橋監督インタビュー(以上予定) |
「フーコン・ファミリー」とは、『オー! マイキー』の原型。かつては、ブラック・ユーモア満載のTVシリーズ『バミリオン・プレジャー・ナイト』の1コーナーでしたが、あまりのクロさに一部から熱狂的な支持を得ました。その後、『オー! マイキー』となって独立したというわけです。 その内容は、すばり濃厚。人気獲得後、プレッシャーのある環境で生み出される『オー! マイキー』に比べて余分な意気込みはなく、肩の力を抜いて挑んだやりたい放題な作風に好感が持てます。抱腹絶倒であることは、もはやいわずもがなでしょう。この度のDVD化は、「あぁ、やっぱりね」という感じ。『バミリオン〜』のなかでもひときわ異彩を放っていた「フーコン・ファミリー」が1枚に凝縮、加えて未収録エピソードも収められている『The Fuccon Family』は、マニアなら必携、マニアじゃなくても必携のアイテムです。欲をいえば、ついでに『バミリオン〜』自体の未公開エピソードも、何かの機会にDVDに収録してほしいなぁ。けっこうたくさんあるはずですが……。 さて、マイキーほかマネキンたちの言い回しは、みな一様に感情がこもっていないのが特徴です。会話形式で録音すると人間味が出てしまうことから、各声優ごとにセリフを言い切りで録音し、あとから繋げて独特の無表情さを出したのだそう。さらに、マネキンそのものは静物のため、テンポよくみせるためには1日に大量のカット数を撮影するしかなかったのだとか。監督の石橋義正いわく「いちばん時間のかかった作品かも」とのこと。ちなみに、マイキーたちには、ちゃんとヘアメークがついているそうです。 マイキーばかりが先走ってしまい、肝心の監督の名を聞いたことがない方のために、最後に少しだけ石橋義正にまつわるお話を。「フーコン・ファミリー」や『バミリオン〜』長編映画版『カラー・オブ・ライフ』の“世俗的”なイメージが強い彼ですが、パフォーマンス・アーティスト集団「キュピキュピ」(『バミリオン〜』にもゲスト出演あり)の一員でもあります。京都を中心に活動しているので、関西エリア以外の方はインターネットか美術館でしかその作品に触れる機会がありませんが、パリやロンドンでライブを行うほどのスゴ腕集団です。世界各国の近代美術館にて企画展も催されています。作風は、『バミリオン〜』にて美女たちが繰り広げるシュールな世界を濃縮し、さらにブッ飛んだ異世界にしたもの。アート色が強いから「濃厚」なのかもしれませんが。『バミリオン〜』ほど娯楽化されていないので、初心者の方は副作用に注意です。 その点、劇場公開用に作られた『狂わせたいの』は、カルト映画ながら、石橋ワールド初心者にでも受け入れやすいでしょう。半オムニバス形式の本作、終盤で失速してしまうのがもったいないのですが、ノスタルジックな映像と力強い展開には圧倒されっぱなし。「好き好きす〜きで燃えて、狂わせたいの〜♪」とタイミングよく登場する懐メロたちは、メガトン級の破壊力をほこります。何度となく繰り返しみても、冒頭シーンにおける鈴の音が持つ魅力には秒殺されるでしょう。監督みずからが振り付けをつけたと思われるダンス(?)も満載。後の『バミリオン〜』につながる原石がいっぱいです。ご興味があれば、ぜひ。 |
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