商品説明
菊池寛作品の多彩、奥行き、成り立ち、そして東西にわたる評価を、コンパクトにまとめてみた。加えて芥川龍之介、久米正雄の文学にもふれ、菊池寛の対照化も図った。結果的に“作品”の解釈と分析、および評価を入射角としながら、作家の相貌を浮かび上がらせることに帰着した。テクスト論を標榜して、テクスト論的なるものの跋扈に終わった近代文学研究の“パラダイムチェンジ”。そうした風景に対する反措定であるかもしれない。
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収録内容
1 | 第1章 作品解説に代えて(「三浦右衛門の最後」―冷眼とヒューマニズムと |
2 | 「父帰る」をめぐる言説 |
3 | 「恩を返す話」成立の背景 ほか) |
4 | 第2章 作品とその周辺(第四次『新思潮』のゲラ |
5 | 「真珠夫人」考―発生する読者 |
6 | 「貞操問答」小考 ほか) |
7 | 第3章 芥川龍之介と久米正雄(「邪宗門」異説―“別稿”をめぐり |
8 | 「螢草」補注) |
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