トニ 4Kレストア版

『ピクニック』『大いなる幻影』『ゲームの規則』『フレンチ・カンカン』など、数々の名作で知られる巨匠ジャン・ルノワール監督の野心的傑作。実際の犯罪事件をもとにした男女の愛憎劇で、ルノワールは南仏を舞台にリアリズムに溢れたタッチで描く。主演のトニを演じるのは『顔のない眼』のシャルル・ブラヴェット。製作総指揮に劇作家で映画監督でもあるマルセル・パニョル、監督補佐として後の巨匠ルキノ・ヴィスコンティが参加している。非職業俳優を多く起用し、ほぼ全編をロケーション撮影、同時録音による本作は、イタリアのネオ・レアリズモに大きな影響を与えたことでも知られる。――マルセイユに近い移民の多い町。出稼ぎにやってきたイタリア人のトニは、官能的なジョゼファに恋をするが、彼女はトニの働く採石場の監督アルベールと結婚。トニは彼に好意を寄せていたマリーと一緒になるが、マリーはトニの心がジョゼファにあると知り自殺未遂を起こす。一方ジョゼファは、アルベールから財産を盗んで逃げようとするが、それをアルベールに見つけられ、殺してしまう。トニは彼女を救おうとアルベールの死体を自殺に見せかけようとするが・・・。解説リーフレット/ポストカード封入。