Salavah

99年7月30日リリースの「more than paradise」以来、遂にリリースされるポート・オブ・ノーツの新作は、2ヶ月連続でEPをリリースする2部作として登場。第一弾に当たる本作は、王道ポート・オブ・ノーツ節が炸裂した3曲の新曲+先にアナログより12inchでリリースされたリミックスを1曲加えた4曲入り。情熱的なアコースティック・ギターのカッティングで幕を開けるタイトル曲は大陸の風と大地を音化したような雄々しく広がりのある空気感と色彩感が「さらば ふるさとよ」というフレーズに重なるキラー・チューンで、元ミュート・ビートの、というよりもはや孤高のトランペッターとして独り立っているこだま和文のソロと、リトル・クリーチャーズの青柳拓次のアルト・ギターとパーカッションがさらなるスケール感を与えている。M2はいかにも名曲然としたコード進行と静かに何かを語っているようなウッドベースのラインとハモンドオルガンの響きがストイック・スタンダード。SAKURAに提供した曲の自作自演ヴァージョンであるM3は初期のカウボーイ・ジャンキーズが日本で自らの過去を振り返ったような趣きのわびさびが曲間からにじみ出る。M4は今年1月にクルーエルよりリリースされた1stソロ・アルバムが静かな話題を呼んでいるプロデューサー/コンポーザー、神田朋樹によるバレアリック・サウンドスケープが見事な音響工作リミックス。