目次
第1部 大正デモクラシー期〜一九四五年(「日本ファシズム」と天皇霊・ミコトモチ論―丸山真男、橋川文三、そして折口信夫
一九二〇年代における国体論者間の知的交流について―井上哲次郎・筧克彦・上杉慎吉
学知としての「帝国の歴史学」―近代史学史の再検討のために
山口麻太郎の一国民俗学批判とその背景―一九三〇年代の地域・地域性概念の在り処を手がかりに
戦時下の『源氏物語』から見る国策と学問―「学知」は誰のものか
アジア・太平洋戦争期の山崎闇斎研究―平泉澄と阿部吉雄)
第2部 占領期〜一九五〇年代(尾藤正英と「民族の文化について」
歴史学の境界を揺さぶる実践―国民的歴史学運動が目指したもの
「伝統芸術の会」と民俗芸能―一九五〇年代の隠れた文脈
「民衆宗教」言説と気まずい隣人たち―創価学会の場所)
第3部 高度経済成長期〜一九七〇年代(六〇年安保と知識人―「大衆」をめぐる認識の布置
「民族」概念をめぐる学知の転換点―「人民」概念との関係を軸として
網野善彦と桜井好朗の学知史―一九七〇年代中世史研究の一面
ポスト全共闘の学知としてのオカルト史研究―武田崇元から吉永進一へ)
第4部 戦前〜戦後を通した学知の変容と対話(「文献学者宣長」像をめぐる国学の学知史―芳賀矢一・村岡典嗣・西郷信綱・子安宣邦・百川敬仁
英雄時代論にみる文学と歴史―西郷信綱と石母田正
「共同体」からの抵抗―山下欣一の初期論文を読む
「アイヌ文化期」概念の形成と展開―近代日本の学知と「アイヌ」史
縄文の「発見」と神話学)