目次
1 若きいろごのみの蹉跌(そのそこの夕顔―「夕顔」巻における「心あてに」歌の解釈をめぐって
門前の随身―夕顔物語の始発をめぐって ほか)
2 仮構される聖代(池のほとりの光源氏―「少女」巻の放島の試みを起点として
野に行く冷泉帝―「行幸」巻の大原野行幸をめぐって ほか)
3 苦悩する巨人(光源氏の退屈―高崎正秀の源氏物語論をたどりつつ
女三宮のなつかぬ唐猫―柏木物語におけるその位相をめぐって ほか)
4 情念のゆくえ(“もののけ”の幻影―柏木の絶筆をめぐって
柏木の文袋―封じ込められた最後の手紙をめぐって ほか)
5 終わりゆく世界(朧月夜の退場―「若菜下」巻における「作物所」をめぐって
紫上の二条院―「若菜下」巻における転居を起点として ほか)