目次
第1部 過去を語る、過去を作る(伝記と歴史の境界を越えて―英雄伝というジャンルの誕生
「英雄」アレクサンドロス―人物像に込められた同時代の思いと後世への影響
陶片追放と民衆の妬み―情報源の利用と同時代への配慮)
第2部 伝記を綴る哲学者(“受容”する女性―プルタルコスの女性論・結婚論の哲学的背景
可知と不可知のはざま―自然の不可思議現象と知的探究のはじまり
実践的な生と伝記の執筆―『英雄伝』の指導者像と哲人統治の思想)
第3部 表現技法の模索(対比の技法を探る―「比較」の独自性と効果
語り手の自己呈示と読み手の形成―読者を引き込む語りの仕掛け
『英雄伝』の発表順序―循環する相互参照が伝えるもの)