目次
山口富一郎―練習と同じように、早く敵に野砲ぶってみたいと思っていた。
古畑定雄―命令一本で生きるか死ぬかの毎日。それが紙一枚と銀杯と時計をもらっただけよ。
上原武雄―軍刀を持っていると迷惑がかかると言われて交番へ持って行った。
高山丹寿―石鹸とタバコをお湯に溶かして飲んで、わざと下痢して、入院する人もいた。
佐野和多留―食えそうな物は何でも口に入れた。火を使うと知られるから、全部生で食った。
小林幸二郎―これはもう死ぬなと思った時は、必ず母親の顔が目に浮かんだ。
塚田米蔵―ソ連兵と組んでトラックで野菜かっぱらってきて料理した。
黒沢洋助―先の見えない毎日だった。食うことで精一杯だった。
鈴木豊次―目覚めたら隣の兵隊、豚小屋の材木が首に当たって死んでいた。
小貫幸太郎―赤紙来た時、丈夫な体だったら海の中で魚のエサになっていた。〔ほか〕