商品説明
『自伝』以来18年ぶり、ノーベル賞受賞後初の著書。2010年から取り組んできた本書は、ポピュラー音楽に対するディランの飛び抜けた洞察力の賜物である。スティーヴン・フォスターからエルヴィス・コステロ、ハンク・ウィリアムズからニーナ・シモンに至る多種多彩な66曲を取り上げ、安易な押韻の罠について、余計な一音節がもたらす破滅について説き、ブルーグラスとヘビーメタルの類縁性まで明かしてくれる。文章は独特なディラン流。神秘的にして闊達自在、辛辣にして深遠、時に腹の皮がよじれるほど愉快だ。表面上は音楽の話であるのに、人間存在に関する深い考察を含んでいる。約150点の精選された図版が、本文から抜粋された夢のようなリフのシリーズと相まって、叙事詩にも似た超越性を醸し出す。2020年に傑作『ラフ&ロウディ・ウェイズ』を発表したディランは1960年代以降、すべての年代でヒットを飛ばす存在だが、ディランが長年のあいだ培った技術の粋が詰め込まれた本書は、その音楽活動にも比肩する、とてつもない芸術的達成だ。
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