SS将校のｱｰﾑﾁｪｱ / 原ﾀｲﾄﾙ:THE SS OFFICER’S ARMCHAIR/ ﾀﾞﾆｴﾙ･ﾘｰ/〔著〕庭田よう子/訳

商品説明
古いｱｰﾑﾁｪｱを修理に出したところ、中から書類の束が見つかった。鉤十字の印があり、一見してﾅﾁの文書とわかるものだった。誰が、何のために隠したのか。謎を託された著者は、その行方を追う。書類の持主は、ﾛｰﾍﾞﾙﾄ･ｸﾞﾘｰｼﾞﾝｶﾞｰ。SS(親衛隊)将校だった。ﾌﾟﾗﾊの椅子職人、ｼｭﾄｩｯﾄｶﾞﾙﾄに住む甥、二人の娘、遺された日記、各国の公文書館を探るうちに、その人生が徐々に明らかになっていく。娘たちは父親がSS将校であったことを知らなかった。ｸﾞﾘｰｼﾞﾝｶﾞｰはSSに所属しつつ、法務官として仕事をしていた。彼のように一見普通の市民として生活していたSSは多くいたが、戦後の裁判の対象ではなかったため、実態は定かではない。第三帝国の一部として淡々と職務を果たした「普通のﾅﾁ」とその家族。忘れられたﾅﾁの足跡が浮かび上がる。