商品説明
正岡子規の名は、近代文学において不朽である。彼は俳人であり、歌人であり、写生文家であった。同時に彼の生涯は病魔との闘いの連続であった。二十二歳の若年にして喀血して以来、激痛と高熱に見舞われ、ほとんど病床から離れることは不可能であった。「写生」を基盤とした俳句革新、短歌革新、写生文創始などの偉大な業績は、すべてそういう彼の、小さな病室でなされたのである。しかし彼は野心家であった。日毎に衰弱していく肉体の中で、彼の野望は火のごとく燃えあがった。私たちが今、近代の短詩型文学について語ろうとすれば、まっさきに子規を語り、彼の唱導した「写生」を語らねばならない。彼こそ短詩型文学の父である。おそらく俳句や短歌が消滅しないかぎり、彼の名は永遠に伝えられるであろう。
出荷:
メーカー在庫あり:2-4日
J-WAVE CD&BOOK ONLINE
powerd by Neowing