商品説明
豊富な演奏経験に基づく独自のアレンジを生かして、異彩のサウンドを発揮する松本全芸トリオの野心的デビュー作。 瀬川 昌久 (ジャズ評論家)最近のジャズ界はピアノ・ブームで、特に若い女流ピアニストがもてはやされているが、実際に90年代から第一線のピアニストとして多くのジャズ・グループで腕を磨いてきた中堅ピアニストの中に、確乎とした自分のスタイルをもって、個性的で且つ興味ある演奏を展開している者が沢山いる。今回ピアノ・トリオ・アルバムを発表する松本全芸もその一人である。 彼は現在トランペット奏者・村田浩のザ・バップ・バンドのピアニストとして、全国ツアーを含めて相当忙しく活動し、且つ宮間利之とニューハードにも所属しているが、一方で自己のピアノ・トリオによる演奏にも積極的に取り組んでいる。その際には多彩な楽想によるオリジナル曲や、スタンダード・ナンバーを独自の解釈で組み立てた異色的なサウンドを開陳して、聴く者を驚かせ、楽しませている。このアルバムでは、気心の知れたベースの渋谷盛良とドラムスの橋本学と組み、オリジナル4曲とスタンダード6曲を取り上げ、彼独自の個性的なこだわりに徹し、ハーモニーやリズムにアレンジを加え、他のグループとは異なるサウンド演奏を目指している。 彼のピアノは勿論だが、渋谷のベース、橋本のドラムス共に、その音楽的水準は極めて高く、高度なインタープレイを通じて、意表をつくような面白いトリオのサウンドが生まれている点を、じっくり鑑賞して頂きたい。
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