商品説明
ますます注目を浴びているヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲全集。シリーズ10作目は1969年に完成した交響曲第14番です。作曲者自身が「不条理な死」をテーマに、オラトリオ形式を想定して紡いだ11の詩集。この作品が完成する3年前の1966年にショスタコーヴィチは「交響曲第14番」の作曲にとりかかっていますが、その初稿スケッチは後に「チェロ協奏曲第2番」として蘇ることとなり、ロストロポーヴィチの手によって初演されることとなりました。そのため1969年「ソプラノ、バス、弦楽器打楽器のためのオラトリオ」として作曲された本作が、結果的に「交響曲第14番」として世に出されることとなったのです。そのためこの作品はショスタコーヴィチの交響曲の中でも非常に稀な楽器編成で奏されるのです。2人の独唱者に拠って歌われる各楽章は、マーラーの大地の歌を思い起こさせますが、曲はもっともっと晦渋であり、更に「死の影」に捉われているものです。ペトレンコのショスタコーヴィチ解釈は、バルシャイをはじめとするこれまでの指揮者たちとは一線を画し、非常に「現代的」と評されるものの、一見淡白かつクールに思えるその音の奥から滲み出る強いパッションは、21世紀のショスタコーヴィチ演奏のスタンダードの形となるかもしれません。
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