FM802 OTOSHOP
女の旅
花房観音/著

目次
なんば ずっと男が怖かったのだということを、女性とセックスして思い出した。 広島 人生は思い通りにならない。けれど、それが不幸だとは限らない。 渡鹿野島 あんたたちだって、セックスしてんだろ?セックスして生まれてきたんだろ? 加太 セックス、性欲は私にとっては自分の人生を破壊した罪悪だった。 岐阜 彼女は誰のものにもならないまま、あるとき、永遠に皆の前から消えてしまう。 十三 当たり前に「若い女」を享受している人たちとは、違う世界に生きているから。 彦根 社会からこぼれ落ちた、まっすぐ生きられない人間―それは、私自身だった。 六本木 痛めつけられたい、虐められたい、支配されたい。好きな男になら、何をされてもいいと思っていた。 五条楽園 赤は女の色だ。毎月血を流す度に、そう思う。子も産まぬのに、まだ、血を滴らせている。 山形 死の匂いが漂う場所で、自分が生きていることを確かめているのだろうか。〔ほか〕


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