収録内容
1.
捨てようか。捨てようか…
2.
釣瓶漏りの…/音妹子の…/月に思う…/鳴き得ぬが…/毒ありて…/旅程変えば…/海見れば…/気まぐれの…
3.
蛍淋しうて…/海は見ず…/入日尊し…/濃き煙…/風がはたはた…/風につぶやき…/三日月…/水底…
4.
いつしか わたしも…
5.
夢深き…/雪かぎりなし…/燕とびかふ…/光と影と…/蛙さびし…/月が昇わり…/闇の奥には…
6.
水底いちにち…/なつかしや…/若葉若葉…/路地の…/わが路遠く…/冴えがへる…
7.
大きな蝶を…/酔ひざめの…/つと起きし…/泣いて…/いつ見ても…/たまさかに…/またあふまじき…
8.
山頭火は、弟とも…
9.
焚火よく燃える…/一すぢの…/雪ふる中を…/蝶ひとつ…/ほころび…/月夜の水を…
10.
噛みしめる…/けふもよく…/あかり消す…/風の巷の…/月澄む…
11.
しがらみを捨てて…
12.
松はみな…/鴉啼いて…/分け入っても…/しとどに…/炎天を…/木の葉…/生死の…/落ちかかる…/ひとりで…
13.
投げだして…/この旅…/踏みわける…/へうへうとして…/ほろほろ…/迷うた…/笠にとんぼ…/まっすぐな…/歩きつづける…
14.
朝、着替えを…
15.
だまって…/こほろぎに…/すべって…/つかれた脚…/しぐぐるや…/分け入れば…/水の影ある…/法衣…/食べるだけ…
16.
雪がふる…/生き残った…/捨てきれない…/木の芽…/また見る…/れいろう…/百舌鳥啼いて…/どうしようもない…
17.
若い頃、人生を…
18.
涸れきった…/あの雲が…/秋となった…/こんなに…/水音と…/しみじみ…/旅のかきおき…
19.
まったく…/墓が…/酔うて…/雨だれの…/物乞ふ…/あるひは…/笠も…
20.
運河を渡って、空港へ…
21.
逢ひたい…/ボタ山なつかしい…/ボタ山へ…/廃坑…/炭鉱の…
22.
鉄の翼で…
23.
うしろすがた…/霜夜…/鉄鉢の…/いつまで…/ほろりと…/寒い雲…
24.
よい湯から…/冬雨の…/笠へ…/いただいて…/しぐるる…/今日の道…
25.
けふもいちにち…/あるけば…/うつむいて…/ひとりきりで…/秋風の…/あざみ…
26.
お遍路さんとすれちがう…
27.
花いばら…/旅の法衣…/朝は涼しい…/ここにふたたび…/いそいでもどる…/雲がいそいで…/いつも一人で…
28.
けふはおわかれ…/うつりきて…/朝焼…/月が昇って…/ひとりの…/くりやまで…/おとは…
29.
どこから連れてきたのか…
30.
お正月…/あれこれ…/雪へ…/雪ふる…/水音…/春風の…/あるけば…
31.
人が来たよな…/ぬれるだけ…/すずめを…/ながいも…/ぬいても…/水をへだてて…
32.
わがまま…/ひさびさも…/こころすなほに…/てふてふ…/びうしより…/かさりこそり…
33.
歩いていると、野の花が…
34.
わかれてきた…/月も水底…/やっぱり一人…/みんなたつしゃで…/山のあなたへ…/はだかで…/すッぱだか…/ほととぎす…
35.
死人花、葬式花…
36.
まことお彼岸入り…/柳ちる…/いま写します…/お月さまが…/しぐるる…/ぽきりと折れて…/よびかけられて…
37.
なんぼう考へても…/ことしも…/炎くだけの…/しんみり…/ふくろうは…/春寒の…/椿の…
38.
乞ひあるく…/春が来た…/何もかも…/さて、どちらへ…/この道…/蜘蛛は…
39.
まこと山国の…/あすはかへらう…/草や木や…/燕とびかふ…/けふはここまで…/山しづか…
40.
遍路道にも難所があり…
41.
ひよりと穴…/うれしいことも…/ここを死に…/ともかくも…/病めば梅ぼし…/枯れゆく草…/ひつそり暮らせ…/ぶらりと…
42.
あたたかな…/ゆらいで梢…/伸びるより…/草のそよげば…/ひとりたがやせば…/花ぐもり…/ころり…
43.
空を鳥が渡ってゆく…
44.
木かげは…/てふてふも…/空へ若竹…/何を求める…/それもよかろう…/死んでしまへば…/死をまへに…
45.
風鈴の…/おもひおく…/傷が癒えゆく…/旅はゆふかげ…/秋風の…/水に雲…
46.
歩かない日はさみしい…
47.
草を咲かせて…/春潮の…/春の雪…/旅は笹山…/あてもない…/雲のゆきき…
48.
春風の扉…/うららかな…/たふとさは…/また一枚…/ほっと月が…/花が葉になる…
49.
幼い頃、母に連れられて…
50.
伊豆は…/あるけば…/青葉…/こころむなしく…/砂丘に…/荒波へ…/水底の…/ここまでを…
51.
水音の…/てふてふひらひら…/法堂…/こころ…/みんなかへる…/ふたたび…/わたしひとり…
52.
母が入水、弟が首吊り…
53.
をとこべし…/ひらひら蝶は…/ぬれてて…/風の明暗…/山ふところの…/いつまで生きる…/藪にいちにち…/歩くほかない…
54.
ふっと影が…/月がひらり…/洗へば大根…/影もぼそぼそ…/ひよいと芋が…/ひとりの…/やっぱり…
55.
山に日が沈んで柿色の空…
56.
そこから青田…/今日も事なし…/一杯やりたい…/より宿で…/酔ざめの…
57.
土佐では酒を売る店…
58.
風の中から/かうして生きては…/一つあれば…/ひなたは…/草は咲く…
59.
風の中おのれを…/とんからとんから…/日ざかりの…/月のあかるさ…/ふたたびは…
60.
路地を入って温泉宿へ…
61.
葦の穂風…/秋風…/ひっそりとして…/しぐれつつ…/もくもくとに…/山裾…
62.
雪へ雪ふる…/死はひややかな…/死をひくと…/死のしづけさ…/そこに月を…
63.
とっぷりとお湯の中に身を沈める…
64.
窓あけて…/朝のひかりへ…/ちよいと渡して…/水をへだてて…/其中一人…/つるりと…/勝たねば…
65.
みんな出て征く…/街はおまつり…/お骨声なく…/馬も召されて…/これが最後の…/山から…
66.
へそが汗…/焼いてしまえば…/死ねない手が…/壁がくずれて…/一羽来て…/その一片は…
67.
人さまのお役に立つことなく…
68.
木の芽や…/やっと世帯が…/旅もいつしか…/啼いて鴉の…/風ば海から…/春の山から…/お山しんしん…/山のしづけさは…
69.
夜空を見上げれば冬の大三角…
70.
はるばる…/お墓したしく…/はるほど…/月のあかるさ…/この水…/おちつけなり…
71.
まいにちは…/炎天の…/鉦たたきは…/けふの暑さは…/鴉とんでゆく…
72.
酔狂なれど、車を拾って…
73.
ひよいと四国へ…/秋ただに…/その松の…/石の指さす…/この道…/すなほに…
74.
のぼりつめて…/水音の…/水音しだいに…/秋の稔る…/わが松の…/暮れると…/しぐれて…
75.
泊めてくれない…/枯草しいて…/月夜あかるい…/まどろめば…/ふたたびは…/橋があたらしく…
76.
小鳥の愛情を感じる朝…
77.
旅空ほっかり…/よい連れが…/山みち…/生きの身の…/わがいのちを…/われいまここに…/おほらかに…/ぼうぼう…
78.
いちにち…/こんやは…/泊まるところが…/ついてくる…/一握の…/あなたも…/旅づ果てる…/ほろほろ…
79.
朝日に呼ばれて窓を開けると…
80.
朝まぬりは…/木の実…/まぶしくも…/わが手…/愛ても…/橋があると…
81.
秋風あるいても…/抜けたら…/あすはお正月…/一りん咲けば…/ひとり焼く…/ほほけすすきが…
82.
潮の香りがする小さな駅へ…
83.
干せば乾けば…/酔うて…/ほっかり…/寝ころべば…/おとなりも…/春が来たぞな…/春の山から…/いつからともなく…
84.
人がまばらな駅のホーム…
85.
春寒…/縫糸…/やっと糸が…/糸のもつれの…/よい水音の…/今日のをはりの…/あふれてくる…/月のひかりの…/かなしいことが…
86.
自ら自分のうしろすがたを見た山頭火…
87.
おちついて…/よいおみのりの…/とぼしい…/寝しな蚊帳の…/蛙に…
88.
じんじつ一人…/いつ死ぬる…/秋の夜や…/もりもり…/打つよりをはる虫…
89.
にわか遍路の晴れやかさと…
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