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商品説明
本書は、宮本常一が所長をつとめた日本観光文化研究所で行った、イザベラ・バード著『日本奥地紀行』講読の講義録をもとに編まれた。明治期のイギリス人女性旅行家の目で見たなにげない記述の中から当時の人々の暮らしや慣習のありようを読み取り、関連する、自身のフィールドワークから得た膨大な知見を、圧倒的説得力を持って紡ぎ出してゆく。
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収録内容
1 | 穀物や果物が豊富で、地上の楽園のごとく、人びとは自由な生活を楽しみ、東洋の平和郷というべきだ(「置賜県雑録」より) |
2 | 蚤の大群が襲来したために、私は携帯用の寝台に退却しなければならなかった |
3 | 子どもたちは、きびしい労働の運命をうけついで世に生まれ、親たちと同じように、虫に喰われ、税金のために貧窮の生活を送るであろう |
4 | 仕事もなく、本もなく、遊びもない。わびしく寒いところで、長い晩を震えながら過す。夜中になると、動物のように身体を寄せて暖をとる |
5 | あらゆる種類のお面や人形、いろいろな姿に固めた砂糖、玩具、菓子類...。日本では、どんな親でも、祭りに行けば子どもに捧げるための供物を買うであろう |
6 | 私はシーボルト氏に、これからもてなしを受けるアイヌ人に対して親切に優しくすることがいかに大切かを伊藤に日本語で話してほしい、と頼んだ |
7 | いつか遠い昔において彼らは偉大な国民であったという考えにしがみついている。彼らには、互いに殺し合う激しい争乱の伝統がない |